身体強化をがんばるまん。
それから、ごま油の実も収穫。
やっぱり瓢箪型の実でした。
瓢箪の色が違うから見分けもつくし、何と言ってもこの形が優秀なのですよ。
ヘタの先を切って、逆さに嵌めると蓋になる。
どお? 凄くない?
しかも自立するのよ! すんばらしい! ブラボー!
キッチンに並べておくと可愛い。
むふ♡
みりんの中身がなくなったら、清酒を入れておこう。
むふふ♡
『何ニヤニヤしてるの?』
おっと見られてた。
この形が可愛いな、並べると可愛いなって”ニヤニヤ”じゃなく、”ニコニコ”してたの!
『うん、そういう事にしておくね』
……むーん。
早速収穫したばかりの枝豆を茹でてみる。
アストロが食べづらいだろうから、ぷちぷちとさやから出しておく。
1粒味見をすると、紛うことなき枝豆!
粒も大きいから食べ応えあるわー。
ごま油を使った、出汁巻き玉子もちゃっちゃとね。
鰹(?)の二番出汁があるので、いい感じにじゅわじゅわ。
ベーコンができたら、より一層食が豊かになるね!
後数日我慢の子。
……あれ? 何とか液に漬けるのって、本当に7日だっけ? 3日だったっけ?
まぁ後で塩抜きするし、楽しみは先にしておこう。
出汁に使った削り節は、醤油とみりんで炒りつけて簡単ふりかけだ。
これがご飯に合うのよね〜♪
……ふと我に返ると、これが木の枝だったと思い出す。
うん、頭から追い出そう。しっ! しっ!
しっかり浸水したお米も上手に炊けてふっくらツヤツヤ。
お味噌汁は具沢山のごった煮感満載だけど、まぁいいじゃないか。
具の種類がちょっと足りないが、豚肉も入った豚汁もどきだ。
立派なおかずである。
『いい匂い〜!』
ふふっ!
収穫したおまめちゃんもあるからね!
食べようか!
『はーい! いただきます!』
「いたーちまちゅ!」
『ぼくね! ぼくね! この玉子焼き大好き!』
うんうん、美味しいよねー。
『でもね、やっぱり全部好き!』
あー可愛い。
こんな事言われちゃったら、ばんばん作ってどんどん食べさせたくなるよね?
ごはんのレパートリーも増えて来たから、リクエストあったら言ってね?
『ほんと!? わぁ! 何がいいかなー。沢山あって決められないから考えとく!』
うんうん。あー可愛い。
◇◇◇
そんなこんなで身体強化リベンジ。
午前中は特訓して、午後はちょっとお昼寝。
お昼寝しないと、夜ごはんの後すぐ寝ちゃうからね。
さて、今日も今日とて、つもり座禅。
魔力を身体に巡らせる特訓だ。
ふと気付いたことがある。
この魔力を身体に巡らせる特訓をすると、ダダ漏れしていた魔力が内側に引っ込む感覚が分かってきた。
アストロ曰く、それが魔力を操作するって事なんだと。
全然簡単じゃなかったよ!
あれよね、千里の道も一歩から。
地道に努力して掴んだものは一生モンだ。
小さな事からコツコツと。
蛇の道は蛇。
あれ? これは違うか。
まぁいい。
魔力をおへその辺りに集めて、集めた魔力を身体に巡らせる。
まずは足に。
しゅっ! と立って飛び上がる。
「ぎゃああああああああああ!!」
『ちょっ!! ”ウィンド”!』
ふわん……ふわん……
びっくりした! びっくりした!
なんかドえらい飛んだよ!!
『急に飛んだら危ないよ!? しかも足にだけ強化してたでしょ! 上半身は強化してなかったんだからバランス崩すのは当たり前でしょ!』
そ、そうなの!?
『上級者だって足だけ強化して飛ばないよ。少しずつアチコチ強化して、反動に備えないと』
なるほど!
足だけが強くなっても、他の弱々な所が追い付いて行けないって事か!
『その通り』
ちょっと分かったかも!
それから頑張った。
とにかく頑張った。
おかげで考えながらでも、身体強化が使えるようになった。
ほら! YDK!!
ふふふん!
『うんうん、思ったよりも短時間でできたもんね! 凄いよラナ!』
手を腰に当てふんぞり返って鼻穴もおっぴろげだ。
『次は考えなくても瞬時にできるようにしないとね』
……まだまだ先は長かった。
◇◇◇
放出系の魔法は割と早くに習得した。
先にも言ったように、どーん! ばーん! でイメージさえできれば何とかなったのだ。
全て漫画やアニメのおかげであーる。
『普通は何とかならないけどねー』
生まれた時から魔法に慣れ親しんだ君に言われるとは心外だ。
こちとら魔法のない世界からイメージだけで何とかしたんだよ?
凄くない?
『うん、凄すぎてびっくりだよ』
だよねー!
むふん♡
だけど、やっぱり不安だ。
魔物だって生きている。
傷付ければ血を流す。
魔物も生きる為に、生き残る為に、必死に抵抗するだろう。
そして自分も、いつ狩る側から狩られる側になるのか分からない。
甘っちょろいと言われそうだが、狩りなど、した事も見た事もない、平和ボケした地球産元現代人にはハードルが高いんじゃないだろうか?
この世界では死活問題なんだろうけど。
『ラナは自分を守る為に魔法を使えばいいよ。意図的に殺すためじゃなくね。結界で身を守ってもいいんだよ。攻撃魔法は、あくまでも逃げる為の手段なんだから』
でも、生きる為には食べないとダメでしょ?
その為には意図的にだって魔法を使わないとならないよね?
『それはぼくの仕事。だからそんなに気負わなくていいんだよ』
……うん。今は、アストロのその言葉に甘えさせてもらうね。
『ラナはまだ幼子なんだから、自分の身を守るのが優先! 強力な結界も張れるしね! まぁそれを忘れて魔物に突進しちゃう、うっかりさんだけどねー』
ぐっ……!
あれはっ! その……テンパってたって言うか……咄嗟に魔法が出てこなかったと言うか……。
『うん、だからいつ何時でも瞬時に使えるようにしないとね。所で、てんぱってたってなぁに?』
え? あぁ、テンパる。焦ったとか、そんな感じ、かな?
『へぇ! 響きが面白いね!』
てんぱるてんぱるてんぱる……
いや、真似しなくていいからね!?
※誤字報告ありがとうございます!
チッキンて……:( ;´꒳`;)




