スカイカメレオンバード。
「やっべぇ! 絶対怒ってる……ちょい行ってくるわ」
みんなはもぐもぐと咀嚼中。
誰も気にしてないけど……。
そう言えば鳥様って言ってたよね?
鳥の鳴き声みたいだったし、鳥さんがいるのかな?
もぐもぐ。
「ちょっとケガした鳥が居るんだけど、ジャスパーの使い魔なんだ」
ケガ!?
「たわいしょう……」
「ラナは優しいねー。ちょっと、かなり特殊と言うか、ふてぶてしいヤツだからビックリしないでね?」
え、鳥だよね?
ふてぶてしいとは、どういう事なんだろう……?
「今回のクエストで置いて行かれたからなー」
「いちゅもいっちょにいってうの?」
「うん。ふてぶてしいけど役にはたつからね。俺より斥候に向いてるし」
へぇ! ミーシュくんも凄いと思ったけど、流石は鳥って事なのかな?
「――! ったから! ほら挨拶しろ!」
「ピルピロロロロ……ピッ!? エマージェンシー! エマージェンシー! グラシャ=ラボラス! ケットシー! 距離1! 寧ろ0!! もはやZEROーー!! ピロロロロ!!!」
「「「「「『えっ!?』」」」」」
たらーり……。
この子今なんつった?
それからもずっとピロピロ鳴いてグラシャー! ケットシー! と言い続けてる……。
「あの、ピーポ?」
「厄災級!! 厄災級!! 逃げ場ZEROOOO!!」
べしっ!
「ちょっと落ち着け!!」
「ピポッ!?」
「あー、その、ネージュ?」
「……」
「ピーポは殆ど間違わない。で、その……?」
これは隠し通せない?
ネージュどうする?
「……まさかスカイカメレオンが居るとは思わなかったにゃー……。努力が無駄ににゃったぁぁぁ!!」
と、ネコの擬態を解いて言う。
あーあ。まさかこんな風にバレるとはねぇ……。
白銀の翼の面々は、多少驚いた顔をしているが動揺はしていなさそう。
おやぁ?
「まぁ想像はしていましたからね。改めて、ネージュよろしくね」
「うんうん! ケットシーとも知り合えたなんて嬉しいよ! ネージュよろしくねー!」
「よろしく」
「ははっ! まぁそーゆーこった! バレたくないんだろうなーと思ってたから指摘しなかっただけで予想はしていたんだ。ネージュよろしくな!」
ダラスさん、手がわきわきしてるけど……。
「はぁ……。まぁグラシャが居るもんにゃー。街中ではネコ擬態するけど、ここでは素に戻るにゃー」
『ネージュ良かったねー!』
「にゃにが!」
『お友達が増えたじゃない!』
「にゃっ!? お友達ぃ!?」
「えっ!? 違うの!? ネージュはもう友達だよね?」
「ですよね? 私も友達と思ってましたよ?」
「友達」
「だよなー?」
「にゃにゃにゃ!! は、恥ずかしい事言うにゃ!」
ネージュも満更じゃないのに照れちゃって!
「照れてにゃい! んにゃぁぁ!!」
『ふふっ! 良かったねー!』
「ピーポー! ピロロロロ! 何なのヨ!!」
「ぴーぽ? やなでしゅ、よよちくね?」
『ぼくはアストロだよ! 厄災級じゃないよ?』
「ネージュにゃー」
「やなっ! やなっ! 赤子やなっ! ピ!」
「ピーポ、ラナ、だよ。ラ ナ」
「赤子やなー! ピロロロロ!」
『ピーポ、ラナだよ』
「ピポッ! ……ラナッ!」
「おーまーえー! 何でアストロの言う事は聞くんだよっ!!」
「ピロピロピーポー」
「ほらね? ふてぶてしくてナメてるでしょ」
ふ、ふんっだ。
すぐ言葉だって上手になるもんねーだ!
それにしても綺麗な鳥だなー。
なんて言う種族だったっけ、確か……スカイカメレオン?
「なちゅのそやのいおちてう」
「うん、今は夏だからね。それだけじゃなく、空の色に溶け込めるから、飛んでたら見つけられないよ。結構珍しい鳥なんだ」
と、ロビンさんが解説してくれた。
なるほどカメレオンねー。
「そーそー! 朝焼けでも夕焼けでも、雨でも曇りでも空の色なら、どんな色でも溶け込めるしね! 念話も出来るから、空からの偵察ではスカイカメレオンバードは一流なんだよ! ピーポはうるさいけどね!」
「うるさい言うな! ピ!」
おお、口答えする!
おもしろーい!
「しゅごいねー!」
「当然よ! ピ! 凄くて可愛くて凄いの! ピ! アタシが1番! アンタはビリ! ピピピ!」
「ピーポ」
「ピルルルル……」
うわぁ……。
ピーポは女の子なのかな? ふと頭に浮かんだのはラノベあるあるの悪役令嬢。
ぷくくくっ!
『ラナが1番可愛いのにねー』
「そーにゃ。目が腐ってるのに斥候なんてよくできるにゃー!」
「ピッ!?」
心做しかバチバチと火花が見えた気がする……。
相性悪いのかしら。
「もー、ねーじゅやめなたい」
「ピーポもだ! 失礼な事言うとカゴに入れるぞ!」
「ジャスパーがアタシが1番て言わないから! ピ!」
あ、ヤキモチかぁ!
「ラナごめんな、こいつホント口悪くて……」
「じゃしゅぱーたんをだいしゅちなだけだお。やちもちだもん。ふふっ」
「「「えっ!?」」」
「……ラナってホントに3歳?」
あ、しまった。
笑っとこ。
「えへへ」
「とりあえずピーポ、ケガが治るまで大人しくしとけ」
「アタシは大人しくていい子! ピ!」
「はいはい。じゃあ部屋戻ろうな」
「ピロロロロ」
◇◇◇
「ピーポは羽を痛めてるから今は飛べないんだよ。だからクエストに置いていかれて、ちょっとご機嫌ナナメだったんだ。ごめんね」
「いやー、そうじゃなくてもふてぶてしいけどね! 折角街に来たのに、嫌な思いさせてごめんねー」
「だいじぶ」
「ラナは聞き分けが良すぎて心配になるレベルですね……。私の知ってる3歳児とは雲泥の差です」
そりゃ中身はアラサーですしね!
とは言え、幼く見えるようにした方がいいのかな。
……難しい。
ちびっこを観察する事もなかったし……。
まぁ、街に居る間だけ頑張ってみよ……って、眠い……。
身体だけは幼児だ……。
『ラナ、眠い?』
「ん……」
「おっと、客間に案内するね。そう言えば荷物は? アストロが持ってる?」
『ラナの持ってる小さい袋だよ』
「え? これ?」
『うん』
「……もしかしてマジックバッグ?」
『そう。ネージュが貸してくれたの』
「にゃー」
「へぇ! 貴重なもの持ってるんだね。街では知られないようにしなね?」
『そうなの?』
「マジックバッグは高価だからね。さぁ、こっちだよ」
『はーい』
ロビンさんに抱っこされたのは覚えてる。
だけど、そのままあっさりと眠ってしまった。




