表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
91/91

閑話 出会いは夢の中?


「あら? ねぇ膨大な魔力を携えて何かが来るわよ」


「は? うぉ!? ホントだ! ありゃなんだ!?」


「こっちが聞きたいわよー! 邪悪な感じはしないけれど……」


 神界でいつものようにいつもの如く、やる事もなく下界を見ていた時に感じたモノ。

 ゆるゆるよたよたと近付いてくるモノ。


「魔力の塊……?」


「いや、違う。ズタボロになってるが、こりゃ輪廻から外れた魂だな」


「……っ! 早く手当しないと!」


 それから癒しやら、浄化やら、修復やら、できる限りの手を打った。

 小さく、弱々しかった魂が光を取り戻すべく、健気に瞬く事を諦めない姿に心を打たれた。


「何があったのか分からないけど、辛かったのね。もう少し元気になったら出処を探してみましょう」


「あぁ。しかし、この魂は強い子だなぁ。自分から飛び出して来たのか?」


「界渡りをしなければ、こんなに傷付く事もなかったのにねぇ」


 この子の周りには、大小様々な光が瞬いている。


「ふふっ。あなた達も気になるの? 大丈夫よ、消えたりしないわ」


 この子の纏う魔力は暖かい。

 それに惹かれて来るんだろう。


 傷の修復が大分進んだので、過去を覗いてみると、出身は地球。

 孤独だった事と、シャチクと言われるような働き方をしていたらしい。


 あまりの事に憤慨した。ぷんすこーー!



「え、何怒ってんだ? まさか、自ら命を……?」


「いいえ。身体が耐えられなかったのよ」


「そうか。なら手厚く労わって、こっちの世界で楽しむ事をさせてあげよう」


「そうね。加護も付けて、優しい親の元に……」





 


 そうして人として生まれ変わらせる事にしたのだが……。


「むわーーー! 魔力が入り切らんっ!!」


「もうちょっと! あと少しっ!!」


「いやいやいや! 無理させたら破裂するっ!」


「ええぇ! じゃあどうすればいいのっ!?」


「…………こうなったら最後の手段だ」


「…………やっちゃう? 作っちゃう?」


 初めての試みにわくわくしたのは内緒だ。


 修復できた魂が小さかったので成人した身体にしてあげる事は出来なかった。

 それならば幼子にはなるけれど、前世で成人した記憶があれば生活に困る事はないだろうと判断した。

 何せ神が創った身体なので、滅多な事では傷もつかなければ死にもしない。

 まぁ前世と比べたら大きな違いはあるけれど、その分魔法があるし大丈夫!

 のような気がする!

 魔法のない世界でも、魔法の概念はあるのよね?

 だって地球を覗いたら魔法少女の物語があったもの。


 

 


 正直に言おう。身体を創るのは楽しかった。

 丈夫なのは第一に。

 加護で状態異常にも掛からないし、自動で解毒だってできる。

 見た目も大事よね!

 白磁のお肌に、さくらんぼ色の唇。

 大きなおめめに、桃色の頬。

 今は幼子だから、光に溶けるように淡い色彩にして、成人を迎える頃には……うふふふふ♡


「…………愉しそうだな」


「愉しいわっ! 思うとおりに創っていいのよ!? 可愛くしたいじゃなーい!」


「……ほどほどにな」


「うふふふふふ♡」




「さぁ! できたわ! 後は説明を……って! えっ!? 覚醒しちゃう!?」


「まてまてまて! 慌てるでないっ!!」



 ふっ……と落ちて行った幼子。


「「ああああああああああああああっっ!!!」」





 ◇◇◇


 【アストロside】


 ふっふふーん♪ 空を駆けるのは楽しい!

 ぼくも独り立ちして早数年。

 大人になるって自由だね!


 今日も今日とて見回り!

 魔物が増えたら森が荒らされるからねっ!

 大事な任務なのだ!


 ふっふふーん♪ んっ!?

 何か落ちてくる……? 若葉色の……もしかしてユグドラシルの葉っぱ!?

 

 急いで行くと、落ちてくるのは赤子!

 ゆっくりだけど、こんな森の中腹に落ちたら魔物の餌食だよー!

 大変だ大変だっ!




 ウィンドでそっと包んでみれば、寝てる?

 あ、これって気絶って言うんだっけ?

 とりあえず背中に乗せて、地上で様子を見てみよう。


 空から落ちてくるなんて、御使い様なのかなぁ?

 神様の子ども? うーん……。

 間違って落ちちゃったのかなぁ?

 もし間違って落ちちゃったなら、空にお返ししてあげないとだけど、どうやって返そう?

 うーん……。


 あ、起きそう!?


 『あ、起きた? おはよう!』


 って挨拶したら、叫んで寝ちゃった。

 あれぇ? 悪い夢でも見たのかな。

 まぁ空から落ちたら怖いよね?


 とりあえず、もう一度起きるまで守っていてあげよう。

 それから色々聞けばいいよね!






 ◇◇◇


 「意識! 意識だけでも戻せっ!」


 「あっ! 肉体はグラシャ・ラボラスの子が保護してくれてるわ、よかった! 意識こっちにー!」


 ほわっ……。


 「おお! 戻ってきた! いやぁ良かったー!」


 「焦ったわ! 説明も聞かずに覚醒しちゃうんだものー!」


 ………………

 …………

 ……







 ここから始まるラナの第二の人生。

 

 山あり谷あり?

 神様の 全力で楽しめ! の言葉通り、楽しむことにします!


 

 


※お知らせ※

いつも読んでくださり、ありがとうございます!


実生活で執筆の時間が取れなくなりました。

夏以降、ちまちまと書き留めていましたがストックもなくなり、更新するのが難しいです。

なので、心苦しいのですがちょこっとお休みします。

更新を楽しみにして頂いてた方々、すみません(;_;)

そのうちひょっこり戻りますので暫くお待ちくださいませ。


では行ってきます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ