表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/169

3.再会


メアリによると、結局両親は屋敷には戻らず、しばらく王都から帰れないらしい。


だから相変わらず、俺一人の生活だ。

一人といっても、気心のしれた使用人が数人いるから特に何の問題もない。


前世の記憶を取り戻した俺は、庭で寝そべりながら今後の事を考えていた。


転生後の俺の所持ポイントは28ポイントだったはずだ。

残りカスみたいなポイントだ。


あの神様(少女)、魔物退治ってポイントを溜められるって言ってたよな。

早く魔物退治をしたいところだが、魔物退治には、剣の修行と魔法スキルは必要だろう。


『繰り越し』の能力スキルを持っているから、ポイントさえ溜められればこの世界で俺はいつでもポイントを使い能力スキルを得る事ができるはずだ。


だけど冷静に考えればどうやってポイントやスキルを確認するのだろうか。

こういう時は『ステータス!』とか叫べば良いのだろうか。


小声で「ステータス!」と言ってみたが何も起きない。


やっぱりだめか。


柔らかい芝生の上でゴロゴロ転がっていると、1匹の黒い猫がいた。

この屋敷は自然豊かなので、小動物が迷い込んでくることは結構ある。


しかも俺は、動物が嫌いじゃない。


厨房に行ってミルクでも貰おうかと考えていると、


『よっ』


猫がしゃべった。


『あ、あたしあたし!神様!久しぶり。』


「え、神様?あの時の・・?」


『そうそう。ちょっとミスちゃって、へへ。

 しばらく神界から雲隠れしてこの姿で生活する事にしてるの。

 よろしくね!』


「え、ミス?」


『うん。ヤマダ君に2重に加護をあげたのがバレちゃったんだよね。』


あまり悪びれてない言い方だったが、内容が穏やかじゃなかった。


話の内容はこうだ。


転生者には加護を1つ授ける事になっている。


加護は、言語能力・身体能力・魔力・特定の技術の中から1つその転生者に合うステータスを少し上げる様なスキルを授けるというものらしい。


この神様は、俺に言語能力をプレゼントしてくれていた。

この能力のおかげで、実は俺は既にこの国の言語を習得済というものだった。

……3歳児だから本も読まないし、人とあまり話す機会がなかったせいで気が付かなかった。


神様はそれに加えて、

俺に『ポイント倍増(10)』というチートをプレゼントしてくれていた。


このスキルは、その名の通り、ポイントを通常の10倍で取得できるというものらしい。


スキルの中でも最上位の『エクストラスキル』に入るらしくポイントでいうと

50000ポイントに相当するものなのだそうだ。


なんつーチートだ。・・嬉しいけど。


……神様は雲隠れとは言っていたが、どうやら俺を気遣っての発言だった。


実体は、この世界の均衡が突然かなりのスピードで崩れ始めたので管理を押し付けられて来たらしい。


それが、ちょうどこの世界に俺が転生した頃と被ったらしく、普段行われない調査が入って、俺への二重加護がバレたらしい。

神様から与えられたチートのせいでこの世界の異変の原因が俺なのかどうかしばらく様子を見ることにしたそうだ。


そして、俺の前世の記憶が戻る時期が来たので会いに来たということだった。


何だか申し訳ないという気持ちしかないが、正直またあの神様に会えたのは嬉しかった。


「ところで、ポイントの確認とスキルの確認ってどうやってするの?」


『ああ、”ログ”って言ってごらん?』


「ログ」


目の前に透明の本の様なものが浮かんだ。


転生前に一緒にみたあのカタログだ。


『もう一回”ログ”っていうと消えるからね。』


やってみる。・・消えた。


「ログ」


出てきた!


『よしよし、その本をめくった最初のページにヤマダ君のステータスが載ってるから。』


ページをめくってみる。



************************


レオン・テルジア(3)


職業:テルジア公爵の長男


------------

『ステータス』 

 Lv:1

 Hp:8

 Mp:2


『スキル』

・言語能力(自国語)


『ユニークスキル』

・繰り越し

『エクストラスキル』

・ポイント倍増(10)


『所持ポイント』

  220P


************************



すごい。自分のステータスを見れるなんてゲームみたいだ。


スキルも神様が言った通りのものが入ってる。


「なんか、俺・・弱い」


『そんなもんよ、最初は。だからすぐ死ぬから気を付けてねって言ったでしょ。

 ヤマダ君は『スキル』取得してステータスの底上げしなかったからね。』


う、そうだよなぁ。全く『スキル』にポイントを割り振らなかったからなぁ……


『ま、貴族の家の子になったんだから、しばらく平気じゃない?』


うーん……貴族特典とかないのかなぁ。……あれ?


「神様、この、ポイントが増えてるのは?」


転生直前28Pだったのが、220Pになってる。


『うん?ああ、それはヤマダ君が転生後に稼いだポイントじゃない?』


「え?俺何もしてないです。」


『なんかやったのよ。

ポイントは『善行』に対応するって言ったでしょ。

例えば・・”落とし物を拾った””お手伝いをした””お礼をした””挨拶した”とか

まあ、ポイント的には0.1ポイント〜1ポイント位だけど。

塵も積もればってやつよね。

ヤマダ君の場合、『スキル』でポイント10倍になるしね。』


「そうか。そんな事で。」


すごい。これならすぐにポイントを溜めてステータスの底上げが出来るかもしれないな。


『ま、まだ弱いんだから出来る事からやってポイントを溜める様にね。

 じゃ、あたしはちょっと行くから。またね!』


「え?ずっと一緒にいるんじゃ・・?」


『ないない。あたしも忙しいの、

 世界ここを壊そうとしている奴を探さないといけないんだから

 ま、1週間か1か月か1年後にはまた来るわ。

 それまで頑張って成長なさい!』


黒猫の姿をした神様は、そう言うとしなやかな体を伸ばしてジャンプし、屋敷の外へ消えていった。

地味にステータスを直しました。(´・ω・`)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ