2話 ファンタジーな世界1 2/6
ぶくぶく……こぽこぽ……なんだか泡の音がするような、そんなゆらゆらした場所で、せいなは眠っていた。
ここは、どこ……?ゆっくり目を開けると、そこはなんと水の中。
「……!!」
驚いてはっと息を吸い込み、気付く。あれ、自分……息ができてる……?
ふと自分の姿をぺたぺた触って確かめてみると、宇宙服のような、まあるいヘルメットをかぶっていた。
これをつけているから、息ができるのだろうか。とりあえず納得して、辺りを見わたす。
黄色やピンク、銀色など、綺麗な魚がたくさん泳ぐ。一つの群れが、せいなの周りをくるくると、人懐っこく回った。
……なんだか一匹、異常なまでにその場をくるくる、くるくるものすごいスピードで回っている魚がいるが。
周りの魚も少し引いているようである。
「…………」
おそらくシステム上のバグであろう、と、少し可哀想になったせいなは、そっとその魚に触れて回転を止めてあげた。
「お魚さん……どっちが岸か、教えてくれる……?」
魚たちは、いいよ!と言うかのように回ることをゆぅくりとやめ、そのままどこかを目指すように方向転換し、泳いだ。
にしても、綺麗な場所……海なのかな……。
せいなも後に続いた。
光源はどこにもないはずなのに、周りが見渡せる程度の明るさのあるその場所は、透き通る青がきれいな、深海を思わせる場所だった。
魚のほかに、サンゴや海草など、いろいろな海の生き物がそこにはいた。
岸には辿り着きたいけど、もう少しここにぷかぷかたゆたっていたいな……。
そんな不思議な気分に浮かされたまま、せいなは魚を追いかけた。
「……森?」
そこは自然豊かで、木漏れ日からさす光が暖かい、そしてちょっぴりファンタジーな森だった。
鳥の鳴き声が耳に優しく、ああ、双眼鏡やカメラがあればもっと楽しいのに!と悔しさを覚えた。あかりの服装は冒険者というよりは探検隊のようなもので、きっとどちらの小道具も似合うであろうことがうかがえた。
「わぁ!! キレーな木の実!! 美味しそう……食べられるのかな?」
などとキョロキョロ辺りを捜索していると。
「……ん?なんか、音……」
ドドドドドド
「え? 近付いて……うわぁ!? なにあれ!? 犬!?」
犬のような、ちょっとブタのような、現実世界でいうと馬くらいの大きさの生き物が、こちらめがけて猛突進してくる。
「ちょっまっ、あの、た、助けて~~!?」
全力疾走でモンスターから逃げるあかりであった。
このあたりは空気がおいしいねー、たまには緑に囲まれるというのもいいですね、などと話しているこゆきとつくよのもとに、ドドドドドドという地鳴りのような音が聞こえてくる。




