『後三条天皇東宮のとき、実政に速記で餞別のこと』速記談1057
後三条天皇が東宮のころ、東宮学士を務めていた藤原実政が甲斐国守に任じられ、都を離れることになったとき、東宮から餞別の詩歌を賜った。
州民たちがお前を慕う歌を詠んだとしても、私と詩歌を交わした日々を忘れず、早く戻ってきておくれ
という心ばえの漢詩と、
私のことを忘れずにいてくれたなら、空の月を見よ、私も同じ月を見ているのだから
という心ばえの和歌であった。
速記で書かれていたので、周りの者たちは、実政がなぜ涙しているのかわからなかった。
教訓:知識、見識のある者同士は、速記で意思疎通ができる。