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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

斬響。

作者: すみ いちろ

闇に響く音 静かな声

蠢く影は人知れず

泣き声とともに連れてゆく

叶わぬ想い 願いの果てに

常しえに沈むのならば

何も言わなくて良い

漆黒に燃える炎 

この目に焼き付ける

違える命運

まだ手のひらにあるなら

殺められゆく灯火

幸せのもとに人を照らすなら

月明かりに零れ落ちた白刃

この手に拾う


空を覆う暗闇の雲

光こそが欲しかったのだと

呪われし異界の鏡

闇とともに地上を這いずる

百鬼の夜行

(あざな)える縄の如き

締めつけられる苦しみ

月光のもとに

この胸に(えにし)となりて

貪られゆく宿命

今 斬り離す


踊れ 踊れ

百鬼の夜行

毎夜 夜毎

狂え 震え 

逃げ惑え

鬼の叫びが 赤い血潮が

群がる餓鬼に

堕ちた骸

絶望の闇に

拾いし白刃

振るえ 振るえ

誰がために

月明かりの道しるべ

背中に燃ゆる血の涙

南無阿弥陀仏と唱えては

斬り伏せゆく 闇の百鬼を


無味な感情

この手に残るのは

終わり無き戦

尽きようとする

命の終焉

守りたいものが何か

闇の百鬼には届かぬ想い

さりとて闇の想いも

光には届かぬ想い

相容れない想い

その源に心の中に流れゆく魂

いつしか解いて

いつしか解いて


夜明けとともに昇る灯火

見送る彼方

もはや止めようもない滅びが (ほころ)びが

世界をつなぐ命が(ほど)けゆく

まだ空に月は宿る

世界を 人を照らすなら

この命ともに 白刃が舞う

終わりなき終焉の月

誰がために道しるべ











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