5.魔法
ロイ爺に借りた本のうち、冒険物の方は俺の自室にある様な絵本に毛が生えた様な簡単な物だった。
だがそれなりに面白かった。
勇者が悪いドラゴンを倒す為の冒険活劇だ。
子供用に簡単な言葉が使われているのだが、これがまた臨場感があって体が内側から熱くなる様なストーリーに仕上がっている。
魔法書も読んだ。
魔法の発動方法から始まり火、水、風、土の初期魔法の呪文が書かれている。
これだよ!これ!
ロイ爺に感謝。
魔法の発動は、簡単にいうと空気中に漂う魔素っていう魔法の素を気合いで集めて呪文によって火や水や風や土を構築し、呪文によって発現させる。
うむ、だいたい想像通り。
・・・出来そうな気がする。
俺は早速やってみることにした。
部屋の中なので無害そうな風魔法を試してみる。
目を閉じて、両手を開きその手に空気を集める様に集中する。
うん、何か力を感じるぜ。
手の平が熱くなる。
目を開けてみると微かに手の平全体が光っている様な気がする。
えっと、本に目を落として呪文詠唱・・・
「レ、カナント・エフデレ・トガナン・カナ・ウィン・・・・」
・・・ややこしい。
呪文は読めるがとにかく言いにくい。
フッ・・
手の平の光が消えた。
「げっ」
失敗した。
もう一度、
・・・・今度は呪文の途中で噛んだ。
失敗。
・・・・また噛んだ。
失敗。
・
・
・
・
……イライラしてきた。
……俺は思う。
舌足らずな3歳児にこの詠唱は難しすぎる。
あと、呪文を覚えるのも難しい。
もう……無詠唱でいけるんじゃないかと。
出来るんじゃないか?無詠唱。
俺は気持ちを切り替え、また手の平に力を集めた。
手の平が熱くなりじんわり光る。
ここまでは良し。
今度はこの光が風となり、手の平から放たれる様に強くイメージした。
……フワッ
目の前の開いていた魔法書のページが1ページほどペラリと浮かんだ。
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結論からいえば、あれが風魔法といえるなら超簡単に魔法は発動した。
はっきり言って無詠唱も簡単に出来た。
詠唱の方が難しいじゃないかと思うくらい簡単だった。
部屋の窓は閉まっていたし、あの微風は魔法で出たものだ、と思いたい。
だけど、正直いえば本が吹っ飛ぶくらいの力を想像してたんだ。
あれなら俺が口で息を吹いた方が強い。
納得いかなかった俺は今度は水魔法を試す事にした。
さっきと同じ様に手の平に力を集める様に集中する。
?
あれ?
さっきの様な力が集まる感じもないし手の平も熱くならない。
……もしかして……
「ログ」
ステータス画面を開く。
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レオン・テルジア(3)
職業:テルジア公爵の長男
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『ステータス』
Lv:1
Hp:8/8
Mp:0/2
『スキル』
・風魔法Lv1
・言語能力(自国語)
・算術Lv1
・礼儀Lv1
『ユニークスキル』
・繰り越し
『エクストラスキル』
・ポイント倍増(10)
『所持ポイント』
394P
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案の定だ。
MPが0になっている。
魔法の発動には、MPを使うんだ。
俺ってば、最大MP2なんだよなぁ〜。。
それでも『スキル』に風魔法Lv1が追加された事は嬉しい。
このステータス画面、優秀だな。
よし、地道にいくか。
MPの回復までの時間も検証しないとな。
MPが0になったら眠たくなったり倒れたりするのかと思ったが、今のところ大丈夫そうだ。
廊下でいきなり力尽きて倒れたりしたらカッコ悪いから
しばらくフカフカのベッドに横になり魔法書を読んでいたが、大丈夫そうだ。
よし、素振りでもしてくるかな。
俺は元気よく部屋を飛び出した。
地味にステータスを直しました。(´・ω・`)
さらにステータスを直しました。(´・ω・`)