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4.検証


黒猫の神様しょうじょに教えて貰ったことを、

検証しはじめて、あれから3日経った。


3歳児の俺が出来ることは、”挨拶”と”お礼”くらいだ。


ちなみに、”挨拶”は、1ポイント、”御礼”は2ポイント稼げる事が分かった。

これは、『ポイント倍増(10)』を持っている俺の場合の取得ポイントだ。

本来は、それぞれ0.1ポイント、0.2(ポイント)だ。


凄くショボい。

『ポイント(10)倍』があって良かった。


この『エクストラスキル』には感謝だ。


それなのに、俺のせいで神様しょうじょが罰?を与えられていると考えると胸が痛む。

神様(少女)を恨む気持ちはない。

俺の為にやってくれた事だから。


貴族のイケメンに産まれて浮かれていたが、世界の崩壊?に俺が絡んでるかもしれないと考えるとズシリと重いものを感じる様になった。

早く俺も手伝える様に強くならないと。


-----------


俺は、身近な存在の女中メアリと、厨房のみんな(5人)と庭師の爺さんにはかなり頻繁に接触をする事にした。

あまり知らない使用人にも、見かけたら”挨拶”をするようになった。

なぜだか怪訝な顔をされるが、ポイント稼ぎの為に俺はなりふり構ってはいられない。


一度、俺の自室を掃除しているメアリの手伝いをしようと、置いてあった雑巾を持って床を拭いていたら、それに気づいたメアリに物凄い勢いで止められた。


「公爵家の御子息たるもの、使用人の手伝いなどしてはなりません。」


だってさ。

ちなみに、ポイントは3ポイントついた。

”挨拶”や”御礼”よりも貰える雑巾がけは大きいのだが、これはあんまり出来そうにないな。


ポイント稼ぎには、貴族の息子ってのは不便だな。

やって貰えるのが当たり前のただの人形みたいなもんだ。


本当なら、掃除、皿洗い、草むしり、を試したい。

元パシリの俺だ。きっと上手くできるはずだ。


この3日で獲得できたポイントは、171ポイントだ。

たった3日で171ポイント

レオンの挨拶週間の賜物だぜ。


合計で391ポイント

本当に塵も積もればだな。


実は、俺は毎日の様に「ログ」と唱え、あの本を眺めている。


************************

レオン・テルジア(3)


職業:テルジア公爵の長男

------------

『ステータス』 

 Lv:1

 Hp:8

 Mp:2


『スキル』

・言語能力(自国語)

・算術Lv1

・礼儀Lv1

『ユニークスキル』

・繰り越し

『エクストラスキル』

・ポイント倍増(10)


『所持ポイント』

 391P

************************


見てくれ!『スキル』が増えたんだ。


『算術Lv1』は、ポイントの検証の為にポイント計算をしていたら取得。

『礼儀Lv1』は、レオンの挨拶週間の賜物だろう。


はっきり言ってゴミスキルだが、

このようにポイントを取得しなくても自分の経験や努力によっても取得できる『スキル』があるって事が分かった。


そう考えると『剣術Lv1』も誰かに習えば手に入りそうな気がする。

『火魔法Lv1』とかの魔法系の初歩スキルも何とかならないかなぁ。


俺、公爵家の息子だし剣術の師匠も家庭教師系も何とかなりそうなんだけど。

この世界で貴族の3歳児はどの位英才教育を受けられるんだろうか。

両親が滅多にいないせいで分からない。


「それに、どうやって頼むかだよなぁ〜」


ついつい言葉がこぼれた。


両親に、手紙でも書くか?


そうだ俺『言語能力(自国語)』のスキルあるじゃん。


これで手紙が書ける!


って、ほとんど会ってない人だし気が進まないな。

手紙の文化があるのかも分からないし。


……まてよ?


この家デカいし、貴族だし、きっと書庫があるはずだ!


そしてそこには魔法関係の本もあるはずだ。


ポイントのせいで二の次になってしまっていたが、『言語能力(自国語)』のスキル検証も重要課題だ。


本が読めれば、独学で初期魔法のスキルを取得出来る。

つまり、ポイントの温存が出来る。



そうときたら書庫探しの探検開始だ!



俺の普段の生活圏内は、2Fの自室、1Fの食堂、廊下をはさんで厨房からの勝手口、そして庭だ。


自室にいた俺は、廊下に出て歩き始めた。


ざっと見渡すと扉の数がやたら多い。

広すぎだ、この家。


ひとまず、このフロアからいくか。


書庫なんだから、部屋の奥の方にありそうだ。


面倒臭くなった俺はひとまずそう仮定をし歩き始めた。



「おや、レオン様。旦那様の書斎にご用事ですかな?」


歩き始めた途端に背後から声がした。


「うわぁっ!……ロイか。もうおどろかさないでよ!

あっそうだ。ロイ、こんにちは。

しょこってどこにあるの?」


振り返ると、このテルジア領の屋敷を取り仕切っている執事、ロイが素晴らしく美しい姿勢で立っていた。


この執事、ニコニコした細身の爺さんだが、常にアサシン並に気配を消していて普段はどこにいるか分からない。

俺の勘だが、ロイ爺は若い頃に裏の仕事をしてたに違いないと思っている。


余談だが、執事のロイ爺と庭師のボン爺はマブ達だ。

俺はどっちかっていうとボン爺の方が仲良しだ。

ロイ爺は普段見かけないしな。


ちょうど良かった。

俺は、ロイ爺に要件を聞いた。

ポイント稼ぎの挨拶だって忘れない。


「フォッフォッ。これはこれは。

書庫はこちらですぞ。

……レオン様は剣士になるとメアリより聞き及んでおりましたが、今日はお勉強ですかな?」


「えっ!?メアリのやつ……。

そうだよ。でもまほうもつかうんだ!

だからほんをさがしにきたんだよ」


「これはこれは」


フォッフォッフォッと、ロイ爺が楽しそうに笑った。


ロイ爺に付いて歩きながら書庫に連れて行ってもらった。

書庫は、俺が思っていたのとは反対側の突き当たりの部屋だった。


ロイ爺に聞いたおかげで、時間の無駄がなくここまでこれた。


「ありがとう。ロイ」


「レオン様は文字が読めましたかな?」


うっまずい。

鋭いとこ突いてくるな。


「うーん。・・・よめなくてもいいんだ。

でも、よめるかもしれないだろ」


「フォッフォッ。そうですなぁ。

それでは魔法書の基本書は、こちらですぞ。

あとお薦めの冒険物語も一緒にどうですかな?

ドラゴンが出てきますぞ」


「うん!それもよみたい。

あ、ありがとう!」


俺はロイ爺セレクトの魔法書と物語の2冊を借りて自室に戻った。

地味にステータスを直しました。(´・ω・`)

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