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62.呪い

初めて感想がもらえて嬉しかったのと、内容的にキリがいいので2話更新します。

『昨日は良く眠れた?』


ああ、うん。

つーか、何でルッカは夢に出て来なかったんだよ。



『えっ? それをあなたが言うの?

 毎日私が夢に現れたらレオは寝不足になるでしょ?

それでレオが死んだら私が悪いみたいじゃない。』



そうかな。



『そうよ。私も成仏したら神様に会うんだもの。

 後味がわるいじゃない。

 レオとは昼間話せるし、たまににしとく。』



ルッカにとっては9歳だろうが17歳だろうが俺の事は赤ん坊みたいな感覚らしい。


ディアーナ以上の子供扱い。

そりゃ見た目がいくら美少女でも、なんてったってルッカは200歳だもんな、

そう考えるとディアーナだってまだまだ子供だよな。


『ちょっと! 200歳を強調しないでくれる?

 私達の種族なら普通だし。なんならまだ若いし!』



おっと、ごめんごめん。



さてと、今日は良く眠れたし快調快調。

屋敷に帰ったらやる事は沢山あるぜ。


半年後の降霊祭とやらについて調べて、ついでにドゥルムの奴を調べる。

そろそろ他の主要貴族についても調べておく必要もあるよな。

エルフについても知っておきたい。

レベル上げとポイント貯蓄の為に修行も必要だ。

後はメイと一緒に遊びたいし、そういやメイは元気にしてるかなー。



『なになに? エルフの何を知りたいって?』



うわっ! 全部筒抜けかよ!?



『ふふふん。その通りです!

 これって蛇の力を少し受け継いだからかしらね?

 色んな事がえるし、聞こえるの。』



ふーん。

色んな事って?



『例えばー、あなたのボン爺さんのことも、ディアーナさんの事も視えます!

 思念の細かいところまではわからないけどね。

 あなたってボン爺さんに愛されてるわね。

 レオが女の子の事ばかり考えてるの知ったら呆れるかもよ?

 ディアーナさんも普通の人じゃないわね。もの凄く強い信念を感じるわ。』



へ、へぇ。

気を付けるよ。

ディアーナについては聞きたいような聞いちゃいけないような。



『あと、あなた何か付けられてるわよ?』



へっ?



『レオ、何か魔法をかけられてない?

 いや、違う。魔法っていうか、呪いかしら?

 なんか変な感じがするのよねー。

 あなたがちょっと視えにくいっていうか、昨日より少し濃くなってるから。

 ちょっと待ってて』



・・・・・・・・・・・・呪い?

視えにくいって何だよ。

まさかドゥルムか?

ドゥルムにやられたのか?

俺も、ボン爺も気付かなかったけど。

・・・つーか今になって気楽な感じで言われても。



『・・・ごめん。今あなたの身体を調べてみたけどちょっとよく分からなかった。

 でもやっぱり呪いの類いだわよ、これは。

 あなたの心臓の辺りにもやがかかってる。

 場所もそうだけど、悪意ある”死の呪い”よ。』



は? 死?

なんで? 

ルッカ、何が分かるんだよ!?



『焦らないで! 私も驚いているんだから。

 もう少し調べさせてちょうだい。

 今夜、あなたが寝ている間に隈なく調べておくから』



え、その間に死ぬんじゃ・・・

今すぐ調べてよ、ルッカ、いま!!!



『だから焦らないで!

 今までだって大丈夫だったし、だから多分まだ平気よ。

 呪いは二種類あって、即効性のあるものと時間をかけて蝕むものがあるの。

 これは後者なんじゃないかしら。

 大丈夫よ、かかり方から見ても弱い呪いだし。』



やだよ、やめてくれよ!

多分とかそういうのいいから!

俺、ここで死ぬのとか嫌なんだけど。



『うっさい。男のくせに軟弱ね。』



・・・・・・・・・・・・



「にぃーーーーーーーーーーーにーーーーーーーーーーーっ!!!!」



屋敷の外をウロついていたメイが大声を張り上げながら猛ダッシュで俺に向かって走ってきた。

かなり遠い位置で踏み切ったジャンプからの俺のアイリーンの頭を飛び越えて俺に飛びついた。

軽やかな跳躍と見事な着地にアイリーンも少し驚いてよろけただけだ。

メイは一体、この数日でどんな修行をしたんだろうか。



「メイ、ただいま。ごめんな、少し遅くなったかな」



メイは頭をぶんぶん横に振らながら俺にしがみついている。

耳が顔に当たってくすぐったい。

メイの体は温かくてお陽様の匂いだ。すごく安心する。



「メイ、ただいま。途中でお土産のお菓子を買って来たのよ。後で食べましょう!」



「ディアー!! おかえりなさい!!

 お菓子っメイもたべるーーーーーー!!」



メイは俺にしがみついたまま顔を上げ、満面の笑みで返事をした。

良かった。メイ、泣いてるのかと思った。



「にーに? げんき、ない?」



「いや、ちょっと疲れただけみたいだ。

 明日、遊ぼうな!」



心配されていたのは俺の方だったか。

メイは片耳をしょげさせて不安げに上目遣いで俺を見上げている。

俺は無理に笑ってメイのもふもふした耳と白く柔らかい綿毛の様な髪を優しく撫でた。



「うん、、、」



メイにはすぐに気付かれちゃうな。

さすがだな、さすが未来の俺の嫁だけはある。



『あのー。レオが分かりやす過ぎるだけだと思いまーす。

 こんな小さなうさぎちゃんを心配させるなっての。

 夜には何とかしてあげるから、安心してお菓子でも何でも食べてなさいよ。』



あ、はい。



ルッカに呪いの話を聞いてから見事に落ち込んでいた俺の姿にボン爺も心配していた。

その前は寝不足で心配かけたし、何やってるんだ俺は。

ボン爺にはルッカの事も呪いの事も話さないとな。

でも話すとしたら、とにかく明日だ。



屋敷の皆は今回もやっぱり皆勢ぞろいで待っていてくれていた。

ただ、父上の件を先にロイ爺から聞いていたみたいで、皆複雑な表情で元気が無かった。


いかんな。

今、ここで息子の俺が頼りなくてどうするってんだ。



俺は元気に声を張り上げた。



「ただいま! みんな、父上は、無事だったよ!

 俺たちも3人とも元気に帰ってこれた!

 みんなでお茶にしよう。

 俺たちは旅帰りで汚れているから・・・まだ陽が落ちる前にここで、みんなで食べよう!」



この世界で、貴族の世界でピクニックみたいな概念があるのか分からないけど、

ロイ爺がすぐにティーセットを出してお茶を準備し始めてくれた。

王都の貴族ご用達のお菓子ではなく、ただ途中の街で買って来た焼き菓子だ。

だけど、皆が俺たちの帰りに安心してくれたし久しぶりに皆に会えて俺も安心した。

この数日間の旅の内容をかいつまんで話し、領地でのたわいない出来事を聞いて笑った。

適当に芝生に座り、夕陽が落ちる直前まで皆で飲んで食べた。



メイは口いっぱいにクッキーを頬張り、元気いっぱいに庭を飛び跳ねては、

俺やボン爺やディアーナに抱きついていた。

2話目はもうちょっと書いたらあげます。

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