起きちゃった。
どーもこんばんわ!どすこいです!今夜は無駄に長いです!すいません!
前回のあらすじ、真っ暗闇の中目覚めた僕は「あ、これ誘拐されたな。」と確信しつつ隣を見ると幼女が寝ていた。
「・・・いや、いやいやいや。無いだろ。」
そう言いながら辺りを見回す、しかし深夜だからなのか、月明かりに当たっている所以外、全く何も見えなかった。
相も変わらず隣では幼女がスヤスヤと気持ち良さそうに寝ている。
薄暗くて良く見えないが恐らくは8~10歳の間だろうか。
「服装はワンピースか?いや、僕と同じワイシャツかもしれん。」
いや、仮にワイシャツだとしたらけしからん。凄いけしからん。
そもそも少女用のワイシャツなんて特注以外には存在しない、という事は最低でも中学生サイズだろう。
小学3年生ぐらいの歳の女の子が中学生用の服を着てみろ。ダルンダルンだぞ。僕よりダルけているぞ。
「・・・というより、何で僕はこの幼女の服の話をしているんだ。」
そうだそうだ、今僕がすべきなのは、ここがどこかという事だけだ。
しかし、この状況はまずい、僕が性犯罪者に見られるかもしれない可能性が出て来たぞ。
「今の年齢で性犯罪者とか洒落になんないからなぁ。」
最近は中高生から性犯罪者が多発していると良く聞く。
確かに中学生から性に関心を持つ事は良い事だ、勉強になる。
しかし手を出すとは何事だ、一体どういう頭の構造をしているんだ。
「・・・まぁ、今は関係ないし、取り合えずここがどこか調べないと。」
そう言いながら立ち上がろうとした瞬間、ジャラリと、金属特有の嫌な音が僕の手首が聞こえた。
「・・・・・。」
立ち上がろうとする体を止め、顔を音の音源となって手首の方に向け、じっと目を凝らす。すると。
「・・・・・・え。」
監禁映画とかで良く見る物騒な手錠が、僕の手首に着けてあった。
しかもご丁寧に、僕の隣でグースカ寝ている幼女の手首と鎖で繋いであった。ガッチリと。
「えあああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
叫ばずにはいられなかった、え、これ傍から見れば僕完璧に犯罪者じゃん。
「・・・えっ、まじで?嘘だろ?いや、え?」
混乱しながらも必死にガチャガチャと手錠を離そうとするがまるで外れない、接着剤か何かを着けてる様な感触だ。
これはまずい。非常にまずい、手錠が付いてあるだけならまだ良い方だ、何で繋いであるんだよ、どういう意図を含んでんだよ。
「くそっ!この子が起きる前に何とかしないと・・・・!」
(・・・っていうより、そもそもこの子と僕に何の繋がりがあるんだ?)
もし誘拐されたのだとしたら、この子と僕には何かしらの関係がある筈だろう。
何の関係性も無い二人を誘拐するといった事件も凄い珍しいという訳では無いが、基本的には弟と兄、妹と姉、親子揃って、家族揃ってなどと親族に固定されている、筈だ。
ちなみに僕はそこまで事件やらに詳しくない。この推論も全て謙虚な妄想だと思ってくれて構わない。
(・・・でも、僕はこんな幼女は一切知らない、生まれてこのかた、出会った事すらない。)
そう、この幼女と僕は一切の関係が無いのだ、顔も体も声も、感じた事が無い。
「・・・・・・一体、何なんだよこれ。」
しかしここで逡巡しても何も状況は変わらない、むしろ悪化するばかりだ。
というよりここで誘拐犯が現れて「お前達目が覚めたのか!ちょうどいい!暇潰しに嬲ってやるぜ(性的)げっへっへ。」とか言われたらそれこそマジでアウトだ。精神的に。
「・・・そうなる前にこの子を連れて逃げ出さないと。」
この子とは何も関係が無い、つまりここに置いておいても問題は無いのだが。
「・・・・なんか、そういう気にはなれないんだよなぁ。」
言っておくが僕はロリコンではない、地味で普通で平凡な高校生だ。
決してロリコンではない。そう、ロリコンでは、ない、筈。
まるで自分に言い聞かせる様に繰り返しつつ、僕は幼女の体を持ち上げた。
月明かりに照らされて気付いたが、この子。相当に可愛い。
ロリコンとかそういうのを抜きにして、真面目に可愛い。
まず目を引くのはその髪の毛だろう。
まるで琥珀が輝いているかの様な色が月明かりに照らされて更に目立っている。
それに髪の毛の質感もこの世の物とは思えないほど柔らかかった。凄く気持ち良い。
睫毛も長く、目を瞑って寝ている姿は、まるで童話のお姫様みたいだ。
「綺麗だなー・・・・。こんなに綺麗な幼女が成長したら、今よりどれぐらい綺麗になるんだろうなぁ。」
称えるのが当たり前、崇めるのが当たり前、そんな感じの空気だった。
その時、僕は突っ立ってずにすぐに外に出るべきだったのかもしれない。
その時、僕が抱っこしている幼女の髪の毛やら睫毛やらを褒めている場合ではなかったのかもしれない。
しかしもうそれは過ぎた出来事だ、それによって僕がどんな出来事に遭遇しようが、それは自業自得というものだ。
まぁ、そんな事はさておき、僕の身に起きた事は。
「うみゅ・・・、中々、嬉しい事を言ってくれるのう従僕、儂は幸せ者じゃなあ。」
と頬を赤らめながら幼女が僕に抱っこされていた状態で喋っていた。
それが何を意味するかというと、つまり。
起きちゃった。




