願いの祠リベンジ。〜移動式願いの祠〜
がっくし……。
そんなに頻繁に移動するなんて、なんてせっかちな石碑なの。
うん、まぁラッキーは続かない。
そんな時もあるさ!
『残念だったね。でもまた探せばいいよね?』
うん。また一緒に探してね?
今日はお家も持って来てないし、一旦帰ろう。
『そうだね、このまま探してたら夜になっちゃう』
帰ったら、3本の木の実りを見てみよう!
もしかしたら実が生ってるかもしれないし!
『うん! そしたら美味しいのが作れる?』
実りの形次第だから確約はできないけどねー。
『いいよ! よーし、帰ろう!』
と、トンボ帰り。
◇◇◇
お家近くの上空からアストロが怪訝そうに
『何かおかしい』
え?なになに?
『そもそも、前回だって玄関前にあったのに、気が付かないなんておかしいと思ってたんだ』
何が??
すーっと地上に降り立つと、そこには
「なんでココにあうのおおおおおおお!」
願いの祠があった。
◇◇◇
落ち着け自分。
とりあえず、何か飲もう。
アストロのお皿と自分のコップに水を注ぎ一気飲み。
ごきゅごきゅっ!
アストロは水も飲まずに、お行儀よく伏せの状態。
さて……。
気を落ち着けて近づくと、石碑の文言に変化が。
”やだもー! これも一緒に持って行ってくれないとー! ラナ専用なんだから、好きに使いなさい! 物品ならば大体の物は何とかなるぞ! あ、魔道具はできないので、そのつもりでな!”
………………は?
『持ち主 ラナ』
……は?
『この持ち主はラナだって。ねぇラナは本当に御使い様じゃないの?』
いやいや! 使命なんてないからね?
ニーズおいちゃんが言ったように、御使い様には使命があるって言ってたでしょ?
この世界で休みなさいって言われただけだよ!?
まぁ……目にかけて貰ってるのは認めるけど。
目にかけて貰ってると言うより、あれこれ融通して貰ってると言うべきか?
それが目にかけて貰ってるって事じゃない?
って分からん!
頭のてっぺんに届かない手を頭に置いて、蹲る。
……整理しよう。
まず、この石碑は願いの祠。
もしくは同等の物。
もしくは同等以上の物。
これって他の人にバレたらダメなやつじゃない?
いやいや、ここにいる限り他の人には会わない。
それなら……使わせて貰ってもいいんじゃない?
せっかく「ラナ専用」って言ってくれてるんだし。
いやまて。
いやでも。
うん、全然整理できない。
そーゆーときには〜♪
現実逃避だ。
トコトコと3本の木の前に行くと、実が生ってる。
「あっ! あしゅとよ! みてみて!」
『わぁ! 実が生ってるね!』
コメの木には、雫型の大きな実。
コショウの木には、筒型の実。
サラダ油の木には、瓢箪型の実。
……雫?
何か思ってたんと違う。
稲穂じゃなく、木だった時に気がつけ自分。
胡椒も、木に直接実が生ると思ったが、筒型?
サラダ油は……できた果実を絞るんだっけ?
大きさから見ると、既に収穫できそうだ。
それぞれ1つづつ採って見る。
これをどうしろと?
とりあえず割ってみるか。
敷布の上にコメの実を置いて、アストロにパチン! と割ってもらうと、サラサラと出てきた見慣れた小さな白い粒。
うわっ! 中身がお米!?
既に精米されている米粒!
じゃあこっちも??
と、胡椒の筒を割ると、乾燥された黒い粒胡椒!
これだとサラダ油は割ったらダメだな。
瓢箪型なので、上部を小さく切り落とす。
敷布の外に垂らしてみると
やっぱりーーーー!!
中にサラダ油が入ってるぅぅぅぅ!!
『ん? そういうもんじゃないの?』
本来は油が採れる実を潰して絞るんだよ……。
『でも、ラナが想像したのがソレだよね?』
……おや? そう言えば、どんな実を絞るのか分からないから、ペットボトルに入ったモノを想像した、かも。
胡椒も、木に生ってる形は知らなかったから、この乾燥した状態のを想像したし。
お米も、咄嗟に出て来るのは見慣れた白い粒。
おおおぅ、確かにそうだ。
便利だけども、これでいいのか? と言う疑問も湧いてくる。
……ここは元の世界じゃない、異世界だ。
ならば、これでいいのだ!
人間、時には開き直りも必要でい!
『で、祠は?』
……。
…………。
お願いさせていただきます!
えぇ、開き直りとでも言いましょうか。
なぁに、他の人にバレなければいいのだよ!
はっはっは!
両手を腰に高笑い。
顔引き攣ってる?
そりゃそーでしょーよ!
神様から直に賜ったなんて、誰が言えますか!
神様ありがとうござますざますっ!!
キラキラキラキラ〜☆
『じゃあぼくも! 神様、ラナの為にありがとう!』
キラキラキラキラ〜☆
◇◇◇
という訳でコメだ。
これからは、ごパンではなく、ご飯と言える!
いや、パンでもごはんだけど、何となく?
初めて鍋でお米を炊くけど、大丈夫かな。
初めちょろちょろ中パッパ赤子泣いても蓋取るな、だっけ?
……どういう意味?
とりあえず分量は分かる。
1合に対して、水も同じ分量。
1合量れないから、コップ一杯のお米に対して、水もコップ一杯。だったはず。
もちろんすり切りね。
お米を研いで、浸水させて、水切って、改めて水をコップで少なめに量る、と。
よしよし。
お試しだから、コップ3杯にしておこう。
あんまり少ないと、上手に炊けないかもだし。
で、火加減だ。
初めちょろちょろって事は、弱火?
で、中パッパは、強火?
赤子泣いても蓋取るなは、蒸らしって事だよね?
よーし! やってみよ!
『何ができるの?』
ご飯、あ、お米を炊いたのをご飯って言うんだけどね、そのご飯の下準備だよ。
『ごはん? ごパンとは別?』
あー、ごパンは造語。
わたしが居た所では、食事をごはんって言ってたの。
主にお米を食べてたんだ。
ここに来て主食がパンになったから、ごパンって言ってただけなの。
混乱するよね、ごめんね。
『ううん! 美味しいモノならごはんでも、ごパンでもいいよ! 楽しみ〜♪』
流石、食いしん坊キャラ!




