2話 ファンタジーな世界1 1/6 執筆:瀬奈 先生
ポーン。
ゲーム開始の合図が鳴った。
《4人がバラバラの位置から合流すること》
4人の前に課題が表示される。
「おお!! つまり探検だね!!」
あかりが目を輝かせる。
「どこに飛ばされるのでしょうか」
思案するように口元に手を当てるつくよ。
「あまりこわいところじゃないといいけど……」
せいなは不安そうに目を伏せた。
「きっと大丈夫だよー。たぶん」
こゆきが髪の先をくるりといじる。
「じゃあ、しゅっぱ~つ!!」
あかりの高らかな宣言を合図に、4人はどこかへ飛ばされた。
ぼふっ。
なにやらやわらかいものの上に降り立ったのは、つくよとこゆき。
見ると、二人とも新米冒険者のようなRPGらしい服装だ。
「わー。ふわふわだー」
「本当ですね。なんでしょう、これ」
しばしそのふわふわ感に癒され、楽しむ二人。
ふわ、ふわ…………、ん?
つくよが何かに気付く。
「これ……」
続いて、こゆきがゆっくりあたりを見渡す……
「モンスターじゃんー!!」
「こゆき、大きな声を出さないで!襲われる前に降りますよ!!」
「つくよだって声大きいー!」
そう、そこはふわふわクッションの上……
ではなく、おおきなおおきなモンスターのお腹の上だった。
二人は大急ぎでそのふわふわから降りると、少し離れた場所からおそるおそる様子をうかがった。
「襲われ……ないねー?」
顔が見える位置に回ってみると、そのモンスターは、のんびりとした面構えで、まだ目を閉じている。
「寝ている……のですかね?」
つくよがモンスターの閉じられた目を見つめる。いまだ動きはないようだ。
すると、こゆきがモンスターに、
「モンスターさん、ごめんねー……?」
声をかけてみた。すると、
「ぽーう」
モンスターはずいぶん可愛らしい鳴き声とともに、つぶらな瞳をのぞかせた。
「あ、起きたー」
「怒ってない……ですね」
よかった。ほっとして思わず笑顔がこぼれる二人。
「……お腹減ったなー。つくね食べたい」
「急に!?」
「モンスターさんのまあるいお腹みてたらー」
「つくねですか!? ずいぶん飛ばして連想ゲームしましたね……」
ぶくぶく……こぽこぽ……なんだか泡の音がするような、そんなゆらゆらした場所で、せいなは眠っていた。




