食材増やすよ!
さて、おにぎりもできたし、先に石碑を綺麗にしてっと。
白の泉で水を汲んで……重っ!!
っと、こんな時は
「かうくなえ!」
うふふん♪ 楽ちん♪
手ぬぐいを水に浸して、ふきふき。
ウォッシュでは失礼かなと思うので、ふきふき。
地面に置かれているのに汚れがないとか、どうなってんの?
きっと神様は綺麗好きなんだろう。
膝をついて手を合わせ
今度は”お酢”をお願いします。
ついでに”チョコレート”とか”ココア”、”カレー粉”なんかもあったら嬉しいです。
後、”料理酒”とか”みりん”、”ローリエ””鰹節””味噌”もお願いします。
キラキラキラキラ〜☆
流石に欲張りすぎたかな?
まぁダメならダメで仕方がない。
ぴかっ!
ん?
えっ? 何これ。
光る玉が2つ飛んでる……?
ふよふよと、わたしの周りに浮いてるが……。
『何か飛んでるね?』
うん。これ何だろう?
立ち上がり、少し移動すると着いてくる。
むむ?
2つの光は、片方が薄い緑っぽくて、もう片方が赤っぽい。
暫くすると、別々の方向に動き出し、何故だか着いて来いと言われているような……?
アストロ、この光の玉見えるよね?
『うん』
着いて来いって言ってるみたいなの。
『へぇ、それじゃ行ってみようか』
お願いしていい?
『もちろん!』
アストロの背中に乗って、緑っぽいのに着いて行くことにした。
赤っぽいのは、わたしに付かず離れず。
本当に何なんだろ?
◇◇◇
緑ちゃん(勝手に命名)は、一定の速度で森の中を飛んでいる。
アストロの早足程度の速度だ。
不思議と魔物に遭遇しない。
道を選んでるのかなぁ?
『何処に行くんだろうね?』
ねー。
家から体感20分位だろうか。
そこにはハーブの群生地があった。
うわぁ! ミントがある! カモミールにレモングラス!
あぁローリエ! ここにあったのね!
他にもいっぱい!!
緑ちゃんは、ハーブの群生地の辺りをクルクルと旋回した後消えた。
なるほど。
既にある物だから、場所を教えてくれたって事?
じゃあ、この赤い子ちゃんは?
後で来られるように、魔法で水を撒いておいた。
残滓が残るって言ってたからね。
今度は、赤い子ちゃんに着いて行く。
赤い子ちゃんは空高く飛ぶので、アストロも飛翔する。
緑ちゃんよりも速度を上げて飛んでいく。
結構早いな!
こちらは大分離れた場所だったようで、体感1時間はゆうに超えている。
『むむ? 何か匂う』
え?
赤い子ちゃんがゆっくりと降りて行くと、何やら匂う。
これは、お酒っぽいぞ?
赤い子ちゃんが旋回して消えていった。
そこに広がる風景は、まるでウーキーの宴会場だ。
赤白ワイン、ブランデー、ウィスキー、にごり酒。
まさかの清酒!? お米がない世界だったのに!?
焼酎やら、何かのリキュールやら、お酒と名がつきそうなモノは、ここに集約されてるのか?
『ラナ、ここは森の辺から中盤に近い、人が来る場所だ。必要なモノを貰って離れよう』
わかった!!
今のアストロはグラシャ=ラボラスの姿だ。
この姿は、あまり人には晒したくないだろう。
赤白ワインと清酒、リキュールを数種類インベントリに直接入れて退散だ!
ウーキー?
酔っ払ってご機嫌だったから、何事もなかったよ。
いいよ!
『”インビジブル”』
ふぇ!? 消えちゃった!?
『ぼくの固有スキルで、自分ともう1人だけ見えなくする事ができるんだー』
はぁ!?
『グラシャ=ラボラスの姿の時だけ使えるの』
すっごおおおおおおい!!
『ふふっ! ラナの従魔になったから、ラナの影に隠遁する事もできるようになったし、ハイドアンドシーク(隠れんぼ)に統合する事もできるんだけど、そうするとラナを隠せなくなるから止めたんだ』
うん、ちょっと何言ってるのかワカラナイ。
『その内分かるよ』
あ、はい。
暫く飛んでから、透明になったのを解除。
透明になってても、アストロの姿は薄らと認識できた。
不思議ー!
『さっきの場所はガイズナ国から近かった。ガイズナは獣人が多いから、酒の泉にも簡単に辿り着けるだろうね』
獣人!
『うん。人族よりも力はあるし、機動性も高いんだ。冒険者も多いよ』
ほへー。それなら、サッサと離れて正解だね。
『気配探知には居なかったから大丈夫だと思うよー』
それなら良かった!
やっぱりその姿では会いたくないんでしょ?
『いやぁ、突然祈られても困っちゃうからね』
そっちか!
もしかして、旗に掲げてるのは……?
『そう、ガイズナ』
納得ー!
◇◇◇
帰りにハーブの所に寄って、色々と摘んで来た。
ハーブは乾燥させて保管しておけば、色んな物に使えるし、料理の幅も広がるってもんよね!
念願のお茶も飲める!
甘くない飲み物が水か白湯だけだったし……。
ハーブティーはちょっとクセがあるから、ブレンドして楽しもう。
くふふっ
あ、アストロって、ここの場所覚えていられる?
『んー、多分大丈夫。匂いを覚えたからね』
凄いな!
『そりゃ人より嗅覚は優れてるし』
それもそうか。
またハーブが欲しくなったら連れて来てね?
『任せて!』
ふふっ、頼もしいね!
◇◇◇
お家に着いたら、ジョン・ドゥの木が沢山生えていた。
そうだった、何か色々思いついたのをお願いしてたんだった。
お願いした物は、お酢、チョコレート、ココア、カレー粉、みりん、お味噌と鰹節。
料理酒とハーブはあったからね。
と言うか、みりんはお酒の仲間入りはさせて貰えなかったのね。
清酒はあったのに……。
謎すぎる。
それぞれに名前を付けて、場所を移動させておく。
さて、どんな実が生るのかなー?




