7話 七不思議な世界1 1/8 執筆:Motoki 先生
今回 4 人が到着した世界は、夜の学校のようだった。
下駄箱が並ぶその場所で辺りを窺うように見回していれば、ポーン、と聞き慣れたゲー ム開始の音が響く。そうして、空中へと文字が浮かんだ。
《学校の七不思議を見つけ出し体験せよ》
「七不思議......」
「見つけ出し、という事は、色々な場所に七不思議が隠されている、という事でしょうか?」
「とりあえず、それらしい所に行ってみようかー」
「よし! 頑張ろうー!!」
あかりの元気な声を合図に、4 人で廊下を歩きだす。 「夜の学校って、静かですね」
「なんだか怖いねー」
それでも 4 人だと心強いと、全員でまず向かったのは音楽室だった。 「ベートーベンの肖像画の目が動くとか、ありがちだもんね!!」
「メトロノームが勝手に動きだしたりとかー?」
話しながら、ガラリと音楽室の扉を開ける。入ってすぐに目についたのは、大きなグランドピアノだった。
「ピアノも、よくある......」
せいなが言うと同時に、ピラリと紙が上から落ちてくる。 拾ってみれば、文字が書かれていた。
《真夜中に鳴るピアノ》
「......真夜中に鳴るピアノ?」
「これが 1 つ目ってことでしょうか?」
せいなが拾った紙を一緒に覗き込み、つくよが呟いた途端、ピアノの蓋が勝手に開く。
ギョッとする 4 人の前で、誰も鍵盤を叩いていないのに、音が鳴りだした。
「えっ、何?!」
「怖ーッ!!」
驚き固まった 4 人だったが、しばらくして別の意味で視線を交わし合う。 演奏されているピアノの音が、微妙にズレていた。
「こ、これは!!」
「えぇーっと、怖いというより、何と言いますか」
「......ある意味、我慢大会だね。修行と言えなくもない、かも......?」
「まあ、良い滝行と思えばー」
「「「んんんん~~~~......」」」」
一生懸命弾いている風なのにいたたまれない、と。
4 人ともがなんとも言えない気持ちになってくる。
「調律、してないのかな!?」
「調律もだけど。この曲もなんだか、聞き憶えあるんだけど......」
「そうー。ゆきもそれ、さっきから気になってたー」
「何の曲でしたっけ?」
うーん、と考え込んでいた 4 人が、ハッと顔を上げる。 ほぼ同時に、声を発した。
「「「お菓子の CM ソング!!」」」
「子供達が歌ってるのを聞いて、覚えたんでしょうか?」
「だね。子供達が大好きなんだよ、このピアノはきっと......」
思い出すと、なんだか可笑しくなってくる。ズレた音ながらも、CM ソングを思わず口ずさんでしまっていた。
それぞれ同じお菓子の CM を思い出している筈なのに、口ずさむ歌詞が微妙に違う。 それでも最後には――。
「「「それにつけてもおやつはカール♪」」」
で、ぴたりと揃った。
嬉しそうに、ジャン♪ とピアノの音がひときわ大きく鳴って。
ピアノは勝手に閉まり、再び音楽室は静寂へと包まれる。
1 つ目を体験し、クリアだ。




