7話 七不思議な世界1 5/8
気づけば、つくよとせいなはトイレの前へと飛ばされていた。
「......トイレって、まさか......」
「いかにも、ですね」
「来る......きっと来る......」
「それ、別のおばけですね」
「大丈夫ですか?」 動揺している様子のせいなへと、つくよがやさしく声をかける。
「うん。つくよも一緒だから、大丈夫......」
少しつくよが前をいく感じで、2 人で怖々トイレに入った。 途端、ピラリと紙が落ちてくる。
≪「遊びましょ」と誘うと現れるトイレの花子さん≫
顔を見合わせ、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「「はーなこさん、遊びましょ」」
節をつけて、2 人で誘った。
ギィ、ギギィ、と。 閉まっていた扉が少しだけ開いて、小さな手が扉の中から現れる。
手を握り合い悲鳴をあげた 2 人の前に、可愛い小学生くらいの女の子が顔を覗かせた。
「あそんで......くれるの?」
花子さんは、恥ずかしそうに頬を淡く染めている。
「この子なら、全然怖くないですね」
「うん......」
思わず 2 人も、笑顔になっていた。 扉から顔を覗かせたままの花子さんは、中々そこから出てこない。
人見知りの様子に、内気なせいなは親近感を持った。
花子さんの視線に合わせるように、しゃがんで話しかける。
「何して、遊ぼうか......?」
「鬼ごっこ、とかでしょうか?」
せいなの隣に並んでしゃがんだつくよの言葉に、花子さんは首を横へと振る。
「トイレからは出られないの」
そっか、と呟いて、「じゃあ何して遊ぼう......」とせいなが考え込む中、花子さんが提案 したのは『山手線ゲーム』と『バックギャモン』だった。
一瞬、固まってしまった 2 人。
「山手線ゲームとバックギャモン、ですか?」
「なぜ、そのチョイス......」
意外な花子さんの提案に、せいなとつくよが戸惑い、2 人で顔を見合わせた。
「えっとね、1 人だと、できないから」
どうしてもやってみたかったの、と呟いた花子さんに、せいなが優しく微笑む。 「じゃあ。お題は野菜の名前、でどうかな......?」
嬉しそうに笑った花子さんが言った、「だいこん」からゲームは始まった。
「もう 1 つはバックギャモン、だったよね......」
「うん」
「バックギャモンと言えば、世界最古のボードゲームなんですよね」
最初は意外にも感じた遊びのチョイスだったが、駒が複数ある双六とも言えるこのゲー ムは、ある意味花子さんにはピッタリかもしれない。
「では始めましょうか」
つくよの言葉に合わせるように、3 人の前にはバックギャモンのボードと駒が現れる。
念願だったゲームを花子さんは嬉しそうに遊んで、4 つ目の七不思議もクリアした。
校内を探索していたあかりとこゆきは、とある教室へと入る。
入った途端、カガ、ガガガッ、と黒板の上にあるスピーカーが音を立てた。




