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出会いは突然に。

『おはよう、ラナ』


 おはよぉ……今朝は早起きねぇ。


『何か不思議な夢を見た気がして』


 がばっ!


 アストロも!?


『えっ! ラナも!?』


 もしかして、もしかする?


『……神様の夢?』


 同じだああああああ!!!


『不思議なんだけど、ぼく、神様のお姿は知らないはずなのに、神様だって夢で思ったの。ラナも居て、みんなでニコニコしてる夢だった』


 うんうん! 同じ!

 神様は2柱居るんだよ。


『うん、神話でそれは知ってるけど、お姿は見た事なかったんだ。わぁ〜! お会いできたって事かな?』


 うんうん! 不思議だねー!


『……やっぱりラナは……』


 あ、それ違うから。

 わたしは普通の幼児だから。


『……普通?』


 あー、一般的な普通とは違う普通。


『それってもう既に普通じゃない気がする……』


 ……まぁいいじゃない。

 さ! 顔洗ってこよーっと!





 ◇◇◇


 白の泉に向かうと、見慣れたような、そうでないような、長靴を履いたネコが釣竿を持って二足歩行で歩いてた。


 えーっと……童話の世界?


 ネコはこちらに気が付かず、そのまま森に抜けようとしていたみたいなので、わたしも動かずに立っている。




 ふと、ちらりとこちらを伺うネコ。

 また前を見て歩き出したと思ったら、わたしを2度見して


「に゛ゃ!?」


 と、飛び上がると、走って逃げて行った。

 二足歩行で。



 ありゃ、驚かしてしまったかしら。


 わたしが正真正銘の3歳児なら、追いかけていただろうが、何せアラサー。

 まぁ、こんな事もあるわよね。と顔を洗う。




 ……んな事あるかーーーーい!!!


 何なの!? 何なの!? ネコだったよね!?

 どうして二足歩行なの!?

 どうして長靴なの!?

 どうして釣竿なのぉぉぉぉぉぉ!!!


「あしゅとよおおおおおおお!!!」


 ばびゅん! と身体強化で走る!


『ラナ!? どうしたの!?』


 今っ!! 白の泉でっ!! ネコがっ!!

 二足歩行で歩いてたっ!!

 しかも釣竿履いて長靴持ってた!!

 違うっ!! 逆っ!!


『ねこ?』


 ネコ!! 真っ白なネコ!!


『ケットシーじゃない?』


 ケットシー! ……って何?


『ネコの妖精に近い魔物だねー』


 魔物……。


『でも真っ白なのは珍しいかも。多いのは黒い被毛で胸に白い模様があるんだ』


 へぇー!


『珍しいついでにもう1つ。こんな森の深部寄りの中部に居るなんて珍しいにも程があるよ。彼らは戦闘に関しては強くないはずだからね。よく生き残ってるなー』


 そうなんだー! へぇー!

 で、何故釣竿?


『うーん……趣味じゃない?』


 趣味!!

 そんな事もあるんだ……。

 童話の世界みたいだったなー。

 2度見して逃げちゃったけど。


 何で驚いたのかな?


『さぁ……? 幼児がひとりで居る事に驚いたんじゃない?』


 なるほど納得。

 また見てみたいなー♪






 ◇◇◇


 意外と早くその時は訪れた。


 果樹園の結界の外に、さっきのケットシーが居たのだ。

 よだれ垂らしながら。


 え?


「あのぉ……」


「に゛ゃっ!?」


 毛をぼわっと逆立てながら後退りするケットシー。

 弾き出されないって事は、害意はないんだね?

 敵視もしていない、と。ふむ?


「なにかごようでちゅか?」


「にゃ、にゃーにゃー」


『君は話せるよね?』


「に゛ゃ!? グラシャ!?」


 おおお! 話してるぞ!


「そそそそその子どもは何にゃ! 魔物の擬態にゃのか!?」


 は?


『え? ラナは人の子だよ?』


「そんな魔力の人の子にゃんて居にゃい!!」


 あー、魔力ダダ漏れ問題勃発!

 慌てて魔力を引っ込める。

 上手になったのよ? 凄いでしょ。ふふふん!

 と思ったのに


「ありえにゃい!!」


 むーん……。

 せっかく引っ込めたのに。


「それにこんな森の奥に居るのも変にゃ!!」


『ぼくとそこの家に住んでるし、変じゃないよ?』


「おかしいにゃーーー!! いくらグラシャと一緒でも、すぐに魔物のエサにされちまうはずにゃ!」


 はて? そう言えばウーキーはわたしを保護しようとしたし、ニーズおいちゃんには面白がられたし、あぁククルカンには貢物扱いされたっけ。

 まだエサ扱いはされてなかったなー。


『ラナをエサ扱いなんてしたら、ぼくが黙ってないよ』


 やだ! アストロカッコイイ!


『え、そう? そうかな? えへへ』


「何ふたりで解りあってるにゃーーー!!」


『え? 羨ましいの?』


「ニャチュラルにアホかっ!!」


 おぉ、天然=ナチュラルをご存知で。

 その前に


「ごようはなんでちゅか?」


「喋ったにゃーーー!!」

 ぼわっ!


 何気に失礼だな!

「さっきからしゃべってまちゅよ。ようじはなぁに?」


「……ここ、何で入れにゃい?」


『不届き者が入れないように結界してるからだね』


「オレは不届き者じゃにゃい! ここを開けろ!」


「なんで?」


「いー匂いのする何かがあるにゃ!」


 良い匂い? はて?


「ここはわたちのかじゅえんよ?」


「にゃんだと!? 人の子の!?」


「うん。なにかほちぃものがあうの?」


「べ、別に欲しくないにゃ! 知らないいー匂いが何か確かめたかっただけにゃ」


 良い匂い、良い匂い……。

 チョコ? カレー粉?

 そもそも実の中だし、外に匂いは漏れてないはず……。

 あ、もしかして……。

 結界の中に入って行くと


「ずるいにゃ!!」


 いや、ずるくないし。

 そもそも言ったよね? わたしの果樹園だって。

 とりあえずお目当てのモノを採って、結界を出る。


「こえ?」


 まん丸の目を見開いて凝視している物は、鰹節の木の枝。


「こ……これは……これは何にゃ」


「かちゅおぶちのち」


「カチュオブチノチ? と言う木にゃのか?」


 膝から崩れ落ちたよ!

 アストロ笑いすぎ!

 通訳してよ!


『かつおぶしの木 だよ』


「オレに嘘を教えたのか!」


「ちないまちゅー!」

 ぷんすこ!


『ラナはまだ上手にお話しできないだけだよ』

 ふふふっ


「あぁ、サイズからして赤子にゃのか。ますますここに住んでるにゃんて怪しいにゃ」


「あかごちなう! ようじ! おしゃにゃいこ!」

 あ、にゃにゃ語移った。


 そんなやり取りの間も鰹節の木の枝を凝視してるケットシー。


「そ……その木を……寄越すny!」あぁぁぁぁぁ……


 びゅんっ!


 あらま。


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