0話 部活な世界1 3/20
「やっとできた……」
「おつかれー」
「すごいじゃん!!」
あかりがいつのまにか体育館の中にいた。
「あれ……つくよは?」
「ちょっとプラプラしてくるって!」
「じゃあ3人で回りますかー」
「じゃあ外行こ!! 陸上トラックがあったよ!」
3人は体育館を出て、陸上トラックへ向かった。
「ダーイブ!」
こゆきがすでにそこにあった走高跳用のクッションへ飛び込む。
「うちもやる!」
こゆきに釣られてあかりも同じように飛び込む。飛び込んだ勢いでこゆきの体がフワッと浮く。
「なんかあまり落ち着かないねー」
「そうだね。せいなも来なよ!」
「……いいよ」
遠慮する方の「いいよ」だった。
《100センチのバーを跳ぶ》
せいなは軽快に走り出し、カーブを描いていく。そしてバーに向かい右足を高く上げる。はさみ跳びで見事バーを飛び越えたが、クッションへの着地の時にバランスを崩した。
「あ……」
せいなはクッションの上で転び、背中を付き、仰向けになった。
「飛び込めー!」
「よっしゃ!!」
こゆきとあかりはクッションの側に立っていたが、せいなが転んだところを、見た瞬間にそこへダイブした。
両サイドを挟まれる形でダイブされたせいなはボフっと宙に浮き、再び落ちる。
「もう……」
せいなは半分呆れ、半分楽しさの笑顔を見せた。
「とおおおおお……てりゃああああ!!!」
あかりがでかい声とともに、バーを飛び越えた。
だいぶ余裕がある跳躍と、安定した着地を決めた。
「おー」
「さすが……」
こゆきとせいながパチパチと拍手をする。
「どうだ!! 参ったか!!」
あかりは両手を腰に当て、背筋を伸ばして、わざとらしく威張った。4個目の課題をクリア。
つくよは一人でPCの前にいた。校内の教室の1つに4台のPCが置かれ、画面には将棋の盤が映し出されていた。
戦況はつくよが少し押されていて、不利な状況だった。つくよの表情にも不満げな様子が現れている。
「あ、つくよだ!!」
あかりが部屋へ入ってくると響く声でそう言った。
「あかり……助けてください」
「せいなとこゆきもいるよ!」
「こころ強いです」
せいな、こゆきが部屋に入ってくる。
「将棋かー。ここはせいなの出番だねー」
「そんな……」
と言いながらもせいなは一つのPCの前に座り、将棋を指し始めた。
さらにこゆきもまた別のPCへ向かう。PC画面に映し出されたのは、まっさらな18×18のマス目がある盤だった。
「てーんげーん!!」
こゆきは盤の中央の点に黒の石を起き、囲碁を打ち始めた。
「よし! ここは任せた!!」
あかりはすかさず部屋を後にした。
「えー」
「えっ……」
「あら」
残された3人は顔を見合わせた。