0話 部活な世界1 16/20
3人はスキー場を出る。それまであったたくさんの雪は、あるラインを超えると無くなるように消えていた。
すぐ近くにあったのはラグビー場だった。
「ここにも課題があるのですね」
「でもラグビーのルールわからない……」
「ルールがわからなくてもできる課題おおかったよー」
「あ……確かに……」
空中に表示されていたパネルをつくよは読み上げた。
《5回連続で、落ちてくるラグビーボールを一度バウンドさせキャッチする》
「ほらー」
「確かに……」
3人は早速この課題に挑戦した。
広いラグビー場のど真ん中。白く引かれたラインとは別に、赤く描かれた小さな円があった。どうやらこの円の真ん中にボールが落ちてくるらしい。
3人はおにぎりくらいの小さな円を中心に正三角形を作るように立った。
そして、ぴっと笛のような音がなると、3mくらいの高さからラグビーボールが落ちてきた。長細い形をしたボールは、尖った方を下に向けていた。
地面へ落下したボールはせいなの方向へ向かってきた。
「おっ……」
せいなはボールを見事にキャッチした。
「ないすーせいなー」
「お見事です」
「ぐ……偶然です」
次の笛が鳴る。ボールが落ちてきてバウンドしたのは、つくよがいる方向だった。
「よっ!」
つくよも難なくボールをキャッチした。
「ナイスキャッチ」
「ありがとうございます」
「ないすーつくよー。次はゆきの番だね」
そう言い、気合いの入るこゆき。
そして次のボールのバウンドは、こゆきへ向かってきた。こゆきはボールをキャッチしようとするも、掴みきれず、あわわあわわと空中のボールに遊ばれた。
せいなの方向へするすると移動してしまうこゆき。せいなもなんとか助けようと、手を貸すが……結局地面へ落としてしまった。
「ごめん……余計なことしちゃったかも……」
「そんなことないよー。こっちこそごめんなさい。ねえ誰かが一度ボールに触れて、他の人がキャッチしてもOKだよねー?」
こゆきはせいなに謝った後、空へ向かって言った。
《問題ないです》
空中に返事が書かれた。どうやらドッチボールのように、複数人がボールに触れても、落ちなければOKらしい。
「まあ、気楽にいこー」
次の笛が鳴った。
落ちてきたボールは落下した瞬間真横に飛び跳ね、すぐに地面へ転がってしまった。非常に理不尽なバウンドであった。
「…………」
「まあ、こんな時もあります」
「まあ、気楽にいこー」
気をとりなおす3人であった。
10回を超えたあたりから、3人はボールのキャッチに慣れ始めた。こゆきもボールの軌道を読み、パッとキャッチできるようになってきた。




