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13/21

「血が巡った日、原点を思い出した日」秋元夏輝×オリジン

---


メンタルトレーニングを始めてから、

本当に落ち着いた。


イライラする前に、

「課題」として向き合えるようになってきた。


一人目の育児の時、

「育児って楽しい」と思えた。


もう一度、あの感覚を味わえるとは思わなかった。


うまくやれば、

全部、うまくいく。


最近、本気でそう思えている。


残り67日。

人は、どこまで変われるのだろうか。

1/22

メンタルウインターアークも22日目

今日は脚トレーニング、血流促進の日。

始める前は、血流だけでここまで効くとは

想像出来なかった。

本当に、一日中動き回れる活力があふれ出す日だ。


体の中を血が巡っている感覚がはっきり分かる。

頭も体も軽くて、無限に動ける気がする。


承認欲求も、やる気も、全部が底上げされている。

正直、人生で一番テンションが高かったあの日、

「初めてレッドブルウォッカ飲みまくって、

 カラオケでオールした日」

あれを超えている。


アルコールじゃない。

興奮でもない。

ただ、体がちゃんと動いているだけだ。

血流だけだ。


家事もサクサク終わる。そしてその勢いのまま、

10年放置していた食器棚に手を出してみた。 


整理整頓が苦手な俺にとって、

これは「難しい問題に直面」の代表格だ。

どこに何を収納すれば正解なのか、

誰も教えてくれない。


それもそうだ。

たぶん、皆正解なんて分かってない。


まずは俯瞰する為に食器もマヨネーズのストックも

大量の箸も全部床に出してみる。


案の定、全部出した瞬間に思考が止まる。

多すぎる。意味が分からない。

なぜ5人家族用のコップが32個もあるんだ。

なぜ箸が11セット+片方だけの箸が13本もあるんだ。

なぜお椀が3つしか無いんだ。弁当の蓋はどこだ。

このタッパーはどうして蓋が3枚もあるんだ。


一瞬、キレそうになる。

元の場所に戻すか、全部捨てるかの2択くらいしか

思いつかない。でも、そこで止まれた。


大人のメンタルトレーニングをしている今の俺は、

怒る前に、AIに相談する。


AIに最適配置を投げて、

あとは実行するだけ。

子供に要望を聞き、動線を整える。


結果は――完璧。

本当に、完璧だった。


「考える苦しみ」を全部外に出して、

行動だけに集中する。

これが大人の解決力か、と素直に思った。



---


夕食は、実験飯だ。


オムライスのごはんを0.75人前。

サラダは大盛り。

その上に、バターと牛乳をしっかり使った

ふわとろオムレツ。


見た目は1.5人前。

でもカロリーは500kcalくらい。


どか食いなのに、罪悪感がない。

これもまた、設計の勝利だ。


チキンライスをちゃんと作っていれば

完全優勝だったのが悔やまれるが、

それは次回の楽しみに取っておこう。


素晴らしきかな、健康的な生活。



---


ふと、育児のことを考えた。


私には、父親が二人いる。


一人目は、

物心つく頃に離婚でいなくなった実の父親。

名前も顔も覚えていない。

ただ、声の質感だけが、頭の中に残っている。


そういえば声だけで言えば、

今の自分は、彼とかなり似ている気がする。

特に怒った時の声がかなり似ている気がする。

言っている方も言われる方も聞く方も、

凄く不安になるようなあの声だ。


二人目は、再婚した父親。

私を含めた三人の連れ子を、

不器用ながらに育ててくれた。


物を投げられ、殴られ、怒鳴られ、

言葉も生活も精神も何もかも追い詰められた。


今の言葉で言えば、

パワハラもモラハラも二郎系ラーメン顔負けの

マシマシMAX全部盛りだ。


彼の行為を許すつもりは、死ぬまでない。

もちろん、溜飲を下げるために徹底的に

やり返してやりたいと腸が煮えくり返っている。


だが、男としての敬服が、それを圧倒的に上回る。


自分が彼の立場で、

連れ子三人を育てられるかと聞かれたら――

正直、もっと上手くやれる気はする。


でも、

出来るのと、実行するのは、全然違う。


母を好きだから、なんて理由だけで

あれは出来ない。


立派な男だった。

一生、男としては勝てないだろう。


顔も知らない実の父親も、

きっと俺と同じように、不器用な人生を歩んでいる。


互いにコンタクトを取らない限り、

会うこともないだろう。

恨み言を伝える機会も、きっと来ない。


だから、

私に許された唯一の復讐は、これだ。


自分の子供を、立派に育てること。

本人が、自慢できるレベルまで。


しかも、条件付きで。


「楽しく」

「子供を尊重しながら」


――という、めちゃくちゃ難しい縛り付きで。


この条件を達成できた時、

心の中で叫んでやる。


「俺は、あんたらの上位互換だ!!

どうだ、おそれいったか!!」


それが、

辛い幼少期からずっと持ち続けてきた

人生の目標のひとつだった。


今日、ふと思い出した。

そして理解した。


ああ、これが私の育児に対してのオリジンか。


オリジンの意味をようやく理解した。

そして、自分の原点を言語化出来たのは、

これが生まれて初めてだった。



今日の勝ち(俯瞰)


体・食事・思考提醒・原点回帰が一つに噛み合い、「強さ」を暴力ではなく設計で使えた日。

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