5話 マインクラフトな世界1 9/9
次に、その上に10個、模様入りの石レンガを置き、隣のパネルと同じようにブロックとブロックの間をブロックで埋める。実際に体で作業するのだから大変だ。
一見単純作業で時間がかかりそうだが、四人でやると意外と早い。
特に単純作業が得意なこゆきは、率先してブロックを並べていった。
そして、十分後。
同じ形同じ色、つまりは同じブロックでできた二つのパネルが、森に囲まれた草原に隣り合って立っていた。
「まったく同じだね!!」
「同じにしか見えませんね」
「作りが一緒だからね……」
「もうー、これで終わりかなー」
あかり、つくよ、せいなもこゆきに倣って、四人で空をきょろきょろする。
一瞬静かになった後。
ビーッと、強烈なほどのブザーの音が大音量で響き渡った。
とたんに、四人の周りの世界が消えていく。
木が消え、草原が消え、村が消え、雲が消え、最後にパネルが消えた。
あたりは、初めから何も存在しなかったかのように静かだった。
やがて闇に同化するような黒が、あかりたちも飲み込もうと、彼女たちに手を伸ばす。
四人はそれを黙って受け入れ、夜のような闇に、墓地のような世界の静けさに身を乗せた。
そして……
四人はこたつを囲んで座っていた。
まわりにはいつも通りの薄型テレビに四つのふとん、カウンターキッチンがあるいつものワンルーム。壁にかかった不自然なほどの電気表示は、「14:58:12」と表示されており、表示の秒点部分が無機質に瞬いている。
「ふう!! ただいま!!」
「ただいま帰りました」
「たっだいまー」
「ただいま……」
四人四様帰ってきたことを告げ、そして四人はいつも通り、思い思いの日常を始めた。
あの世界も、最初から決められていたことだったかのように。
「よっし!! こゆき一緒にゲームしよう!!」
あかりが元気よくさけんで、テレビのスイッチに手を伸ばす。
「いいけどー、さっき帰ってきたばっかじゃん—」
こゆきも笑いながら、おかしそうにテレビに歩いていく。
「さあて、今日の夕飯は何にしましょうか」
つくよがいつも通り、赤と黒のチェックエプロンを結び、カウンターキッチンの前に立つ。
「チャーハンがいい……手伝う……」
せいなが小さく言って、つくよの横に立つ。
次の世界は何かな、なんて思いながら、四人は電子タイマーを横目に、のんびりと生活している。




