15話 怪盗な世界1 9/11
「って感じかな」
こゆきの説明をあかりとつくよは頷きながら聞いていた。
「それではこうしましょう。まず展示室の入口に一人、出口に一人、そして天井は二人に分かれます。その内まず入口側と出口側は黒い影たちの気を引きます。そのまま展示室から離したあと、残りの四人を陽動するのが、天井にいる二人の内の一人です。入口、出口、非常口どこから出てもかまいません。そしてだれもいなくなった隙に、最後の一人がオーシャン・ブラッドを盗み出し、隣の雑居ビルまで逃げます」
「それで課題クリア、だね!」
「そのほかは状況見て各自が判断したほうがよさそうかなー」
「そうだね……」
それぞれが立候補した結果、入口はせいな、出口はこゆき、天井に登るのはあかりとつくよで陽動はつくよに決定した。
「う、うちが本当に盗むのやるの?」
「それが一番うまくいくんじゃないかな……」
「それにあかりはすぐに体力使いきっちゃうでしょ? 逃げ回るの難しくない?」
こゆきの言葉があかりにぐさりと刺さる。あかりは観念して、一番重要な盗み役をすることになった。
「よっし、じゃあオーシャン・ブラッドを盗み出そう」
『おー』
こゆき以外の三人は天井の道を使って、それぞれの配置についた。こゆきは非常口の側でストレッチをしながら、自分が動くべきタイミングを待った。
最初に動いたのはせいなだった。階段を上がったところ辺りに着地して、姿を現した。
「こっちだよ」
せいなの姿を確認した黒い影は首にかけていたホイッスルを鳴らした。入口の内側と外側に立っていた、四人の黒い影がせいなを追いかけた。
次に動いたのはこゆきだ。ホイッスルが鳴った直後に非常口から姿を現す。扉を開けながら、一番近くにいた黒い影に向かって、ゴムボール銃を撃つ。肩や脚のあたりにゴムボールが当たり、黒い影は真後ろに倒れた。どうやら頭をぶつけたのか、なかなか起き上がらない。
「ほらほら、おーにさんこーちらっ」




