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kill two birds  作者: 内夕人
kill two birds
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転生

 キヨシはそれからというものの今まで味わったことのない贅沢を味わい尽くしていた。これまでの彼は東京生まれで質素な暮らしであったので彼は初めてもやしの入ってないディナーを見たのだ。彼の今いるこの世界はいわゆる異世界であり彼の住んでいた東京はいわゆる日本国であった。彼がなぜこの異世界にいるのかを話すのならば時を少しさかのぼる必要がある。先に結論からいうと死んだのはもちろんなのだが彼の死生観は死ぬために生きるという臭い考え方なのでこのような結果は衝撃的だった。転生が認められたのは圧倒的パラダイムシフトであるがそれを自身が死ぬことでしか証明できない皮肉に彼は不敵な笑みを浮かべながらナルシズムに浸っていた。

 キヨシの家庭は中産階級の中でも底辺だったので周りの流行りには中途半端にしかついていくことができなかったし、彼自身も追求しようとはしなかった。自分は不憫な存在だと都合のいいタイミングで思い出してみてあらゆる不都合に納得していた。ある時彼は深層webというものの存在を知った。すっかり錆びついていた感性をくすぐられたのですぐに調べてみることにして色々と面倒臭い設定を諦めてその世界を覗いてみたのだった。

 あらゆるものが外国の文字で表記されていたがリンクを開けば直感で異常だと分かるサイトばかりだったので彼はワクワクしながら絡み合うスモウレスラーやおぞましい獣の所業を流すように見ていた。一番グッと来たのは'FUCK!’とだけ書かれていたサイトだった。すっかり危険性を忘れてしまっていたキヨシはついに謎のハッカー集団のサイトに入って謎のリンクを適当にクリックしたりやりたい放題していた。闇の世界からも光の世界からも遠からず近からずだった彼の世界は初めてはっきりと明確に闇に近づいていたのだった。

 そして翌日にキヨシは下校途中にトラックに轢かれて即死した。トラックの運転手はドラッグ常習犯だったので責任能力は無いということで精神病棟で憤死した。ちなみにトラックの自動操縦のための試運転だったのでトラックのメーカーは責任を求められた。

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