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チーム:白銀の翼。


 ぱちっ


『おはよう! ラナ大丈夫?』


「ラナ! 良かったにゃー! 起きないから心配したにゃー!」


 おはようー。また朝まで寝てた?


「寝てたにゃ! 顛末を聞いて心配したにゃー。ケガがなくて良かった!」


 大丈夫だよー。

 って、あれ? 冒険者さん達は?


『泉で野営してたよ。ラナが話してみたいって言っておいた』


「オレは反対にゃー! 近づかにゃくていい!」


 ふふふっ、街の話を聞くだけだから大丈夫!

 ネージュも一緒に行こ?


「オレはケットシーだから……」


 にゃんこのフリして行けば大丈夫じゃない?

 って、ネージュ!


「はいっ!」


 お家に入れたね! 良かったー!


「あー……。別に入れなかった訳じゃにゃいんだけど……」


 これからお家で一緒に過ごそう?

 ほら、寝る場所も3人で寝ても余裕あるし!

 雨が降ってもお家でごはん食べられるし!

 ね?


「……考えとくにゃ」


 うん、前向きにね!

 よし、朝ごはん作る!

 って、白の泉には冒険者さん達が居るのか。

 なら、お家で顔洗うかー。




 と、願いの石碑を掃除して、朝の体操だけは欠かさずやっておいた。

 朝ごはんは、簡単フレンチトースト。

 スープはシチューが残ってたので、作るのはフレンチトーストだけでいい。


 さくっと食べて、冒険者さん達の話を聞きに行くつもりだったが、ハニーフラワーの蜜に感動したネージュのくねくねが止まらなかった。


「雨上がりの時しか出会えにゃいやーつー!」


 うんうん、みんな大好きハニーフラワー。

 分かるよ、うんうん。

 だけど早く我に返って?

 冒険者さん達も帰っちゃうかもしれないし!




 くねくねしてるネージュをグラシャ姿のアストロの背中に乗せ、わたしは歩いて泉に行くと、冒険者さん達は既に撤収も済んでいた。



『おはよう。よく眠れた?』


「「「「おはようございます!」」」」


「お陰様でよく休めました。……で……」


『ラナ』


 昨日は平気だったのに、何故か気恥ずかしくて、ネコ化したネージュの脇から手を回し、だらっと抱っこして頭の辺りに顔を埋めてる。

 のびのびに伸びてるネージュはされるがままだ。

 本物のネコのだと問題ありありな抱っこだけど、そもそも二足歩行なので大丈夫だ。

 と、思う。


「ぉぁょ」


「はい、おはようございます。私はロビンソン、ロビンと呼んでくださいね。ラナちゃん、でいいかな?」


「ぁぃ」


 お兄さんだかお姉さんだか分からないエルフの人が、しゃがんで目線を合わせ声を掛けてくれる。

 しかしちゃんと声を聞くと、どうやらお兄さんのようだ。

 何度でも言おう、めっちゃ美人。


「かっわいいなぁ! 俺はミーシュね! 何か聞きたい事があるんでしょ? 何が聞きたいのかなー? 教えてくれる?」


 一際小さいお兄さんが聞いてくる。

 確か小人族って言ってたっけ。


「えと……。まちで、おたいももちたいけど、どうちたやまちにはいえましゅか?」


「「「街に?」」」


 こくん


「えーと、込み入った事を聞くようだけど……お父さんやお母さんは?」


 あー、やっぱりそうだよねー!

 と天を仰ぐ。


「……っ! ごめん! 辛い事聞いちゃったかな……。そっかそっか……そうだな……俺達で連れて行ってあげる事もできるけど、どうする?」


 あれ? 何か盛大に誤解された気がするけど、まぁいい。

 しかし、連れて行って貰っても、行きはよいよい帰りは怖いじゃ困る。

 ちゃんと街からも出られるようにしたいんだもん。

 さて……。


『……ラナの代わりにちょっといいか? ラナはこの神樹の森で暮らしている。なので、街に入っても街で暮らす訳ではなく買い物だけしたいんだ。できるか?』


「にゃぁん」


「……森で……なるほど。街で保護するって訳じゃないんですね? そうなると……」


「俺達の拠点で一時過ごして、クエストで外に出る時に一緒に出るのはどう?」


「門番はどうする?」


「他国の親戚とか何とかで通れないかな」


「……森から入るのに他国から……だと、ちょっと無理がないか?」


「あぁ……あ、迎えに行った、とかなら?」


「街道よりも近いと言えば近いからな。それにA+の俺達なら何とかなるか?」


 


 あーでもないこーでもないと知恵を絞ってくれてる辺り、いい人達なのかもしれない。


「その、グラシャ様は……」


『無論一緒に行く』


「ですよねー。しかし、そのお姿では……」


 しゅるるん! と小型化すれば大型わんこ。

 小型化なのに大型とは、これ如何に。


「「「「!!」」」」


『これならばどうだ?』


「流石……神獣様。大きさまで変えられるとは……はい、恐らく問題ないかと」


「流石でございます!」


 ズサっ!と平伏するモフ耳さん。


『いやだから……』


「ダラス! 普通に! 普通をお望みだぞ!」


「はっ! 失礼しました……。善処します」


「ったく……まぁ分からんでもないがなぁ。……では、すぐにでも出ますか?」


 えっ! すぐ行けるの!?


『あー、ラナどうする?』


 どうしよう。え、どうしよう。

 まさかこんなに早く叶うとは思ってなかったから戸惑うよ!


「あーっと、俺達はクエストが早く終わったのでまだ時間はあります。2~3日待てますから、お返事はそれまでに頂けたらいいので。ラナちゃんもゆっくり考えていいよ」


「うんうん、ここを拠点に神樹の森探索するから!」


「決まったら教えて下さいね」


「ぁぃ」


 ネージュは相変わらずのびのび抱っこ。

 こうしてると本当のネコのようだ。



「では、散策して来ます」


『行ってらっしゃい』


「「「「! 行ってきます!」」」」






 ◇◇◇


 どうする!? どうしよう!

 街を見られるんだって! うわぁ! どうしよう!


『ふふふっ、行きたい気持ちが溢れてるじゃない。あの人達なら魔石を貨幣と交換もしてくれるんじゃない? ネージュはどう感じた?』


「そーにゃー、嫌な感じはしなかったにゃ。全面的に信用しろと言われても難しいけどにゃー」


『まぁ初めて人と会話したしねー。悪意が見えなかったから、とりあえずは大丈夫かな』


 悪意か。

 まぁこんな幼子だし、簡単に攫おうと思えば攫えるしね。


『「簡単にはやらせないよ?」』


 ふふふっ! だよね! アストロもネージュも居てくれるし! 安心してる!

 それなら、あの人達について行ってみようか!


「即答は避けるにゃ! 返事をするにしても様子を見てから!」


 ごもっとも。

 じゃあ様子を見つつ、返事は明日か明後日ね!


 うん、と3人で頷き合う。


「オレは奴等の後をつけて探るにゃ。いい顔するのが得意なヤツも居るからにゃ」


 ネージュ流石! 頼もしい!


「にゃはは! 任せるにゃー! 行ってくる!」



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