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極上ベーコン。

 朝からてんやわんやで進めたベーコン作り。

 現在のお日様はお昼のてっぺんよりも進んで、夕方の傾きより上にある。

 という事は、3時位?

 わからんが。


 ベーコンの様子を見に行くと、アストロがしっぽ扇風機をぶわっさぶわっさしながら着いてくる。


 ごくり……

 いよいよ開けてみる時が来ました。

 覚悟はいいか!


『はーい!』


 ……いや、そこはさ、応! とか言うんじゃないの?


『おー!』


 うん、純粋培養のアストロくんにはそれが似合うか。




 いざ!! 結界解除!!


 もわわぁぁん……


 煙が空に上っていく。

 目の前には、


 おおおお! ベーコン!!

 色合い最高じゃない!?

 チップはいい具合に墨になってる。

 まだ燻製するお肉が後に控えているから、そのまま収納!


 あれ? アストロ?

 って、凝視してる!


『これ? これがベーコン?』


 うむ。

 キッチンで切ってみよう。


『は! 早く! 早く!』


 くるくると回りながら器用に進むアストロ。

 うん、やっぱりわんこじゃん。


 枠から外してインベントリにしまうと、途端にしょんぼり。

 いや、隠したわけじゃないからね!?





 キッチンで1本取り出して……どうやって切るかな。

 縦かな横かな。


『早く!』


 セオリー通りに真ん中縦半分に切って、中を見ると


 うん、ちゃんと火が通ってる。

 綺麗なバラ色!

 いや、お肉がバラ肉だからじゃないよ?


 薄く切って、アストロに


 お待たせしました! ベーコンでございます!


 おおおぅ……しっぽ扇風機でベーコンがハタハタとはためくよ。

 

 ぺろん! とパクリ。


 わたしもぺろん!


『「!!! おいちぃーーい!」』



 少し強めだが、スモークのいい香り。

 さくらんぼの木、いい仕事したよ!

 お肉はちゃんと塩抜きされていて良い塩梅、余分な脂は落ちて、しっとり。

 元々美味しかったキングオークのお肉が、更に上級になってる!

 これは美味しい!


 アストロは微動だにせず。


 あれ?

 アストロ?


『……凄い。待った甲斐があった。これは、これは、革命だ!!!』

 わぉーーーーーーーーーん!!!


 ひょっ!?

 お家の中ですよ!


『もっと! もっと欲しい!』


 はいはい、単品でたくさん食べるとしょっぱいからね、これが最後ね。


 少し厚めに切ってアストロのお皿に乗せてあげると、まずはぺろぺろと楽しんで、その後パクリ。

 恍惚な顔のままラグに転がり、ヘソ天でくねくね。


 なるほど。

 美味しいとくねくねするんですね。

 背中が痒いんじゃないんですね。

 ふふふっ




 わたしからしてみれば、確かに美味しかったけど、食べた事のある味覚だ。

 アストロは初めてだったから、美味しさに感動したのかもしれない。


 確かに美味しかったもんね!


『はぁ〜♡ 最高過ぎるぅ♡』


 アストロにはスモークの匂いキツいかと思ったけど、大丈夫だったねー。


『全然大丈夫だった! スモーク? の香りだけじゃなく、もっと深い場所に色んな香りが隠れてて、複雑で、とにかく美味しい!』


 あれをですね、ちょっと炙ると、これがまた……。

 ふっふっふ


『はわわわわ! ヨダレ出そう!』


 夜ごはんに出してあげるね!


『やったーーーー!!!』


 くねくねからその場くるくるに。

 やっぱりわんこだよね!






 ◇◇◇


 お待ちかねの夜ごはんは、厚切りベーコンとマッシュポテト。

 にんじんのグラッセ、ブロッコリーのペペロンチーノ。

 角切りベーコンを入れた具だくさんのミネストローネに葉っぱサラダ。

 と、パン。


「めちあがえ!」


『いただきまーーす!』


「いたーちまちゅ!」


 食べてる間もしっぽが凄い。

 感情がそのまま出るの可愛い。


 さて、わたしも。

 厚切りベーコンは、こんがり焼き目を付けて香ばしく。

 じゅわっと溢れる脂は、ほんのり甘くて少しもしつこくない。

 いやぁ、苦労して作った甲斐がありましたなぁ。


『おかわりくださいな!』


 はーい!


 ブロッコリーのペペロンチーノは、ニンニクの香りが食欲を唆るし、にんじんのグラッセは甘くて素敵。

 マッシュポテトにベーコン入れるのもアリだなと思ったけど、今日はそのまま。

 ミルクとバターで伸ばして、とろける食感だ。

 あぁ至福のひととき♡


『おかわりくださいな!』


 はーい!


 具だくさんのミネストローネも、優しい味わい。

 わたしはセロリも入れちゃうんだけど、ちょっと爽やかになるんだよねー。

 うん、美味しい。


『おかわりくださいな!』


 はーい!


 ……そう言えばキノコ類を見かけないな。

 よし、次はキノコを探すとするか!

 ふふふっ! 楽しみ楽しみ♪


『おかわ「まやはいうの!?」……少しだけ』


 凄いね! はいよー!


 結局、全ての料理をおかわりし続けて、見た目にもお腹ぽんぽんになったアストロ。

 このまま横に大きくなったりしないといいけど……。


『ごちそうさまでしたー! 美味しかった!』


「ごちとーたまでちた! またちゅくうね!」


 結局1本は全部なくなった。

 元の世界で見たバラ肉の推定6本分はありそうな大きさだったのに……。

 後4本残ってるが、すぐになくなってしまいそうだ。

 まぁ作り方は分かったし、時間はたんまりある。

 楽しみながら作りますかね!


 って、ロックバードとブルのお肉も燻製にしなくちゃ。

 ブルは薄く切ってジャーキーでも良さげ。

 むふふん♪


 明日も燻製日和だといいな!






 ◇◇◇


 その夜、久しぶりに夢を見た。

 ふたりの神様がニコニコしているだけの夢だった。


 わたしはこの世界を楽しんでいます。

 色々と助けて頂いて、感謝しています。


 そう伝えたかったけど、声が出なくて。


 わたしは表情で伝わればいいな、と、満面の笑顔を向けた。


 わたしの隣にはアストロ。

 アストロも笑っていた気がする。


 朝、目覚めた時に、”それでいい” そう聞こえた気がした。


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