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26.両親

メアリに連れられて俺が両親の待つ、これまた贅の限りを尽くした様な豪華な居間に入ると、

両親とロイ爺がいた。

親しそうに話をしてたみたいだけど、仲良いのかな。


父上は屋敷の人払いをしてメアリとロイ爺以外の使用人を部屋から追い出した。


父上は、俺の領地での生活ぶりを聞きたがった。


俺は、話してやったさ。


剣の稽古、魔法の練習、アイリーンの話なんかをさ。


ロイ爺との秘密の特訓はもちろん内緒だ。

ちなみに隠しようがない裏庭の俺用のSASUKEはメアリ達は俺の為の遊び場だと思っている。

だけど一応、両親には裏庭の話もしなかった。

庭を勝手に改造しまくってるなんて知れたらまずいもんな。


父上はとても聞き上手で、合間合間に


「ほう!」「そりゃ凄い!」「大したもんだ!」


と合いの手を入れてくるもんだから、

すっかり調子に乗って軽い素振りから最近ディアーナに教えて貰ったばかりの新しい型まで披露した。

魔法も披露したかったが、「今度、領地で。」とやんわりと断られた。


母上は、俺にベッタリだ。

俺に寄り添って、俺の髪を優しく撫でながら俺の話を聞いている。


剣や魔法については心配していたけど、その度に父上が、


「なーに!私だってレオン位の歳の頃は同じだったさ!」


とフォローしてくれた。


ずっと会っていなかったのに、なぜだかとても居心地が良かった。


脳筋になってないか心配されても嫌なので、勉強の話もした。

ミラ先生のお陰で、2か国をマスターした事。

算術の勉強も頑張っている事。

魔法史はとっくに終わって、たまに国の歴史も学んでいる事。

ポイントは、『ミラ先生のお陰』だというところだ。


この話は母上も「凄いわ賢いのねレオン」と喜んでいた。


父上も母上も優しく微笑んでずっと俺の話を聞いてくれた。


「それで、・・・今日僕は初めて王都に来たのですが、

 手紙にあったパーティーは2日後ですよね。

 僕は、明日城下町に遊びに行っても良いですか?」


だいぶ空気が和んできたところで、俺は本題を思い切って切り出した。


しかし、途端に両親は申し訳なさそうな顔になってしまった。


「すまない、レオン。

 遊びに行きたい気持ちは分かるのだが、明日はお前の準備で大忙しだ。」


「そうなのですか。残念です。

 でも、もし準備が早く終わったら少しくらい時間が取れるのではないでしょうか」


「レオン、、ごめんなさいね。

 パーティーが終わったら少しは出かけられると思うわ。」


パーティーが終わったらか。


それなら我慢するか。


「そうだ。明後日はパーティーの前にお前の兄と妹が帰ってくる予定なんだ。

 2人もパーティーに出席すると聞いているから、家族全員で行こう。」


げ、まじかよ。


「兄上と妹が、、。僕はまだ会った事がないのですが、大丈夫かな。

 緊張します。」


「おお!すまないレオン!お前に兄妹の話をしていなかった。

 ・・・少し難しい話になるが、聞いてくれるかね。」


父上はそういうと、メアリとロイも外に出し、広い部屋に3人だけになった。



父上の話はこうだった。



以前、太陽の神よりもたらされたと言われるほどの力を持った美しい子供が生まれた。


その子供は少し複雑な出生だったらしく、国の命で当時まだ子供のいなかった俺の両親のもとに引き取られる事になった。


それが、兄、アンドレである。


うちの両親に引き取られたとはいっても、生まれつきの力『光の加護』を受けている兄は王国直轄の大神殿なる場所で教育を受ける必要があったらしい。


大神殿ってのは、このナリューシュ国の信仰している光の神、テレーズ神を奉っている所だ。

テレーズ教は国教だから、各街にも教会があって、王都の大神殿はいわば総本山だ。


アンドレは3歳くらいの時には完全に大神殿に引き取られ、滅多にこの屋敷に帰ってくる事はなくなったそうだ。

しかも大神殿は、その内情について情報が漏れない様に徹底した秘密主義を貫いており、

アンドレが屋敷に帰って来ても、神殿の付き人が周りにいて詳しい話も聞けないでいるらしい。


そして、しばらくして双子の俺と妹のアイリスが産まれた。


まだ俺達2人が赤ん坊だった時に、アイリスにも光の加護の兆候があると神殿に認められ、現在はアンドレと同じく神殿のとらわれ人となっているらしい。


両親がなかなか王都を離れられないのは、この2人の事情によるものだった。


メアリからもさっき聞いたが、俺にも何かしらの力があるかもしれないと考えた両親が心配して領地に匿っていたという事だ。


今回のパーティーの出席についても、王都でも数少ないレオンの存在を知る国王直々の命だそうで断れなかったことなんだと。


両親の心配する神殿云々という理由からのものではなく

単純に、『そろそろお前の息子みせろや』という興味の方が大きいらしい。


直接、レオンに挨拶をさせるような超目立つ行為はさせないから

その代わりちょっと近くで見せてくれという、国王様にしてはささやかなお願いだったので、父上もこの話を飲んで俺を領地から呼び出したんだと。





ほーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。





・・・・なんだよ、『光の加護』って。


・・・・なんだよ、『光の加護』って。


・・・・なんだよ、『光の加護』って。





俺も、、俺だって、

『言語能力(自国語)』と『ポイント倍増(10)』持ってるぜ?


2つもだ。

2つとも神様しょうじょから直接貰ったんだぜ?



あ・・・・れ・・・・?


神様・・・もしかして、アンドレアイリスにもっといい加護あげちゃってた?


違うよな?奴らは自分でポイントを『光』とやらに全振りしただけだよな?



・・・・・



『光の加護』なんてスキルあったっけ?




後でカタログ調べなきゃ。

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