15話 怪盗な世界1 2/11
「あ、ちょっと待って。まだ何か入ってる!」
そう言ってあかりが最後にとり出したのは、一枚の紙だった。
「ええっとなになに? 『これらはこの世界の怪盗がよく使っている道具である。 小手:手の内側にある引き金を握ると、ワイヤーが出る』だって」
「引き金ってこれのことかな……?」
小手を持ったせいなが指さしたのは、手のひら側にある取っ手のようなものだった。こゆきは「貸して」と言ってせいなから小手を受けとると、実際に装着してみた。三人から離れて、壁に向かって小手の引き金を握った。すると手首辺りから一本のワイヤーが飛び出し、壁に刺さった。どうやら先端に尖った重りがついているらしい。こゆきは試しに全力でワイヤーを引っ張ってみた。
「んぐぐぐっ。び、びくともしないわー」
こゆきは引き金を握る手をゆるめた。すると勢いよくワイヤーが戻ってきた。
「構造が気になります」
つくよは小手をまじまじと見ていた。あかりは紙の続きを読んだ。
「えっとね。 『煙幕:硬いところにぶつけるなど、強い衝撃を受けると外側が割れ、中から煙が出る』らしいよ! やってみる?」
「ちょっと待ってください。火災報知器が稼働していないか、確認しないと」
そう言ってつくよは天井やキッチン周りを見に行って、しばらくすると戻ってきた。
「やっぱり火災報知器が動いていました。あのまま煙幕を使えば煙を感知して警報が鳴っていたでしょう」
「さっすがつくよ! それじゃあやってみるね」
あかりは煙幕を思いきり床にたたきつけた。すると辺りは真っ白な煙に包まれ、一センチ先すら見えなくなった。
「へ……へっくしょんっ」
中には胡椒が含まれているのか、四人はしばらくくしゃみが止まらなかった。
くしゃみが収まるとあかりが紙の続きを再び読み始めた。
「へっくしょん! ええとー。『ソール:ジャンプ力を強化する』だとさ」
せいながソールを靴の底に着けた。軽くジャンプをすると天井近くまで飛んだ。
「おおーっ」
せいな以外の三人は思わず声を挙げた。
「えっと次はね……。『縄:この縄は頑丈でしなやかなワイヤーでできている。そのため頑丈ではありつつも、普通の縄のように使うことができる』らしんだけど」
「試しに切ってみよう」
そう言ってこゆきはキッチンから包丁をとってきた。包丁にぐっと力を入れた。結果、傷一つつかなかった。
「すごく丈夫ですね」
「これならいろいろ使えそうね」
あかりは次の道具の説明をした。
「次は。『通信機:離れたところにいる人と連絡ができる』だって! このトランシーバー小さいね」
通信機の大きさはあかりの手より少し大きいくらいだった。試しにせいなが台所の奥に移動した。ボタンを押しているあいだに通話できるようだ。
あかりは銃の形をしているものを手にとった。




