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今世初めての。

 さて、浸水終わったし、炊いてみるか。


 あぁ炊飯器が懐かしい。

 研いだお米を入れて、水を入れる線まで付いていた。

 スイッチポンで、後は待つだけだったし。


 しかし、これからは鍋でご飯だ。

 これをマスターすれば、何時でも何処でも焚き火でもマンマが食える!

 飯盒炊爨を思い出せ!

 って、やった事ないけど。


『どしたの?』


 はっ

 アストロ、上手にできなかったらごめんね!


『そんなの気にしなくていいよ。誰にでも初めてはあるからね』


 ふむ。いざ! 参る!




 まずは弱火。

 初めちょろちょろですね。


 くつくつ音がしてきた。


 次が中火から強火位。

 中パッパ。


 グツグツしてきた。


 お鍋が大きかったのか、蓋はカタカタするけど、吹きこぼれはしなかった。


 おや? 音が変わった。

 チリチリ……?


 はっ! 火を止めて、赤子泣いても蓋取るな!!


『できた?』


「まらよー」


 いや、お鍋を凝視してなくてもいいんだけど、アストロと並んでじっと待つ。


 あれ、どれだけ待てばいいの?

 待ち時間にお肉でも焼くか。


 胡椒は粉砕した。


 元の世界のと同じなので、嬉しくて?


 へっぷちん!


 くしゃみと一緒に鼻水も出た。

 ずびっ


 ついでにアストロもくしゃみしてた。

 ふははは!


 シンプルに塩コショウの焼肉大量。

 切ってあったキャべ千と、作り置きしてた根菜たっぷり鶏がらスープ。


 おぉ、今日もしっぽ扇風機は最大だ。


 さて、ごはんの蓋開けるよー!


 ほわぁぁぁんと湯気の向こうに、白い粒。


「ごあん……!」


 いい香りはしてたけど、実物見ると感極まるね!

 しゃもじ替わりのヘラで底から混ぜると、ちょいと焦げ過ぎた感は否めないが、それもまた香ばしくて良い。


 お茶碗じゃなくて、お皿で情緒がないけど構うもんか。

 アストロには大皿、わたしは中皿でワンプレートに。


『いただきます!』


「いたーちまちゅ!」


 むほぉぉぉ!! 正しくごはん!!

 ちゃんとうるち米だぁぁ!

 もっちもっち、むっちむっち、噛めば噛むほど甘みが出る。

 しかも、1粒1粒が大きい事!

 って、自分が小さくなったからか?

 何でもいいや!

 

「おーーーぃちぃーーーぃ!!」


『これがご飯! うん、美味しいね! 飲み込みやすい!』


 あぁ、うん、パンより水分あるしね。

 粒粒だから、丸呑みだもんね。

 でも美味しいなら良かった!


 これからは、パンでもご飯でも選べるからね。

 好きな方で食べていいよー。


『ラナと一緒でいいよ。どっちも好き!』


 ふふっ! じゃあそうするね。

 あぁ美味しい!






 ◇◇◇


 今日こそはお風呂に入って寝るんだ!

 と、意気込んだのはいいけれど、お風呂の最中に眠くなる。


 ぶくぶくぶく……


 ぶはっ!!!!

 ごほっ! ごほっ!

 あっぶねぇ!!!


『ラナ!? 大丈夫!?』


 だ、大丈夫!!


 あー、びっくりした。

 もう出よう……。


 恨めしい、この身体……。

 早く人間に……もとい、大きくなりたい……。






 ◇◇◇


 翌日。

 昨日の願いの祠は夢だったんじゃないかと、鎮座している石碑を見て淡い期待は見事に打ち砕かれたので、そっとため息。


 白の泉で洗顔の後、ラジオ体操。


 3本の木には、昨日もいだはずの実が、またできている。

 本当に、どうなってんだ?


 まぁ、深く考えない事にしたので頭から追っ払う。

 しっ! しっ!


 今日はロックバードの卵でマヨネーズを作ろう!

 と、思った所で気がついた。


 無いのは油だけじゃなかったーーー!!

 お酢がなければ話にならんではないか!!


 ちらりと願いの祠、もとい、石碑を見る。

 ……使っていいって書いてあったよね?

 よし。


 あ、お供え物。

 おにぎりでいいか。





 お家に帰って、インベントリからご飯を取り出す。

 3カップしか炊いてなかったので、残りは僅かだけど、おにぎり2個位ならまぁ何とか。


 手に塩をして、きゅっ! と握る。

 手が小さいから、出来たのは3個のおにぎり。

 それをお皿に乗せて……。


『おはよう! それなぁに?』


 おはよう。願いの石碑にお供えしようと思って。


『へぇ! 美味しそうだね!』


 ……アストロも食べたかった?


『あー、……うん。えへへ』


 ふふっ! じゃあ先にアストロ食べていいよ。

 これは残りごはんだから、ちゃんと炊きたてのごはんで神様にはお願いするから。


『でも、神様よりも先に食べるのは……』


 おぉ、信心深いな。

 大丈夫、残り物より新しい方がいいと思うから。


 ぱぁぁ!

『うん!』


 ちゃっちゃとお米を研いで浸水させてるうちに、おかずを作る。

 パンケーキを作った時の残ってた卵液に、お醤油と鶏がらスープで、だし巻き玉子。

 サラダには、レモンと塩とサラダ油でドレッシング。

 うん、やっぱりコクが違う。


『いただきます!』


「いたーちまちゅ!」


 わたしはパンにジャム。

 だし巻き玉子と合わないだろうって?

 そんなの気にしない〜♪


『これ、美味しい! 食べやすい!』


「おにぎにだぉ」


『おにぎに?』


 ……おにぎり、ね。


『おにぎり! 美味しいね!』


 アストロも気に入ったようだし、お米頼んで良かったなぁ。


 次はお酢!

 豊かな食生活の為に、頼む事を躊躇わない事にしよう。

 そうしよう。





 ◇◇◇


 さて、多めに炊いたご飯も割と上手にできたし、おにぎりにしてお供えだ。


『凄いね、面白いね』


 おにぎりが?


『うん。三角になるの不思議ー』


 ふぅん? 変なとこに面白味を見つけたのね。ふふっ


『次は何をお願いするの?』


 お酢って言ってね、酸っぱーい調味料。


『レモンみたいに酸っぱいの?』


 うん。系統は違うけどねー。


『ふぅん。美味しいモノになるならいいね』


 ふっふっふ……

 きっとアストロも好きになるよ。

 楽しみにしててね!


『うん! ラナが作るのは、みんな美味しい!』


 そりゃアストロは初めて食べる物ばかりだからだと思うけどね?

 そう言えば嫌いなモノはないの?


『うーん……アラクネは不味かった』


 アラクネ?


『蜘蛛』


 …………キライの次元が違った。



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