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仕込みは楽しい。

 さて、昨日の木に実は生ってるかなー?


 お酢の木には、サラダ油と同じ様な瓢箪型の実がついてる。

 液体はこうなるのかな?

 うん、みりんも同じだ。

 瓢箪の色が違うだけで、大きさも形もたいした違いがない。


 カレー粉は塩の実と同じ。

 大人の拳サイズの丸い実。


 お味噌も塩の実と形は同じだけど、大きさが!

 わたしの頭くらいあるよ?

 赤っぽいのと白っぽいのがあるって事は、まさか……?

 後で確認だ。


 その中でも異色を放っているのが、チョコレート。

 葉っぱがデカい、分厚い。

 実は何処(いずこ)

 このちっちゃいのかな?


『この葉っぱ、甘い匂いする』


 くんかくんか匂いを嗅いでたアストロが言う。

 ぶちっ! と葉っぱを咥えて採ったら、中に板チョコ!?


 あぁ……想像したのが板チョコだったから、葉っぱに挟んで実の代わりにしたんですね。

 お手数お掛けします。

 じゃあこの小さな実は何だろう?

 後で確認だ。


 アストロ、口の周りチョコだらけだよ。


『はっ 美味しくて夢中になってた……』


 そして最後の鰹節。

 もう既に枯れかけてる……。

 これは根付かなかったんだなぁ……。

 

 いや待て。


 ……。

 あああああああ! 木が! 木が鰹節っ!!

 確かに木の枝っぽいけど! おが屑みたいだけど!


 魚ですらない鰹節……。


 うん、ここは異世界。

 わたしの知らない事は、こういうもんだと割り切ろう。






 ◇◇◇


 とりあえず、お味噌の赤白の実を割ると、想像通りの赤味噌と白味噌。

 うん、これは合わせて使おう。


 チョコレートの木に付いてた小さな実はココアだった。

 素晴らしい。


 ほんでもって、鰹節はそのまんま鰹節。

 これを削れば、見慣れたアレになる訳だ。


 お味噌汁が……お味噌汁が飲める!

 お米もある! ブラボー!


 まさか異世界で和食が食べられるって思わないじゃない!

 硬い干し肉と硬いパンだけとか、出汁もないスープとか、甘味は貴族しか食べられないとか!

 そんな食生活じゃなくて良かったーー!!


 第2の人生。

 これなら頑張れるっ!


 って事で、豊かな食生活の為に仕込むぞ!





 ◇◇◇


 まずはマヨネーズだ。

 ロックバードの卵、黄身だけ使ってカシャカシャ。

 ちゃんと乳化させないとマヨネーズにならないからね。

 使う材料はシンプルだ。

 黄身と塩と酢と油。


 カシャカシャする腕が……。

 幼子の限界なのか?


 と、魔法でカシャカシャ。

 こうすると油を入れる際にも糸状に垂らしていける。

 素晴らしい。



『……その酸っぱい匂い、ちょっと苦手』


 お酢はねー、独特だもんね。

 でも大丈夫! 気にならない所か、美味しくなるソースだからね!

 期待してて!


『……うん』



 ふっふっふ……

 マヨネーズの美味しさに恐慄くがいい……。

 まぁこれも異世界あるあるだ。


 アストロが苦手だと言うので、最低限のお酢にした。

 まぁ保存はインベントリだし腐ることはないだろう。


「じょちん!」


 いや、除菌ね?

 保存するツボに除菌したんだからね?

 ロックバードの卵は大きいから、黄身も多かったのよ。

 当然できる分量も多い訳で、保存はツボ。


 味見をするのに野菜スティック。


「どーじょ!」


 マヨネーズをつけたキュウリをアストロの目の前にずいっと。


『……』

 ぱく


『!!!! 美味しい!! 酸っぱ臭くない!』


 酸っぱ臭くないって……。


「おいちいでと?」


『美味しい! 凄い凄い!』


 むふふん! 勝った!

 うお! しっぽ扇風機がっ!!


『また卵取ってくるねっ!!』


 あー、はい、よろしく。

 もれなくお肉も付いてくるよね。

 それでなくても大量にあるお肉数種類。

 腐らないとは言え、どうしたもんかなー。


 あ、ベーコンか! ハーブも胡椒もある!

 くふふふふっ!





 ◇◇◇


 さて、記憶を探ろう。

 アウトドア好きの先輩が熱弁していたベーコン。

 まぁベーコンだけじゃなく、食材のスモークと言った方が正しいか。


 何度も何度も聞かされたレシピ。

 あの時は、喋ってないでご飯食べなよと思ったが、今になって役立つとは。


 確か、ソックス液? ミュール液? とか何とか言うモノに漬け込んで3日〜7日?

 塩分濃度が……30%、だったっけ?

 そこにお砂糖がお塩の半分、胡椒とハーブ適宜。


 塊が大きすぎるから、同じ位に切り揃えてっと。

 牛、豚、鶏、それぞれ作って漬け込む。


 あ、冷蔵庫がない。

 ないならちょっと戸棚を改造するか。


 今部屋に出ている家具は、何故かわたしサイズなので小さい。

 インベントリに入ってる戸棚を出すと、一般的なサイズだったので、これにした。


 内側に結界を張って、鍋に入れた水を氷にする。

 それと一緒に、なんちゃら液に漬けた肉を入れて簡易冷蔵庫だ!


 結界を張る時に、冷気が漏れないようにするのも忘れない。

 むふん、これで様子見だ。



『今度は何を作るの?』


 キラキラした曇りなき(まなこ)


 上手く行けば期待以上のモノができるよー。


 ぬぉ! しっぽ扇風機最大っ!!


『ラナが作るものは美味しいに決まってる!』


 初回限定の賛辞かもしれないけど、これは期待に応えたくなるよねー。

 しかし


「でちうのはなのかたってかやよ」


 あ、しおしおになってる!

 しっぽの項垂れ方が凄い。

 さて。


 これは7日後だけど、他にも作れるんだよ〜?

 食欲が止まらなくなっちゃう、美味しいモノを作ろうと思ってたんだけど、アストロも食べるでしょ?


 ぱっ! としっぽが上がった!


『食べる!』


 おぉぉぉ……この復活の早さよ。




 とりあえず、願いの石碑にお願いしてみたいモノがあるので、それからだな。

 何を願うか?

 石碑には、”物品ならば”と書いてあった。

 食品に限られてないって事でいいよね?

 魔道具がどんなのか分からないけど、これは魔道具に該当しないと思われる。


 よし、”土鍋”をお願いしますよ!




ラナさん惜しい、何とか液はソミュール液ですよ!

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