0.プロローグ
王道の異世界ものが書きたくなったんです(´・ω・`)
そして書いてみました。
読んでみてくれると嬉しいな。
よろしくおねがいいたします。
その日、ある晴れた午後に、空が突然まばゆい光で覆われた。
世界中の誰もが驚き、そして眩しさに目を覆った。
何人かの人は、その光かがやく空の中に白い玉の様なものを見た。
その白い玉は、ふわり ふわり と ゆっくり、だが着実にあるみすぼらしい家の中に向かっていった。
その日、その時間、その家では一人の赤ん坊が産声を上げた。
王国史に残る『奇跡の朝』と呼ばれる出来事は、その日生まれた赤ん坊の人生を大きく変える事となった。
王勅命で動いた兵士たちにより、赤ん坊はすぐに王宮へ召されることとなったのだ。
生まれたばかりの赤ん坊の髪も肌も光を伴っておりキラキラと輝いていた。
文字通り輝く金の髪、美しいシルクの様な白い肌、暖かい太陽の光の様な金の瞳。
まるで、神話に出てくる天使の様な美しさは、
その身に纏う光のオーラも相まって、まさに誰もがひれ伏してしまうほどの神々しさだった。
両親はただの農家の夫婦だった。
この両親もこの赤ん坊の出生を調査する為、また国の温情もあり王宮で下働きを認められた。
古ぼけた農家は、これも調査のため、王直轄の管理地となった。
赤ん坊は男児で、身元を確かにするために子供のいない貴族夫婦の養子となった。
名は、王国直轄の神殿より授けられた。
アンドレ・テルジア
アンドレは、王国貴族の中でも有力貴族である、テルジア公爵の家に迎えられたのだ。
〜〜〜数年後〜〜〜
アンドレは”光の聖霊の写し子”として、多くの賞賛を浴び、光を纏ったかのような美しさは多くの貴族を虜にしていた。
テルジア公爵夫妻には、その後、女児、そして男児が誕生していた。
双子だった。
二人ともとても愛らしい子だった。
女児の名は、母親であるリリア・テルジア公爵夫人より、
夫人の好きだった花の名を取りアイリスと名付けられた。
男児の名は、父親であるガルム・テルジア公爵により、
強くて元気な男の子に育つよう願いを込めて、レオンと名付けられた。
アイリスとレオンは双子だがその顔立ちはそっくりなものの、不思議な事に髪色などは異なっていた。
アイリスは、母の銀髪を受け継ぎ、透き通る様に白い肌、
アメジストのような紫色の瞳は、後に『夜の月の様に美しい』と評判になった。
アンドレとは血が繋がっていないにも関わらず、アンドレとアイリスの方が本物の兄妹と見間違われるほどだった。
2人ともそろって、”太陽と月の神がもたらした光の精霊の写し子”とも謂われるようになった。
レオンは、父の茶金髪を受け継ぎ、健康そうな肌色、緑色の瞳は元気な男の子という印象はあるものの、兄のアンドレや双子の妹、アイリスの輝く様な美しさという点では特に目立つ部分もなかったため、彼の存在はあまり目だった評判もなく2人の兄妹の影にひそんで育つ事となる。
また、レオンは彼自らもアンドレやアイリスの光の陰で目立たない様に過ごす事を好んでいたため、社交界でもテルジア公爵家には2人の神子がいるという評判のみで、レオンの存在はともすれば忘れられがちだった。
そのため、レオンの存在を知っているテルジア公爵と近しい貴族たちも、テルジア家の弟君と呼ばれるにとどまっていた。
レオンの住む屋敷の使用人達の間ですらも、ともすればレオンの存在は忘れられがちたった。
幸いだったのは、テルジア夫妻が3人を分け隔てなく愛していた事だった。