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街の様子。

『せっかくだから、街の上空にも行ってみる? ぼくは黒いから夜に融けて見えづらくなるし』


 いいの!? 見てみたい!


『その代わり、声は出さずに念話のみね。後、魔力引っ込めておいて』


 分かった!


『ここからだと……レイズサイズが近いかなー』


 ガイズナじゃない国?

 

『うん。ガイズナは獣人が多いけど、レイズサイズは多種多様な種族が住んでいて、1番穏やかな国かもしれないね』


 へぇー。どんな種族がいるの?


『人族、獣人、エルフ、ドワーフ、小人、って所かな』


 エルフ! ドワーフ! ぉぉぉぉ……!


『種族が違うというだけでの争いは、国で禁じられてるからね』


 アストロは敬われてるんだよね?


『ぼくがグラシャの姿で国がガイズナならねー。ガイズナは従魔がいる人は獣人だからといって蔑まないだろう、って思われて仲良くしてもらえる事が多いんだ。人族の中には、獣人は野蛮だと思ってる人も少なからず居るんだよ。それに、ガイズナでは幼子は保護対象だしね。ふふっ』


 ……保護対象かー。

 ウーキーみたいになったら怖いな。ふふっ


『川のこっち側では3国あるんだけど、もうひとつはモルフェ国って言う人族が多い国があるんだ。モルフェ国は3国の中では大きい方かな。レイズサイズとガイズナと協定を結んでて、農産物はモルフェが一手に引き受けてるみたいね』


 神樹の森以外で農産物の栽培してるの?


『神樹の森から持ち帰って増やす事はできるんだ。人族は育てるのが上手みたいだね』


 ほうほう。


 アストロ曰く、魔道具の開発や細工物等はレイズサイズ。

 肉系はガイズナが主に賄ってるらしい。

 共存共栄なんだねー。

 流通の為に、大きな街道もあるらしいが、生鮮は大丈夫なのかな?


『亜空間倉庫のスキル持ちは3国を行ったり来たりだよ』


 なるほど!

 そんなに珍しいスキルじゃないんだね!


『人族では珍しいよ? 魔力が少ないからね』


 ……じゃあわたしは?


『ラナは規格外だよ! ひゃはは!』


 むーん……じゃあ魔力が多いのはどの種族?


『ダントツでエルフだね。次に小人族、ドワーフと人族は同じ位で、獣人が1番少ないかな。でも身体能力は獣人が1番高いね。次に小人族、エルフ、人族、ドワーフかな? それぞれの種族でも飛び抜けた人は居るし、それぞれにいい所があるから、どの種族が1番なんて決められないよねー』


 うんうん。


『でも、それを決めたがるのも人なんだよね。みんな違って当然だし、それを認めあえなければ諍いが起こるのに。不毛だよね』


 確かに。

 隣の芝は青く見えると言うけれど、それを羨んでも仕方ないし、自分の秀でている所を自慢して相手を蔑んでも仕方ない。

 なのに比べたがるのも人の性なのか。

 確かに不毛だ。


『それが行き過ぎると戦争になるんだよね。何百年も前にはしょっちゅうわちゃわちゃしてたらしいからねー』


 今はないの?


『協定を結んでからなくなったみたいよ』


 神様が平和な世界と言ってたけど、”今は”って注訳が付くのかな。

 

『神様から見たら、人がわちゃわちゃしてる位なら平和のウチに入るのかもしれないよ?』


 えっ!? ……でも、それ、ありがち。


『だよねー! まぁでも大丈夫でしょ』


 ……うん、そうだよね。

 ニーズおいちゃんも、川向うに行かなければ大丈夫みたいに言ってたし。


『ほら、見えてきたよ。あそこがレイズサイズ国だよ』


 どれ!?


『規則的に明かりが見えるとこ』


 あー! ホントだ!

 って、暗くない?


『え? 森より断然明るいよ』


 あぁそっか。

 わたしの知る街はネオンギラギラの眠らない街なんだった。

 それに比べたら暗いけど、確かに森より明るい。


『”インビジブル”』


 ん?


『街の上空に入ってみるね。魔力引っ込めて、声を出さないように』


 了解!






 高い壁を超えて、街の上空に入る。

 壁の上に人が居た。

 森からの侵入を見張っているんだろう。


 思わず、第1村人発見! と思った自分は確かに日本人だったんだなーと思った。


『ここは辺境だから森の恵みを集める街だね。肉も穀物も全部を他国に頼ってる訳じゃなく、自国でも集めるから冒険者も多いはず』


 なるほど。


『なので、魔石を売ったり、素材や薬草を売るのには適してるねー』


 いつかどこかの国に行って、お買い物してみようね!


『うんうん! ぼくも街には降りた事ないから楽しみ!』


 規則正しく並ぶ街灯。

 あそこは食事処かな? 宿屋かな?

 確かに、人が生活している。

 それなりの高度で飛んでいるから、どんな人が居るのかは確認できないし、服装も分からない。

 だけど、ちゃんと人が居るのが分かっただけでも収穫だ。





『あっ』


 何か下が騒々しくなったと思ったら、魔物が近づいてきたらしい。


『フォレストバグか。森の辺に多い魔物だねー』


 よく見えるね! 遠くて見えないよ!?


『目を強化してごらん? 遠くまで見えるよ』


 目を強化? 分かった、やってみる!


 身体に引っ込めた魔力を少しずつ目に集める。

 すると、見えたのは……


「げっ!」


 んむっ!!! 声でちゃった!!


『もー! しーだってば!』


 だって! でっかいイモムシ!! きんもーーーーい!!


『でも、あのフォレストバグが吐き出す糸は中々の強度だから、布作りに役立つんだよ?』


 布!? イモムシの糸で布!? うげーー!!

 って、シルクは蚕の繭だっけ……。


『ほら、殺さずに捕獲してる。羽化するまで糸を吐き出させ続けるんだね』


 羽化したらどうなるの?


『鱗粉は上質の染め粉になるから、殺さずに死ぬまで働かされるね』


 ……自分と重なる。

 わたしも死ぬまで働かされたしなぁ。

 フォレストバグ、なむなむ。


 思わず手を合わせる。




『さ、帰ろうか』


 うん!

 ねぇ、またこうやって飛んでくれる?


『いいよ! 次はルヴランとレヴォネが揃った時に飛ぼうか』


 うん! 楽しみにしてる!


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