《閑話》 ンの村・ラウザの家にて
これは優依がンの村を旅立つ少し前の話。
目が見えず介護を無くして何も出来ない優依の世話をしているラウザとの、一幕である。
プラザ・ラウザ宅の客室にて死んだように眠っていた竹神楽 優依が目を覚まして数時間が経った頃、頬や髪を揺らす風を楽しみながら日射しを感じていた夕日になる時間帯。
「お前、たしか赤かったよな?
んじゃあ~レッドで良いんじゃねぇか‥‥な。
う~ん、そんな急いで付けなくてもいいけど。
…………決まりな、お前はレッドだ。」
「ぷりゅ?
プキュキュ!?」
「何よソレ、安易ね」
「!?
ノックして入れって言ってんだろ!!
もう自分で身体も拭いたし、いいだろが!」
「いいじゃない。
その事はもういいの、ハイ!
朝御飯、じゃないわね昼御飯よ。」
「‥‥なに、………悪いな。
って、え?
俺食えないんだけど?」
「ふふん♪
しょうが無いわね、しょうが無いから、このワタシが態態、食べさせてあげるわよ!」
「あぁ!?
ふざけ──」
「ハイ!」
「──熱っ!」
「なに、猫舌なの?」
「違うわ!
も少し合図とか、なんかあんだろが。
たくっ、何処ぞのゴリラ女じゃねーんだからよ。
‥‥勘弁してくれ。」
「ん?
ゴリラ女って誰よ?
ちょっと何?
この村にゴリラの女なんて居たかしら。
誰よそれ、猫女じゃ不満って言うの!!」
「なに言ってんだ。
んな事より何だよコレ?」
「んな事って何よ!
こっちの方が大事でしょ!!」
「はぁ?
お前、るっさいって、声抑えろ。
そんでコレなんなの?
熱いなに?」
「はぁ、ったくガキなんだから」
「はぁ?」
「アンタの声も煩い。
お粥よ!」
「お・か・ゆ」
「お粥??」
「そう、お粥!
3日も寝てたのよ。
いきなり、お肉とかだと体に胃とかもビックリしちゃうでしょ?
だから作ってあげたんだから。
感謝しなさいよね。」
「おぉ、おう。
ありがとな。」
「何よ?
急に素直ね。」
「いや、お前が作ってるって思って無かったよ。
悪い、だから礼は言っとくよ。」
「そう?
じゃ、受け取っとくわ。
ってお前って言わないでよね?
ラウザって名前があるんたから、ラウザって呼んで!」
「いきなり距離詰めすぎだろ?
まぁ、そうだな追々な。
追々だ。」
「へ~‥‥‥。
じゃあ、あーん。」
「なんだよ?」
「そう?
熱すぎて食べれないの?
ふーふーしたげましょうか、ふーふーふー。」
「お前、いやラウザ、ってか俺をバカにしてんのか?
そんなん、いいから寄越せ!」
「寄越せ、ですって(怒)」
「う‥‥‥、ごめ、ん。」
「そ!
なら、ふーふーしてあげるわね。」
「ほい。」
その後、レッド・スライムのレッドも、ご飯を食べたいと跳び跳ねて優依と、一緒にお粥を食べて眠った。
次の日の朝にラウザがカレーを出したことで更に、一悶着あるのだが其は別の話だ。