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白銀の翼拠点。


 それからいくつもの屋台をひやかしたり味見させてもらったりして練り歩く。

 冒険者の街らしく活気がある。


「おー! ジャスパーお帰り!」


「戻ったぜー!」


「なんでぇ、素通りとは冷てぇな!」


「ははっ! 今度また来るよ!」


「白銀達お帰りー!」


「ただいまー!」


 どうやら白銀の翼は有名人で尚且つ人気者らしい。

 アチコチで声を掛けられている。


「でっけぇ犬だな!」


「ははっ! まぁなー」


 おすまし顔のアストロ可愛い。


「次俺ね!」


「あっ!」


 と、ミーシュくんの腕の中へ。

 お、目線が低くなった。


 渡り鳥のように抱っこから抱っこへ行くと、街の人がギョッとした顔になる。


「おいおい……それ子どもか? 誰の子だ!?」


 ですよねー!


「俺だ! と言いたいけど違うんだよねー」


「顔がよく見えねぇな? どれ……」


 ビクッ!


「あっ! ちょっと止めてよね! この子がびっくりしちゃうでしょ!」


 えぇ! びっくりしましたとも!


「……」


 無言でミーシュくんの腕からダラスさんが受け取る。

 と言うか奪う。


「ちょ! ダラス酷い!」


「……」


 おぉ! 目線が高くなった!

 人々の頭が下に見えるぞ!


「ここなら捲られない」


「そうだけどーー!」


 なるほど。

 フードを勝手に捲られちゃうからか。

 言葉少なでも気を使ってくれてるのね。

 ……にしては、口元が……?


「珍しい……ダラスが笑ってる」


「普段はちびっこに怖がられちゃうからなー」


「……」


 そうなの?

「こわくないでち」


 そう言うと、目を見開いて丸い耳がピコピコ。

 きゅっと抱き締める手が、嬉しいって言ってる気がする。

 こんなに優しいのにねー。


 屋台の通りを抜けて、5階建てのアパート? のような、壁同士がくっ付いた長屋? のような住宅が並んだ場所を過ぎ、戸建てが増えてきた頃、もうすぐだよと教えてくれた。


「駆け出し冒険者達は共同住宅に住む事が多いな。宿に泊まるより家賃が安いんだ」


 ほー。

 ジャスパーさん曰く、冒険者ギルドは国に縛られない機関だけど、居着いたら離れない人も多いんだって。

 森の辺で仕事は沢山あるから、国から国へと渡らなくても魔物の討伐、食材や薬草の採取や、ランクの低い人は届け物やお掃除のお手伝い等、多岐に渡るらしい。


 仕事は選べるし、自分に合ったモノで生計を立てられるから人気職業なのが冒険者なんだって。

 魔物の討伐は危険も伴うが、実入りがいいので目指す冒険者は多数。

 だけど、ケガもするし、命の危険もあるから実力次第なんだそうだ。

 ふむふむ。


「ま、難しい話はこれくらいにして、着いたぞー」


 ここ?

 でっか!! 家と言うよりお屋敷じゃん!!


「ココに手を当てて魔力の登録しておこうな」


「ここ?」


「うん。魔力認証だよ」


 鍵が魔力認証!? 凄いな異世界!


 平たく丸く、黒い石にぺたり。

 その上からジャスパーさんの手がぺたり。

 ちょっとだけ魔力が流れた。


「よし完了! ようこそ白銀の翼の拠点へ!」


「ラナ、アストロ、ネージュ、いらっしゃい!」


「いらっしゃーい!」


「サランの街に居る間は、ここが我が家だと思って寛いでくれな!」


 この街はサランと言うのか。


「おじゃまちまちゅ……」


『お邪魔しまーす!』


「にゃぁ!」





 ◇◇◇


 カチャリと玄関ドアを開けて家に入る。

 魔力認証は門だけらしい。


 リビングだよと案内された先に人が居た。


「おう! お帰り!」


「あれ? 何でまだ居るんだ? とっくに帰ってると思った」


「何だよつれないなー。ちゃんと鳥様のお世話してたんだぜ? そんな言い方……それ、何だ?」


「親戚の子」


「は? 誰の?」


「俺の」


「はぁ!? ジャスパーの!? 嘘だ! どこから攫ってきた!」


「失礼だな! 遠縁の子どもだよ!」


「え、本当に? 仕事はどうすんの!?」


「次のクエストで帰るんだ」


「へぇ……。顔見えないなー。見せて」


「やだよ」


「キッチン行こうか」


 と、ロビンさんが抱っこして連れて行こうとしたら


「えっ、顔も見せられないの!?」


「アホが伝染る。ほら帰った帰った!」


 ダラスさんが首根っこ持ったー!


「ちょっ! ひでぇな! 暫く休みだろ? また来るから!」


「もー来んな。じゃあな!」



 えっとー……?


「あいつは気にしなくていい。もう会わないだろうしな」


「あい」


「よし! 買ってきたメシ食おうぜ!」


 と、みんなでダイニングへ向かう。




 しかし広いな!

 玄関に階段があったから2階もあるんだね。

 4人で住んでるんだから当然か。


 ダイニングの椅子の数は6脚。

 広々テーブルが、屋台で買った食べ物で埋まる。

 どんだけ買ったんだ?


 取り皿の上に、少しずつ乗せてもらっても、山盛り。


「こんなにたべやえないたも……」


「いいよ、食べられるだけ食べな。食べて美味しかったからおかわりしたらいい」


「あい、あいまとー。いたーちまちゅ!」


『いただきまーす!』


「にゃぁぁん!」


「うん? いただきます?」


『そう、食べる前に言うんだよ。感謝して食べるの! みんなもどうぞ?』


「へぇ! それいいな。いただきます!」


「「「いただきます!」」」


 くふふっ! いただきますが広がるといいな。

 とってもいい事だと思うのよ。

 命に、作り手に感謝!


 さて、どれから食べよう?

 串に刺さったお肉、これは何だろう?

 わたしの1口では大きすぎるお肉を齧りとる。

 んっ! タレの焼き鳥!


「おいちぃ!」


 ソイの実があるから、馴染みのある甘辛タレだ。

 もっきゅもっきゅと食べるが、1本食べたらお腹いっぱいになりそうだから、次にGO!


 これは、揚げ餃子っぽい。ラビオリかな?

 パリパリ! 中はトマトソースのお肉が入ってる。

 うん、これも美味しい!

 期待以上だ! もっと粗末、もとい、シンプルな味付けを想像していたが思ったより複雑で尚且つ香りもいい。

 スパイスを上手に使ってる。

 食材が前世と似てるからか、多国籍料理のお店みたいだ。


 ”ウォッシュ”


 あ、夢中で食べていたから汚れてるの気付かなかった。


「あいまと」


「どういたしまして。美味しい?」


「あい! おいちぃでしゅ!」


『うんうん! 美味しいね! でもラナのごはんの方が好きかもー』


 ”オレも! ラナのごはんは絶対にゃー!”


「「「「えっ!?」」」」


「ん?」

 もっきゅもっきゅ。


「今、アストロが……」


『ん?』


「ラナのごはん……?」


『あ』


 ……もしかして、全員に念話したの?


『ラナと、ごはん食べると、美味しいなーって……』


「「「「……」」」うん、そういう事にしとくわ」


 何とも微妙な空気の中、聞こえた。


「ピロロロロ!」


「あ! しまった! 忘れてた!」


 綺麗な声? 何かいるの?


 


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