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死んだら神になりました。  作者: イントレット
第1章 神ライフ始動します
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5話 神界にて。

この小説では文章の表現方法が度々変化する場合があります。

 神界。

 それは神々のみが存在することを許された世界の外側の領域。

 世界は神界のなかで気泡のように浮かびながら存在している。


 気泡の数は膨大で、つまりは世界は無数に神界に存在している。

 どれほどに世界が増えようと神界が狭くなることなどあり得ない。

 神界もまた無限にあるのだから。


 しかし、神界に存在する神であれば神界のあらゆる場所からあらゆる場所へと移動するのは一瞬で行くこともできれば途中をゆっくりと進みながら行くこともできる。

 全ては神の意識次第。すぐにいきたいと思えば一瞬で。

 途中にいろいろ見ながら行きたいと思えばゆっくりと。

 故に神界は神にとって広すぎるということも無ければ狭すぎるということも無い。

 いつでも神にとって快適な領域なのである。


 そんな通常の者には足を踏み入れることもできない、神にならなければその領域の存在すら感じ取れない場所で、一つの男の存在が一つの女の存在に乗っかって様々な気泡を覗きながらぶらついている。

 男が女に跨って世界を覗き見るとは何たる不埒なことだろう。

 神界という領域でこの二人は一体何をやっているのだろうか。

 全く嘆かわしいことである。神のレベルも落ちるとこまで落ちたものだ。


「おい」


「それでも彼らは相も変わらず女に男が跨がりながらもこの神界を進んでいく。神界に存在するその二つの存在は神であり、例えそのような蛮行を行おうとも、それも許されるが神というものなのだ。自由であればこそ神。彼らもまた正しく神という存在なのだ」


「おい、いい加減やめろよそれ!!」


「やあ、レイ。何か用かい?」


 先程から訳のわからぬ語りをしていたこいつは他者の行動を語るのが趣味な神、ヒエダノーレである。

 なんでも準日本産の神とかなんとかで学問の神だとか物語の神だとかで祀られてるらしい。

 こいつに直に聞いてみたところ「古事記を編纂したのは私だ」とかなんとか言ってたが興味なかったので特に気にしてない。

 なので俺の中でこいつは語るのが趣味な神ということになっている。


「人がせっかく神界でデートしてるってのになんなの、お前。自分がモテないからって僻むなよ」


「人じゃなくて神だよね。あと別に僻んでないです」


「元人間だから心だけでも人でありたい。いいじゃないそんな神様がいたって」


「君結構人間相手に酷いことしてきたよね。普通の人間はあんなに喜んで人間を魔法による大火力で殲滅したりしないよ。もっとこう人を殺すことへの覚悟とか罪悪感とかで苦しんだりするものだと思うよ」


「俺普通の人間じゃないから。というか神様だからな。そういうのと比較されても困る」


「人の心どこに行ったんですか。まあ、いいです。あと、本当に僻んでないのでその辺お願いします」


「分かった分かった。そういうことにしておく」


「本当に違うので。 あ、ちょっと本当に違うんですからね――……」


 ごちゃごちゃとノーレがなんか言ってたが気にすること無く俺達はその場から去っていった。

 あいつはちょくちょく勝手に語るからな。

 あいつ個人でそうやって楽しむのはいいがあいつの語りがこっちに聞こえてくるんだよな。

 鬱陶しい。


 まあ、弄りやすい(ヤツ)なのでこれからも仲良くしていきたい。


 それはさておき俺はデート中だ。

 ノーレが言うとおり確かに俺はこいつの上に跨っているが決して変なことをしているわけではない。

 俺と一緒にいるのは何を隠そうサクラなのである。




 なんと神狼ライフを終えると隣にサクラが居たのだ。

 つまりサクラは狼から神狼に、そこからさらに神へと昇格である。


 俺としても結構長い時(千年間)を夫婦として過ごしてきたのでそれがかなり嬉しかったりする。

 ただ、俺は元人間の神だから神界では基本人の姿。

 サクラは元狼の神になったので神狼そのままの姿だ。


 まあ、だからといって愛しいという想いはまったく変わらなかったから深くは気にしないことにしてせっかくだからサクラと神界デートすることにした。

 で、その時に何を考えたのかサクラが、


「レイって元は人だったんだねー。じゃあ私の上に乗りなよ。そうすればお互いの存在を感じあえると思うし」


 と、提案してきたのである。

 そんなわけで俺はサクラの上に乗っかって神界をぶらぶらとしているのだ。


 あ、そうだ。

 一つだけハッキリさせておこう。

 一旦サクラから降りて目の前に立つ。


「なあ、サクラ。俺の話を聞いて欲しいんだが」


「ん、なに?」


「お前と夫婦だったのは俺が神狼だった時だよな」


「そうだね」


「つまりだ。あの時はお互い神狼同士だったわけだよ」


「……うん」


「それが今の姿だと人と狼なわけだ」


「……そう、だね」


 少しサクラの声が不安を帯びはじめた。


「でもさ、それ以前に神と神なわけだよ」


「え、う、うん」


「だからさ、サクラ」


 少し緊張してきたので一旦深呼吸する。

 そして、意を決して、


「これからは神として今後も永遠に俺と一緒にいてくれないか?」


 そう、告白した。








「……うん!もちろんだよ!むしろ何があっても離れない……!」


 そう言ってサクラはこちらに顔を軽く押し付けてきたので俺もギュッと返してやる。

 その瞬間、サクラの身体が光輝いたかと思えばそのシルエットは小さくなっていき……







 獣耳で巫女服を来た人の姿をした美少女が現れた。


「は?」


「……へ?」


 俺も彼女もポカーンとしている。


「サクラ……なんだよな?」


「う、うん……」


「「……」」


 どういうこっちゃ?

 サクラが神狼から獣耳美少女に……あれ、問題ないんじゃないか?

 うん。問題ないな。


「まあ、あれだ。これからもよろしく!」


「こ、こちらこそ!」


 サクラは神成り立てだからか若干戸惑ってるっぽいがすぐに慣れる。

 神っていい加減な存在なのよね。

 神狼なサクラもかわいかったが人の姿のサクラも超絶可愛い。

 なにか知らんが多分神様のだれかの仕業だろう。グッジョブ!






 やはりケモナーか。


 どこぞの語るのが趣味な神の声が聞こえた気がした。










 サクラが人の姿になってから抱きしめ合ったり口づけを交わしたり、その他ほにゃららなんたらで互いに愛を確かめ合ってから俺たちはタロウとハナコの所に来ていた。


「おっす。俺、人時代結婚できなかったけど、神になってついに結婚した」


「よう、レイ。おめっとさん」


「おめでとう、レイくん」


「あんまり驚かないんだな」


「意外と神同士の結婚ってよくあることだよ」


「私とタロウもそうだしねえ」


 神同士で結婚ってのも普通なことなのか。



 あれ?




「お前ら夫婦だったのか!?」


「そうだ」


「そうだよー」


 驚いた。

 神になって一番驚いたかもしれない。


「まあでもあれか。名前が名前だもんな」


「ハハ、あながち否定できないのが辛いね」


 苦笑しながらタロウがそう言った。

 ハナコの方も同じく苦笑を浮かべている。




「で、サクラ、こいつらが俺を神にしたっていう神様」


「この度レイの妻となりました。サクラです。よろしく」


「「こちらこそ、よろしくね(な)」」


「そんでお前さん方、ただ報告に来たってことじゃないんだよな?」


「ああ、俺が一緒にいようって告白してからサクラが急に神狼から人型になったんだがどういうことかってな」


 そう、俺達がタロウ達のところに来たのはそれを聞くためである。

 なんだかんだで俺が初めて出会った神様であるのでこういう時は頼りにしているのだ。


「ああ、それねえ。まず、依頼先の世界で夫婦になるとそのまま神になって神界まで来るってのは結構ある。その場合大抵は神としても一緒になるんだが依頼って場合によっては種族が変化するわけだ。だから互いの差異を気にしなくていいようにっていう創造神様がその辺のシステムを構築したのさ。そんなわけだから神となってお互いの姿形が変わっても変わらぬ愛を持ち続けているならどちらか一方の姿形が変化するわけだ」


「なるほど。それって俺が神狼になって調整されるなんて場合もあったのか?」


「いや、神になった順番でだな。サクラはお前に引っ張られて神になったって感じだからサクラのほうがお前に合わせる形になったというわけだ」


「へえ。引っ張られて、か」


 つまり偶然サクラが神化したのではなく俺と夫婦になっていたから神になったわけか。


「なんていうか、合わせてくれてありがとうな。サクラ」


「それは創造神様のシステムによるものだけど、どういたしまして! 私もレイと近くなれるから嬉しいよ」


 なんて愛らしいことを言ってくれるのか。

 思わず抱きしめてしまったではないか。



「あ、そういえばサクラの<神器>とかってどうなるんだ?」


「それは君から渡すんだよ」


「えっ俺が神になった時と同じように世界管理とか任されてる神から貰えるんじゃないのか?」


「夫婦になって神になったものは色々勝手が違ってね。パートナーの<神器>等を分けてもらうんだ。やり方は簡単、レイが持ってる<神器>等を彼女に触れさせればいい」


 なるほど、簡単だ。

 早速サクラに俺の<神器>を握らせてみた。

 なんか、こう表現するといかがわしいな。


 サクラが左手で握ると右の掌が光ったかと思えば右手に新たな<神器>が現れていた。

 こういう感じで分けるのか。

 分けるといっても半分に割ったりするわけでも機能が半分になるってこともなく新品そのままの<神器>だった。

 俺の<神器>も変化していない。


 それから<神証>と<端末>も触れさせ同じように分けた。

 ちなみに俺の<端末>はノートパソコンからチップ状で左手の甲に埋め込まれる形に変えてある。

 必要な時はよくあるSF作品のように空中にディスプレイが浮かび上がる仕様だ。


 サクラの<端末>も俺と同じタイプのまま現れたようだ。


 俺はサクラに<神器>などの使い方を教えていった。



「チェンジ:短剣、ダブル」


 そうサクラが言って<神器>を短剣へと変化させた。

 サクラは<神器>の初期記憶2枠を2本の短剣に変化させたようだ。

 そうしてからチェンジ:◯◯の後にダブルなどつければ二刀流ができるようになるとタロウは言っていた。


 俺の時にもそれを説明しとけよとも思ったが寛大な俺は顔面に棘玉を放ってやることで許してやった。

 一応俺でもチェンジ:刀&棘玉っていえば二つの武器が出てくるが棘玉は持てないので意味が無い。

 アレは投げてから変化させる武器なのだ。 


「サクラーそれ逆手持ちしてみて」


「こう?」


 サクラに持ち方を変えさせてみれば、なるほどカッコイイ。

 やはり短剣は逆手二刀流に限る。


「おーカッコイイカッコイイ」


 ついでに口にも出してみればサクラも嬉しそうだった。


「それもうちょっと良く見せてくれないか?」


「いいよ」


 そういって俺に短剣を差し出してきた。

 側面に装飾があってそれぞれ違う装飾になってるようで、片方は刀を咥えたフェンリルの姿が、もう片方は額に桜の花びらの模様のあるフェンリルの姿が刻まれていた。


「これって俺たちか?」


「うん。これでいつでも一緒」


 そういってにっこり笑うサクラ。

 かわいすぎて鼻血でそう。


「ノロケは別のとこでやれよ。さっきも抱きしめ合ってたがこちらも見たいもんじゃないからな。他でやれ他で」


「ホントよ。少しは場所を考えなさい」


 そうタロウとハナコが言ってきたが気にせずいちゃついてやった。















 すると、タロウとハナコも同じくいちゃついてるのを見せてきた。

 ああ、確かに他のやつが目の前でイチャイチャしてんのって見たいと思わないなあってのがよーくわかった。

ヒロインの話し方とかどういうのがいいか分からない



「会話」


「会話」

と会話の間に一行空けるか

「会話」

「会話」

と、空けないかどっちがいいのか分からんがとりあえず一行空けて書いていきます

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