球子さん ~ 不幸のDVD
パチンコで1万5千円勝ちました。その記念に書きました。でも、某小説、某映像作品は一切関係ありません。
多分くる。
球子さんは、多分くる。
若い男性教員の回りに、
心配げな女生徒達が群がっている。
「成る程、このDVDを他の人に見せないと、
キミは死んでしまうという訳なんだね」
教員は、そのDVDを手に取り、請け負った。
「よし、今から先生がコレを見てみよう」
えーっと響めく女生徒達を尻目に、
教員はノートパソコンを開き、
閲覧開始。
……ギギギギギ、ガガガガガ……
「ほうほう、この人が球子さんか。
怖いけど、スタイルいいなぁ」
「せ、先生……」
女生徒達は青ざめているが、
教員は至って脳天気。
……ギギギギギ、ガガガガガ……
閲覧終了。
「もう大丈夫!
これでキミは死んだりしないよ」
「先生! 早く他の人に見せて下さい!」
「私が! 私ならまだ見てないから!」
しかし、教員はキッパリ。
「駄目だ。もう不幸の連鎖は終わりだ。
このDVDは没収するからね」
「そんな……先生……」
その後。
一週間後に教員は死亡。
女生徒は、呪われずに生き残る。
無論、女生徒達の心は沈んだままだ。
犠牲者を出してしまっては、
何の意味も無いでは無いか。
――と、そんな時。
女生徒達に新たな風が吹く。
「ねぇねぇ、このDVD見てみてよ」
無論、非難轟々。
「ちょっと! もう勘弁してよ!」
「亡くなった先生に叱られるわ!」
だが、
その女生徒は得意満面。
「だぁいじょうぶ。これはね?
見れば幸せになれるDVDだから」
「……ええ?」
その言葉に、恐る恐る応じる一同、
果たして何が映っているのか。
――と、
たちまち彼女達は笑顔になった。
「先生!」
「先生、なんでそんなところに!」
その影像とは、
球子さんと男性教員の、
幸せそうなハネムーン姿であった。
「あ、アロハシャツって」
「あっちにもハワイがあるんだ」
「いいなぁ、これなら死んでも大丈夫だね」
そう云いながら、
笑い崩れる彼女達。
だが、教員のものだろう、
返す言葉のメッセージが浮かび上がる。
――だからといって、
死んだ方が楽だなんて思っちゃいけない。
しっかり生きて、いろんな体験をして、
どんな不幸も受け入れる覚悟があってこそ、
本当の幸せが何か判るのだから――。
「プッ! アロハ着て何いってんだか」
「アハハハ……」
笑い崩れ、再び涙する女生徒達。
そんな彼女達の前で恥ずかしいのだろう。
教員にひっそりと寄り添い、
はにかんだ笑顔を浮かべる球子であった。
(終わり)
元ネタがあるとすれば「不幸の手紙」でしょうか。某小説、某映像作品も同じでしょう。吸血鬼はどれだけ使い回されていることか。吸血鬼と聞いただけで、キャラ設定は大抵みんな知ってるから、そりゃあ楽なもんです。




