10話 古筝な世界1 5/6
あかりとせいなが向かった5の弦では……
「せいな、どっちが弦はじく!?」
あかりが元気よく髪を揺らす。
「……あかりは絶対無敵があるけど……はじきたい?」
せいなが小さい声で聞く。
あかりが目をキラキラさせて大きくうなずいた。
「してみたい!!」
せいなはあかりよりも少し身長が高い。
あかりは絶対無敵という体力と筋力を増加できる能力を持っているが、もともとの体はあまり体力がない。
あかりはさきほど絶対無敵を使用したせいで、今少し疲れている様子だ。
それにあかりは初めて見る中国琴に興味津々だし……と、せいなは心の中でつぶやいた。
「じゃああかりが肩にのって……自分が下で担ぐから……」
「わあい!! やったあ!! ありがとせいな!!」
あかりがわあいと言ってはしゃいだ。それを見てせいなが優しく微笑んだ。
一方そのころ。
1の弦に向かったつくよとこゆきのペアは……
「つくよは弦はじきたいー?」
頭の後ろで腕を組み、こゆきが気楽そうにたずねた。
「私の方が背が高いので、私が下からこゆきを持ち上げますよ」
つくよがふんわり笑って言い、こゆきの前に背を向けてしゃがみ込んだ。
つくよの姿勢を見て、こゆきが思い出したように言った。
「じゃあゆきがつくよの肩にのるけどー重いよー?」
そう言って肩に太ももをかけて、つくよの頭を手で緩く掴んだ。
それを確認して、つくよがしゃがんだ姿勢からゆっくり立ち上がる。
「大丈夫です。軽いですよ」
「そっかー」
つくよの言葉を聞いてこゆきがころころ笑った。
その頃あかりとせいなは……
「こう……?」
せいながあかりに背を向けて、しゃがんだ姿勢であかりに振り返って聞いた。
「ばっちしー!!」
あかりがグッと親指を立ててウインクしてみせる。
いや、両目を閉じているからこれはまばたきをしただけなのだろうか……?
「……あかり……ウインク、できてないよ……」
せいなが小さく呟くが、あかりはそっと聞かなかったふりをした。
「よいせっ!! のるよー!!」
そう言ってうきうきとせいなの肩にとん、と太ももを乗せる。
「大丈夫!? 起き上がれる!?」
せいなの肩の上であかりが騒ぐ。
「たぶん大丈夫……よよっ……」
「わああ!?」
ふらっとよろけかけたが、せいなもつくよ同様無事に立ち上がった。
「こっちはいけるよー」
「準備できています」




