0話 部活な世界1 17/20
10回を超えたあたりから、3人はボールのキャッチに慣れ始めた。こゆきもボールの軌道を読み、パッとキャッチできるようになってきた。
しかし時々出現する理不尽バウンドにはなすすべがなく、5回連続でのキャッチ成功には至らなかった。
「ほっ!」
こゆきがボールのキャッチに成功した。これで2回目のキャッチ成功となる。
そして次の笛が鳴る。
落ちてきたボールは鋭い角度で跳ね、半分理不尽バウンドであった。せいなの方向へ跳ねたボールにびっくりしたせいなは、体のバランスを斜め前に崩してしまい、ふらついてしまった。
そして偶然にもせいながふらついた方向に、ボールがいた。ボールは地面へ落ちる瞬間、せいなの両手にスポッと収まった。
「よっと!」
バランスを崩したせいなをキャッチするつくよ。せいなは転ぶことなくボールのキャッチに成功した。
「ありがとう……つくよ……」
「どういたしまして。危ないと思ったら諦めてしまってもいいのですよ?」
「うん……ありがとう……」
せいなもつくよも、元の位置に戻り、次のボールを待った。
「あと2かいー」
笛が鳴る。バウンドしたボールはこゆきとつくよの間に鋭く跳ねた。
反応したのはこゆきだった。届かないと判断したこゆきは足を伸ばした。つま先がボールにギリギリ届き、ボールを蹴り返す。
またも鋭くなってしまったボールの軌道はつくよとせいなの間に飛んだ。
次に反応したのはつくよだった。こゆきと同じように足を思い切り伸ばし、つま先がギリギリボールに届き、上へ蹴りあげる。
今度はふわりと上がったボール。それはせいなの頭上へ落ちていき……
ぱすっ……
せいなの両手に収まった。一瞬の出来事だった。3人もうまくいったことに驚いている。
「やった……」
「せいなないすー」
「ないすです!」
「2人のアシストのおかげです……」
これで4回目の成功。次のキャッチに成功すればクリアとなる。そのせいか、3人の表情に緊張が見えた。ぐっと力を入れ、不動で笛が鳴るのを待った。
ピッ
笛が鳴った。
ボールが落下し、地面へ落下する。そしてバウンドした方向は……
真上だった。
3人は同時にボールの落下ポイントに集まる。
落下ポイント、もといボールの真下に集まった3人は両手を目一杯上へ伸ばし、6つの手でボールをキャッチした。
「……」
「……」
「……」
3人は至近距離で目を合わせ、ほっとしたような表情を浮かべた。
16個目の課題をクリア。
「焦った……」
「よかたー」
「緊張しました」
そして、3人がボールの落下ポイントから離れようとした時……
ピッ
鳴るはずのない笛の音が聞こえた。
反射的に身構える3人、ボールはやっぱり落下してきて、鋭角にバウンドし、せいなとつくよの間を素早く抜ける。
「おっと!!」
3人はボールが飛んでいった方向を見る。ボールを受け止めたのはあかりだった。
「あーあかりだー」
「なんか面白そうなことしてるね!!」
「え……課題終わったよね……?」
「あっち側のミスでしょう。でもこれで4人揃いましたね」
「じゃあ何か最後にやって終わろうか!!」
4人は校舎の方向へ向かいだした。
後ろからまだ笛の音が聞こえている。
「あっ!! プールだ!!」
あかりが指差す方向を3人が見る。




