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ピーポと仲直り?

 

 あ、そうだ。


「だやしゅたん、ぴーぽなにしゅち?」


「ピーポ?」


「うん、おゆしゅばんちてうたや、おみあであでたい」


「……ラナいい子。そうだな……甘いものかな」


 甘いものか。

「じゃああまいのたえうとといちたい」


「ミーシュ、甘いものどこがいい?」


「うん? 甘いもの?」


「ラナがピーポにって」


「えっ? ラナっ! なんていい子!」


 ミーシュくん、撫でてくれるのはいいけど、そこお尻です。


「そうだなー。ピーポにならクリームポンプがいいから、リンリンに行こうか! ジャスパー! リンリン寄ってく!」


 クリームポンプ?

 って、何だろう。


「おー、了解」


 屋台街でお昼ご飯を買って帰る途中、戸建てエリアの近くにあるお店”リンリン・ルンルン”に入る。

 


 お店の中は甘い香りが充満していて、店内も可愛い。


「いらっしゃいませー!」


『わぁ! いい匂い!』


 あれ? そう言えばペットも入っていいのかな。

 今までも何も言われなかったなー?

 従魔もいる世界だから動物には寛大なのかな?


『ラナ! ぼくこれがいい!』


 ”オレはこれにゃー!”


 と、ピーポのよりも先に言い出す始末。

 まぁ遠慮知らずなのは仕方ないか。


「ラナがね、ピーポにお土産買いたいって! 優しいよねー!」


「えっ? 気にしなくていいんだよ?」


「ぴーぽおゆしゅばんちてうたや、たってってあえゆの」


「そっか。ありがとなー。じゃあラナには俺からプレゼントな? 何がいい?」


 え、それ何か違う気がする。

 けど、甘えておくか!


「ぴーぽとおなじのだいい」


「クリームポンプってヤツだけどいいのか?」


「うん!」


 それが気になるんだってば!

 と、ショーケースを見ると、あった、クリームポンプ!

 どうやらタルトの仲間らしい。

 クッキー生地の上にソフトクリーム状になったクリームが山盛り。

 これがクリームポンプ。

 と言うか、普通に洋菓子が並んでる。

 ここ異世界だよね?

 地球と変わらんじゃないか。


 でもホールケーキばかりで、ショートケーキがない。

 切り分けて販売はしないのかなー。


 なんて思考の海にどっぷりハマってたら買い物が終わってた。



「よし、帰るか!」




 テクテクと拠点に帰ってピーポを呼ぶ。


「ピーポ、ラナがピーポにお土産買ってくれたよ? お礼言いなね?」


「ピピピ! 下僕は気が利く! ピーポポポ!」


「ちげーだろがっ!! ちゃんとお礼言わないとあげないからな!」


「ピー……ありが……ピッ!」


「ちゃんと!」


「…………ありがと。ピ!」


「おゆしゅばんちてたもんね! いいこ!」


「いい子じゃないにゃ! 言われなくてもちゃんとお礼言えるのがいい子にゃっ!!」


「ねーじゅ? ひといでおゆしゅばんちてみゆ?」


「……ふん!」


 本当にこの2人は根深い対立関係なのかなぁ?

 何かの切っ掛けがあれば仲良くなれるかなぁ。


 そう言えば、ピーポは羽を怪我してるんだっけ?


「ぴーぽ、はねばたばたちないでえやいねぇ」


「あぁ、ピーポには拘束魔法が掛けられてるんだよ。怪我が治ったら解けるようにしてあるから、羽は動かせないんだ」


 あらま。

 包帯じゃなく魔法なのか!


「はやくなおゆといいねー」


「まぁなー。……怪我の切っ掛けがケットシーだから、ネージュには思う所があるんだと思うんだ。ネージュ悪いな」


「……そこらのケットシーと同じにするにゃ」

 ぷぃっ!


「滅しろケットシー! ピーポポポ! ピッ!」


「こらっ!」


「ピピピ!」


 ぉぉぉぉ……相変わらず口が悪い。


「ぴーぽのしゅちなくいーむぽんぷたってちたよ! どーじょ!」


「はははっ! メシの後な!」


「ピーーー!」


 そうだ、ご飯だった。


 しかし、どうにか仲良くできないかなー。

 うーむむむ……。



「よーし! 食おうぜ!」


『ぼくさっきのやつ!』


「オレもにゃー!」


「了解! 串に気をつけてね!」



 わたしは焼きそばだ!

 見た目は前世の焼きそばと変わらない。

 が、香りがソースじゃない……。

 お醤油の和風焼きそばと言えばいいのか。

 コレジャナイ感満載。

 麺は中華麺じゃなく、限りなくパスタに近い何か

 でもまぁ味は美味しい。

 そしてフォークなのがまた違う。

 お箸でわしわし食べたい。

 ……まぁこれは慣れなくちゃだね。


「美味いか?」


「あい! おいちぃ!」


「こっちも食べてみる?」


 見るとサンドイッチ。

 しかし、パンは何処?

 ほぼお肉。


「あーんして」


「あーん」

 ぱくっ!


 んっ! 柔らかくて香ばしくて、お肉美味しい!


「おいちぃ!」


「だろー? ここのサンドイッチが街で1番美味いと思う!」


 涼しい風が……そよそよと……。

 しっぽ扇風機……。


 にこにこのアストロがサンドイッチを凝視している。

 にこにこ、んじーーーー……


「……ちょっとだけな? 1口だからな?」


『うんっ!』

 ばくっ!!


「あああああ!! 俺のサンドイッチィィ!!」


「あははっ!! それがアストロの1口だから仕方ないよなー!」


『美味しいね! ごちそうさま!』


「はぁぁ……。はい」

 なでなでわしわしっ!


 ふふふっ! 食いしん坊さんには敵いません!


「ごちとーたまでちた!」





 ◇◇◇


 ピーポの止まり木のある部屋にジャスパーさんと向かう。



「ラナもケーキ食うか?」


「おなたいっぱい……」


「んじゃー、おやつに食べような」


「あい」


「ピーポにはあげていいか?」


「あい!」





「ピーポ、ラナがくれたお土産食うか?」


「食うーーーッピ!」


「ちょっと待ってなー」


 と、敷布を敷いて、周りを片付けて、四方2m開けて真ん中にクリームポンプのホールケーキをどん! と置いた。


 まさかホールケーキまんま!?


「よし! いいぞー!」


「ピルルルル!」

 ズボッ!


 ひと鳴きしたと思ったら、頭からクリームにダイブ!?


「羽が動かせないから助かるなー! ははっ!」


 何とも豪快!

 え、それ息できてる!?


 ガバッと顔を上げて、鼻に詰まったクリームを、ぷんっ! と飛ばすと、また頭からダイブ。


「……ちごいね」


「はははっ! これに羽のバタバタが加わると部屋中クリームだらけになるんだよ。だから滅多に買ってやれないんだけど、久しぶりだから嬉しいんだろうなー」


 そりゃ敷布必須だわ。

 ウォッシュで綺麗になるとは言え、部屋中クリームはちょっと……。


「ピピピ! うまー! うまー! ピーポポポ!」


「良かったなー! ラナもありがとうな。すごく嬉しそうだ」


「だいこうぶちゅなのねー。うえちぃなやよたった!」


「ピッピッピッピッ! ラナピッピ! ありがとッピ!」


「うん!」


 ちょっとは仲良くできそうかな?

 そうなるといいな!


 

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