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球子さん ~ 不幸のDVD

掲載日:2015/12/03

パチンコで1万5千円勝ちました。その記念に書きました。でも、某小説、某映像作品は一切関係ありません。

 多分くる。

 球子さんは、多分くる。


 若い男性教員の回りに、

 心配げな女生徒達が群がっている。


「成る程、このDVDを他の人に見せないと、

 キミは死んでしまうという訳なんだね」


 教員は、そのDVDを手に取り、請け負った。


「よし、今から先生がコレを見てみよう」


 えーっと響めく女生徒達を尻目に、

 教員はノートパソコンを開き、

 閲覧開始。


 ……ギギギギギ、ガガガガガ……


「ほうほう、この人が球子さんか。

 怖いけど、スタイルいいなぁ」

「せ、先生……」


 女生徒達は青ざめているが、

 教員は至って脳天気。


 ……ギギギギギ、ガガガガガ……


 閲覧終了。


「もう大丈夫!

 これでキミは死んだりしないよ」

「先生! 早く他の人に見せて下さい!」

「私が! 私ならまだ見てないから!」


 しかし、教員はキッパリ。


「駄目だ。もう不幸の連鎖は終わりだ。

 このDVDは没収するからね」

「そんな……先生……」


 その後。


 一週間後に教員は死亡。

 女生徒は、呪われずに生き残る。


 無論、女生徒達の心は沈んだままだ。

 犠牲者を出してしまっては、

 何の意味も無いでは無いか。


 ――と、そんな時。 

 女生徒達に新たな風が吹く。


「ねぇねぇ、このDVD見てみてよ」


 無論、非難轟々。


「ちょっと! もう勘弁してよ!」

「亡くなった先生に叱られるわ!」


 だが、

 その女生徒は得意満面。


「だぁいじょうぶ。これはね?

 見れば幸せになれるDVDだから」

「……ええ?」


 その言葉に、恐る恐る応じる一同、

 果たして何が映っているのか。


 ――と、

 たちまち彼女達は笑顔になった。


「先生!」

「先生、なんでそんなところに!」


 その影像とは、

 球子さんと男性教員の、

 幸せそうなハネムーン姿であった。


「あ、アロハシャツって」

「あっちにもハワイがあるんだ」

「いいなぁ、これなら死んでも大丈夫だね」


 そう云いながら、

 笑い崩れる彼女達。


 だが、教員のものだろう、

 返す言葉のメッセージが浮かび上がる。


 ――だからといって、

 死んだ方が楽だなんて思っちゃいけない。

 しっかり生きて、いろんな体験をして、

 どんな不幸も受け入れる覚悟があってこそ、

 本当の幸せが何か判るのだから――。


「プッ! アロハ着て何いってんだか」

「アハハハ……」


 笑い崩れ、再び涙する女生徒達。

 そんな彼女達の前で恥ずかしいのだろう。


 教員にひっそりと寄り添い、

 はにかんだ笑顔を浮かべる球子であった。


(終わり)

元ネタがあるとすれば「不幸の手紙」でしょうか。某小説、某映像作品も同じでしょう。吸血鬼はどれだけ使い回されていることか。吸血鬼と聞いただけで、キャラ設定は大抵みんな知ってるから、そりゃあ楽なもんです。

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