日常1
それは都会…だが田舎の都会。
兵庫という同じ市の「神戸」よりも知名度が無い県の、姫路という「姫路城」がメインの知名度がある市にありながら、全く異世界のような田舎に住む姉弟2人が奏でる日常。
姉と弟は大人であるが故に仕事帰りの電車を待っていた。
そして何気ない一言からいつも始まるのだ
「あ〜異常にぱふぱふしてぇ〜むしろぱふぱふさせてくれたら結婚してもええわ…」
弟がいつものように馬鹿な独り言を姉に聞こえるくらいの声でつぶやく。
「逮捕案件やったら通報すっけど良い?」
姉はいつもの日常かのような淡々とした返答する。
そして弟は姉の断崖絶壁を向き失笑する。
「いや姉ぇ〜ちゃんのじゃそんな気ぃも起きねぇからw」
「母ぁちゃんは巨乳なのに婆ぁちゃんの方が遺伝したのウケるわw」
と言う刹那に姉は弟の股間をガシっと掴み、
「粋がってんじゃねぇぞ。短小包茎早漏三冠王のポーク◯ッツの童貞風情が。電子レンジにツッコんでそのポーク◯ッツ破裂させてもえぇんやぞ。ゴラぁ。」
他の人には聞こえないようにドスの効いた小声で脅す。
その時弟は咄嗟に笑いながら大きな声で叫ぶ
「あー!僕ちん痴漢にあってますぅ〜!痴漢に股間握られて襲われてますぅ〜!」
姉は真っ赤になりながら股間から手を離し
「ちっ!ちゃいます!ちゃいますから!弟です!コイツ弟ですから!」
誰も慌てたりする様子も無く、通報などする人などおらず、周りからクスクスと笑い声が聞こえる。
誰も警察を呼ぼうとする人などいないというのは不思議に思われるかもしれないが、田舎ならではの「平日の同じ時間の同じ電車に乗る決まった人達」といういつものメンバーがほとんどなのだ。
そう、その電車は2〜3両編成の1時間に1〜2本あるか無いかのローカル線。
なので名前も知らない顔見知りの人達という感じだ。
そうこうしている内に電車が到着する。
別に慌てるような混雑など無く、ゆっくり座れる感じで座席を並んで座る2人。
そしてまた弟が会話の話題を振るのだった。
「なぁ姉ぇーちゃん。どうやったら俺が異世界ハーレム出来ると思う?」
ここで気付かれた方もいるかもしれないが弟はアホなのだ。
「そうだな。まず自分のパンツ頭から被って「ぶりゅっぶりゅっぶりゅぶりゅぶりゅりゅりゅ」って言いながら、外を走り回ってマッハ超えて次元の狭間を超える所からだな。」
という姉は真面目に答えるのが愚かなのを知ってるので、適当に無茶苦茶な事を言いまくって諦めさせようとはするくらいのまだ良識人なのだろう。(たぶん)
「マジかよ…。面倒臭ぇなぁ…。じゃぁハーレムだけで良いや。」
弟は真面目な顔で諦めたが「ハーレム」は簡単に出来ると思っているようだ。
ここで気になるのが弟の容姿だろう。
イケメンなら馬鹿だろうが彼女は出来ると思われるが、残念ながらブの者である。
じゃぁ姉もブの者と思いのあなた!
これまた残念。美人の部類に入るのが姉である。
多分ではあるが、弟は母方似、姉は父方似なのだろう。
しかし、服のセンスが無い。化粧もほんの少ししているくらいで、リュックも安物だろう知らないメーカー。
それでも美人と思えるくらいの容姿だから、言い寄ってくる男性もいるだろうが、なんだかそういう恋愛には興味が無さそうな感じだ。(多分弟を見てるとそうなってもおかしくはなさそうではある。)
「まぁしゃーねぇから同級生のみっちゃんとさっちゃんはハーレムに入れてやっかな。」
と弟は話を続けるが
「まだ話広げるんかよ…。てか、みっちゃんとさっちゃんってこの前男連れて腕組んでる所職場のコンビニで見かけたんやけど。」
と姉が弟に幻◯殺し(イマジ◯ブレイカー)を発動させた。
「はぁ?マジかよ!おいおい、いきなり不倫とかヤバすぎんやろ…N◯Rとか勘弁してくれよ…。あのジャンル無理なんやって…」
そう言いながら弟は激しく動揺しているが、
「おめぇの方が100億倍ヤベぇ事に気付こうな。そんでまず、2人から「も」嫌われとるって言ったよな。馬鹿みてぇに小学生の頃女子全員に「カンチョー」しまくってたとか鬼◯辻◯惨でもしねぇよ。」
姉はツッコミの手を弱める事は無かった。
「あ〜思い出したわ。いやぁあの時姉ぇちゃんごめんなぁ。風呂上がりの姉ちゃんにカンチョーしたらなんかアソコの膜貫通して出血させてもうてぇ。」
弟はさっきまで凹んでいたのがウソのように、爽やかな笑顔で姉に謝罪をした。
すかさず姉は弟の頭を強く掴むアイアンクローの状態になり、
「おい!テメェにはデリカシーとかプライバシーとかテレパシーとかねぇのかぁ!?」
最後のは意味不明だが、車両内のほとんどの人に姉の「処女喪失」の瞬間が盛大に暴露された。
そして数分後ようやく落ち着く2人。
駅はいくつか過ぎたくらいか。
「はぁなんか腹減ってきたわ…。帰りになんか食って帰っか?姉ぇちゃん。」
まぁ時間的にお腹は空く時間だ。
「家まで待ちなさいよ。スーパー寄ってからなんか作っから。婆ぁちゃんの介護で母ぁちゃんも大変なのわかってんでしょーが。」
姉は家庭的で家事全般は優秀らしい。
所々出る話題から家庭内の状態が見えている。
「姉ちゃんの飯はうめぇんだけど、時間かかっからなぁ…。」
と愚痴を言う弟に、
「はいはい。ごめんなさいね。」
と反論するのが馬鹿らしくなったのか素直に折れる姉。
そして駅に到着して
「さぁ着いたわよ。忘れ物すんなよ。」
と弟と一緒に電車から降りていく。
喧嘩するほど仲が良いのか悪いのか定かでは無いが、姉と弟は改札口を出ていく光景。
はて?このナレーションのようなのは誰だって?
私は同じ電車に乗る、この2人の会話を楽しみに仕事を頑張っているしがないサラリーマンなのだ。
最初は姉が美人で一目惚れだった…が弟を彼氏だと思い傷心するが、電車内の会話が面白くて傷心してた事すら忘れて幸せな時間を過ごせた事で沼ってしまった。
あぁ。明日もどんな楽しい会話が聞けるのだろうか。
その為にも明日も仕事行かないとなぁ。




