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80.死霊使い


 父上も母上も大慌てで俺たちを阻止しようと窘めたが止められるはずはない。


 正直……俺は王都暮らしもしていないし、まともな貴族教育なんて受けていない。

 俺の世界はあの領地の屋敷に限定されていて、国がどうとか、爵位がどうとかなんてはっきり言って興味がない。

 みんなで働きゃなんとか生活ぐらいできるだろ。


 俺は生前……パシリ代の為にバイトをしまくって不良共ヤンキーども5人分のメシ代その上ゲーセンで遊ぶ金まで稼いでたんだ。


 大嫌いな他人の為に稼いでたんだ。大切な家族の為なら俺はもっとやれると思う。


 今は回復魔法も持ってるし、重力魔法だってある。

 手持ちスキルだけでも医術者、運送業者だって出来る。

 それだけ出来りゃ前世のバイト代以上は稼げるだろう。

 もし金になるんなら、ダークな仕事だってやってやるぜ。


 ……本当はボン爺みたいな冒険者になりたいけど、みんなを養う為ならそうも言ってられないな。


 『どうしたの? ぼんくら息子が珍しく意欲的じゃない?』


 いや、今までは貴族の息子だしありがたく甘えさせてもらってたけどさ、今回の作戦が成功したとしても、どうせもうこの国にはいられないだろ?

 ただの一般人になって家族みんなで暮らすならもう腹をくくるしかないじゃんか。


 『ふーん。えらい。珍しくえらい』


 いや、俺……今まででも充分やってきてると思うんだけど。


 『ま、レオ君の決意表明を聞いたところで……早くっ! 早くスキル取りましょ?』


 ……もちろんそのつもりだけどルッカ、妙に急かすな。


 『あのカタログの画面見るの好きなのよ。私も来世でチートするから今から予習しておくの!』


 おう。ま、俺も一人で見るよか楽しいからいいか。


 『ねー私用の使えそうなスキル探してよ。 レオより私が戦った方がうまくやれそう』


 ナチュラルに酷い事言うな……えっと、『ログ』


 ************************

 レオン・テルジア(9)


  職業:テルジア公爵の長男

     アイゴンの飼い主

  ------------

 『ステータス』 

  Lv: 34

  Hp:358/358

  Mp:171/171


 『スキル』

 ・短剣  Lv3 

 ・剣術  Lv4

 ・火魔法 Lv4

 ・水魔法 Lv4

 ・風魔法 Lv3

 ・土魔法 Lv3

 ・回復魔法Lv6

 ・重力操作魔法Lv7 

 ・狙撃  Lv5

 ・鑑定  Lv5

 ・身体強化Lv7

 ・暗殺 Lv3

 ・気配察知

 ・隠密

 ・暗視

 ・マップ

 ・言語能力(自国語)

 ・言語能力(ベネット語)

 ・言語能力(ダグロク語)

 ・算術 Lv5

 ・礼儀 Lv4

 ・貴公子Lv3


 『ユニークスキル』

 ・偽装

 ・繰り越し


 『エクストラスキル』

 ・魔力強化

 ・MP自動回復

 ・ポイント倍増(10)


 『所持ポイント』

  2958441P

 ************************


 ポイントが、ポイントがあと少しで300万になるのに惜しい。

 100万Pポイント級のエクストラスキルで固めていきたいんだけどな。

 あと、41559ポイントあれば……アイゴンをあと8回ほど風呂いずみのみずに浸せば可能だ。


 『せっかく寝てるのに可哀想でしょ。それより基礎魔法のレベル何とかしなさいよ』


 うーん。それが基礎魔法ってさ、地味に結構使うからそのうちレベル上がりそうじゃん?

 実際遅いけど上がってるし。魔法は使い方次第だし魔力強化あるから今のレベルでも大体なんとかなってるし。

 ……まあ、なんつーか、勿体ないっつーか……


 『でもそれって、ボン爺さんとロイ爺さんがいたから大丈夫だっただけでしょ? 今回人手が足りないんだから油断しないでよ』


 うーーーーーん。確かに差分のポイントで取れるっちゃ取れるんだけど……それよりもっと派手なスキル取りたくね?


 『今のステータスで使いこなせるんならいいと思うけど、レオそんなに強くないじゃん』 


 そんなことない! ルッカは知らないんだよ。このステータス上げるのどんだけ苦労したか。

 最初なんか、HPもMPも8とか2とかだったんだぜ?

 レベルもスキルレベルも全然上がらないせいでどれだけ苦しんだか……


 『ふーん。でもそれでやたら強い騎士とか魔導士とか出て来たらどうするワケ? 強い魔物とか魔族だっているかもしれないんでしょ?』


 おっエクストラスキルに『死霊使い』だって。これルッカ用じゃね?


 『なになに…… 『死霊使い』1424242ポイント:”死者をもこき使おうとするって……最低だょ?”……同感だわ。なんでこの私が使われなきゃならないのよ。……なんか死者が生き返る系のスキルないの?』

 

 残念ながらない。

 回復魔法もレベルMAXになったとしても”回復”だろ? ”復活”なんて出来ると思う?

 しかも父上の腕の件があるからさ、元の体がないとどうにも……俺だって生身のルッカに会いたい気持ちはあるけどさ。

 まあ、希望を持つなら『光』とかいうスキルじゃね?

 『光』スキルなら俺の兄妹が持ってるから……そん時試してみようぜ?


 『……ま、あなたのお兄さんと妹だっけ? その子達は助けてあげたいけど期待しないでおく。もしかしたらいずれ神様に会えるかもしれないし、その時に聞いてみるわよ。もし生き返ってもまた逃げの人生を送るくらいだったら、成仏するのも捨てがたいし』


 俺は……成仏はしてほしくないけどね。

 じゃ、まずこの『死霊使い』いってみるか。


 『は? なんでそのスキル取るのよ? 140万以上もするのよ?!』


 いや……ルッカもオーブの中だけじゃ暇だろうし、言い方はあれだけどこのスキルで俺がルッカを使える立場になったら、オーブの中から出られるんじゃないかと思って。


 『はぁ。その為にそんなにポイントを使うつもり?! やめときなさいって』


 いや、取る。

 こんだけ獲得ポイントが高いスキルって事は結構使えるんだよ、多分。

 そんで……各基礎魔法のスキルを2ずつ上げるから、それでいいだろ?

 あとは明日から暇さえあればアイゴンを風呂いずみのみずに入れまくる。

 敵地探索でまた必要なスキルが出てくるかもしれないしさ。


 『レオ、私はあなたが心配よ。近日中にレオが死ぬことがあったら……私の眷属にしてあげるわ』

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