15話 怪盗な世界1 5/11
あかりがそう言うと、全員で今いるビルの屋上に向かった。
ビルからでは博物館の屋上の詳細はわからなかった。
「どうやって向こうまで行こう?」
「うーん。……ポーチに入っていたソールを使ってみては?」
つくよにそう言われて、あかりはポーチの中からソールをとり出した。靴底にくっつける。剥がれる様子はない。あかりはその場で何度かジャンプをして感覚を確かめた。
「ほっ。よっ。……よし! これなら大丈夫だと思う」
あかりは早速博物館の屋上へ飛び移ろうとした。そんなあかりにつくよが声をかけた。
「あかり、通信機を持って行ってください。あちらがどうなっているのか教えてもらっていいですか?」
「おっけ!」
あかりは助走をつけて、飛んだ。あかりの髪が風でなびく。あかりは高い山を描きながらなんとか博物館の屋上に着地した。衝撃を和らげるためにしばらくその場で跳ねた。
屋上には貯水タンクや発電機があった。あかりは屋上のドアノブを回した。ギイと音を立てて開く。
「もしもーし、屋上の扉には今のところ鍵はかかってません、どうぞ!」
『ほかに入れそうなところがないか見てもらっていいですか? どうぞ』
「りょうかーい。ちょっと待ってね!」
あかりは扉の外からほかの侵入口を探した。すると入口のそばに窓があった。一度も掃除されていないのか、埃で曇っていた。
「窓があるよ」
『大きさはどれくらいですか?』
「んー、そんなに大きくはないよ。人ひとり入れるかどうかって感じ」
『鍵はどうなっていますか?』
あかりは窓をスライドさせてみた。少々力がいるが開いた。
「んっしょっと。開いた。鍵はかかってない」
『わかりました。ほかに入れそうなところはありますか?』
あかりは辺りを一周してみた。
「ううん。入口と窓だけ」
『わかりました。気をつけて戻ってきてくださいね』
「はーい!」
あかりは再びソールの跳ねの感触を確認してから、雑居ビルのほうへ飛んで戻った。
「すごい、あかり。よく飛べるね……」
せいなが、帰ってきたあかりに言った。
「えへへ。最初怖かったけど、このソールすごいよ。トランポリンみたい」
あかりとせいなが話している側で、つくよはあごに手を当て考えていた。そんなつくよに声をかけたのはこゆきだった。
「どうしたのー?」
「いえ、明後日入口も窓も鍵をかけられた場合、どうやって入ろうかと思いまして」




