15話 怪盗な世界1 6/11
「どうしたのー?」
「いえ、明後日入口も窓も鍵をかけられた場合、どうやって入ろうかと思いまして」
「窓割ればいいじゃん」
「けど音が出てしまいます。博物館は元々静かな施設ですから、音が響くんじゃないかと」
「じゃあさ、窓にガムテープ貼ったらいいよ。ガムテープ貼ったところを割ると音がしにくいんだって。このあいだの『警察官の二十四時』でやってたー」
警察官の二十四時とは、警察官の仕事や活動を放送している番組だ。季節ごとに放送される。
「それならガムテープを手に入れる必要がありますね」
四人はガムテープを探しに降りた。
その日の夜は四人とも眠った。次の日は道具に慣れるため、それぞれ好きなように動くことにした。
「その前に。動きやすい服装、しょーかんっ!」
現れたのは、レギンスと短いキュロットパンツ、Vネックの黒いトップスだった。四人はそれぞれ着替えた。
そしてその日の深夜十二時。四人は雑居ビルの屋上に来た。
「じゃあうちから行くね!」
あかりは慣れた様子で博物館の屋上へ飛び移った。こゆき、つくよ、せいなの順番で博物館の屋上に向かう。やはり入口と窓の鍵はかかっていた。窓にガムテープを貼り、ゴムボール銃の尻のところで窓ガラスを割った。窓の鍵を開け、あかりがまず中に入る。
入口は幸いにも鍵とドアノブが一体化しているもの、サムターン錠と呼ばれるものだった。あかりは静かにつまみを横から縦にして、鍵を開けた。残りの三人も中に入る。
まずは二手に分かれてオーシャン・ブラッドを探す。つくよとこゆきは二階を、あかりとせいなは三階にそれぞれ向かう。一階の展示室は日本絵画だったので、後回しにすることにした。
あかりとせいなは非常階段を下りて、二階に辿り着いた。しかし非常口を開けると、そこは展示室だった。三人の黒い影が巡回している。二人はそっと扉を閉めた。
「ここからじゃバレるね」
「一階から回ってみたらどうかな……?」
「そうしよう」
あかりとせいなは非常階段をそのまま下りた。出てきたのは売店のすぐ隣だった。黒い影が売店を見ていない隙を狙って、ひとまず会計をするカウンターの内側に隠れた。黒い影の様子を観察する。黒い影は五人いるが、その内二人は博物館の外、二人は内側の入口付近に立っている。一人は巡回していた。
あかりとせいなは巡回している黒い影が、階段に背中を向けた隙に、跳ねて階段の中央くらいの位置に着地した。
「手すりが大理石でよかった。ガラスで透けてたら無理だったよ」




