06
「それじゃあ任せたよ。詳しい作戦は追って連絡するからね。勝手な行動はしないように。」
そう言うと電話は切れ、輝血と懍は目を合わす。
「俺の楽しみ少ないんだってー。捕まえるまでは楽しくてもその後はマジで勘弁。あんなうるさくて臭いの耐えられないよ。」
「懍は女のあの顔にしか興味無いからな。でも多少は手伝ってよ。」
「多少、ね。かーくんはいいよね。得意分野でさー。龍に拷問の仕方教えてあげたら?」
懍が笑ってそう言うと、輝血は煙草を取り出す。
「教える……ねぇ。教えても死んだら意味無くない?はは、俺は龍相手なら確実に仕留めるからさ、教える意味が無いんだよ。」
煙草を咥え火をつけると白い煙を吐き出す。
「龍か。食屍鬼がもっと頑張って人数減らしてくれていたらなぁ。なんなら俺達で食屍鬼復活とか出来ないのかな?俺達に従う食屍鬼をさ。」
「俺達に従う?アイツらは人間ならなんでも喰うんだろ?」
懍は輝血のポケットから煙草を抜き取り咥える。
輝血は黙って懍が咥える煙草にライターを近付けると煙が立つ。
「かーくん知らない?成功体って言うのがいて、ソイツは知能も高くて攻撃力も高い!それに、そいつらを作った研究者の言う事を聞く所か守ったらしいよ。」
「それどこ情報?ニュースか?」
二人は上を向き煙を吐き出す。
「んーん、この研究者が出した本。食屍鬼の恐ろしさを伝え続ける為に出版したらしくてさー、玩具に飽きてる時に読んだんだよね。確か部屋にまだあるよ。読む?」
「いや、いい。文字を見ていると頭が痛くなる。……言うことを聞き守る……護衛するって事だよな。俺達は金品が奪えればそれでいい。気に障る奴は殺すけど処理が面倒だった。それを餌にしてやればお互いに損が無い。」
輝血は煙草を吸いながら考える。
「なあ、懍。その成功体ってやつと龍はいい戦いをしたのか?」
「俺もパラパラっとしか読んでないから詳しくは覚えていないけど、当時の白龍の隊長が殺られたって書いてた気がするな。後でちゃんと読み直そうか?」
「ああ、頼むよ。……龍の隊員ではなく隊長を、ね。使えるんじゃないか、食屍鬼。」
「かーくん、すごい悪い顔してるよ。俺その顔すっごい好き。ゾクゾクしてきた。」
懍が輝血の腕にしがみつくと、輝血は懍の頭を雑に撫でる。
「なあ、懍。」
「なに?」
懍は輝血の腕から離れジッと顔を見る。
「俺達で龍を終わらせる事が出来るかもしれねぇぞ。」
月明かりに照らされた愉しげな瞳を見た懍は満面の笑みを浮かべた。
「俺とかーくん、それにみんながいればきっと俺たちの世界を作れる。」
「最初のターゲットが決まった。懍、お父さんに言ってみよう。俺達の考えを。」
「うん。きっとお父さんなら許可してくれるよ。楽しみだね、かーくん。」
二人は暗闇の中で笑う。悪魔のような目を輝かせ。




