10話 古筝な世界1 2/6
『5と1の和音を鳴らせ』
「5と1ってことはー、普通のソと一つ上のドをの和音、かなー」
こゆきが小さくつぶやいた。
「端の方の弦なら背伸びして届きそうだよ!!」
あかりの言う通り、真ん中の弦に比べて端の弦は4人のいる地面に近いので、こゆきの腕でも背伸びすれば届くのだ。
こゆきが試しに端の方の上に伸びる弦へ手を伸ばして、腕に力を入れて二本の太い金属線をはじく。
その二つの弦は3(ミ)と5(ソ)であり、二つ一緒に鳴らしても和音になるはずだったのだが……
ぼおおおぉぉん……
「……あ、れ……?」
大きく響いた不協和音にせいながつぶやく。
「おかしいなーこれミとソだから和音になるはずじゃんー」
地面を伝ってこだまする音に、こゆきが顔をしかめて言った。
「本当ですね。この二つは隣同士の緑の弦と白い弦、ミとソの弦のはずです」
怪訝そうにつくよがあたりを見回す。
「音がずれているのかな……?」
せいなが不安そうに駒のあたりに目をうつす。だが同じように目をうつしたつくよが、琴の弦を支えている駒を見て、ん? と首を傾げた。
「この駒たち……この線からずれているんじゃないんですか?」
つくよが指さした木の板の部分には、彫られた線があった。赤色で印が付けてある。
「そうだねー、ここに駒を合わせるのかなー」
こゆきがのほほんと言った。
「押して移動させるよ!! 5の弦はここだね!!」
5の弦へ走っていったあかりが、腕まくりして提案する。
「わかった…… じゃあ自分はこっちから押す……」
せいながこくりとうなずいて、あかりに続いて1の大きな駒に腕をかけた。
「ふたりはそっちから線の場所を見てて!!」
あかりがつくよとこゆきに言う。
「では私はこちらから線の場所を確認していますね」
つくよがそう言って、せいなとあかりとは逆のほうへ回り、線が引いてある場所にしゃがんだ。
「じゃあゆきもこっちから見てるねー」
そういってこゆきもつくよの隣にぴょんとしゃがみこんだ。
「よし!! じゃあやるよ!! 絶対無敵、発動!!」




