10話 古筝な世界1 4/6
「いっせーのーでっ!!」
あかりの声が木のグラウンドにこだました。
この弦の駒はさっきの駒に比べ、それほどずれているわけじゃなかったようだ。
——かちりと、固い無機質な音が響いた。
「よっしゃあ!!」
「ふう……できましたね」
「うんーがんばったー」
「……頑張った……」
ふう、とあかりが地面にへたり込む。絶対無敵を解除したあかりは、体力がないのだ。
つくよも、ふう、と安心してため息を吐く。
こゆきがゆらゆらと頭を揺らした。
せいなが額の汗をぬぐう。
「もうあとは音を鳴らすだけだね!!」
ガッツポーズするあかり。
「そうですね、ですが……」
そこまでで言葉を区切り、つくよが顔を困ったように歪ませる。
「確かに……高さが少し……」
頭の上を伸びる金属線の位置を見てせいなも、うーんと唸る。
「うーん、あとこのくらいの高さだからー」
こゆきが自分の頭の高さと弦の高さを見比べる。
「五十センチくらいだからーゆきたち誰か一人を頭の上にのせたら届きそうなのにねー」
金属線を見上げながら、笑って冗談交じりにそう言ったこゆき。
それを聞いて、あかりが何かひらめいたように、ぴょんっと飛び跳ねた。
「じゃあ誰か一人を肩車したらいいんじゃない!!」
あかりがにこにこと提案する。
「たしかに……肩車したら届くかも……」
せいなが賛成するようにうなずいた。
「肩車するのでしたら私とこゆきが1の弦、あかりとせいなで5の弦をはじきましょうか」
つくよが控えめに提案する。
「いいね!! じゃあそれでいこう!!」
「もんだいなしー」
「うん、わかった……」
それぞれ返事をして、弦に向かった。
あかりとせいなが向かった5の弦では……
「せいな、どっちが弦はじく!?」




