表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/91

願いの祠リベンジ。〜ジョン・ドゥとは〜

 ぽかーーん……。


 えーっとー、え?


『……願いの祠って、凄いんだねぇ』


 え? そうなの? これ普通なの?


『分かんない……』


 だよねー?


 と、とりあえず! これ白の泉に植樹しよう!

 神様、ありがとうございました!

 いずれまたお願いすると思います!

 その時はよろしくお願いしますっ!!

 キラキラキラキラ〜☆



 よしっ! 帰るよ!


『うん! 爆速で帰るね! 木が可哀想だから!』


 そうは言うが、土ごとインベントリに放り込むんだけどね!




 お家をしまって、アストロの背中に乗って、宣言通り爆速で飛ばして帰路に着いた。


 途中、鳥の魔物がアストロを避けきれずに引っ掛けられて墜落したのだが、見なかった事にした。






 ◇◇◇


 約2週間放浪していたが、白の泉は相変わらず静謐な空気だし、お家を置いていた場所も、木に侵食される事もなく空いている。



 どどん! とお家を置いて、植樹する場所を決める。

 3本中、どれが何だか分からないが、根付いてくれないと意味が無いので、できるだけ陽のあたる場所へ。



 アストロが、ここ掘れわんわんバリに穴を掘る。

 思ったんだけど、魔法で穴も掘れたんじゃない?


 あ って顔のアストロ可愛い。


 アストロもかなり動揺していたと見える。

 木を取り出して、穴に埋めたら水を与えて暫し。


 じーっと見ていても、すぐにはどうなるか分からないので、お家に入って休憩だ。





『「はー……」』


 3つ願ったんだけど、3つとも木が生えると思わなかった。


『何か、凄いもの見た気がする』


 アストロでさえそう思うんだから、かなり貴重な体験なんだよね?


『……多分、そう、なのかなぁ? ぼくも独り立ちして、まだそんなに経ってないから。色々と経験不足なのは否めないよ』


 そうなのか。

 いつかニーズおいちゃんに会ったら聞いてみようね。


『うんうん。それはそうと、何を願ったの?』


 お米と胡椒と植物性油脂だね。


『ふぅん。美味しいモノ?』


 そうね、全部そのまま食べられるものじゃないけど、お料理したら美味しくなるよ。


『へぇ! 楽しみ!』


 うん! また美味しいもの作るね!






 ◇◇◇


 翌日、件の木を見に行ったら何も変わりがない。

 おやぁ?


 樹上果実は、翌日には実が生ると言ってた。

 家に踏み潰された、いちごやブルーベリーも元通りになってた。

 なのに、何も変わらないとは、これ如何に?


 何でだろう……?

 植樹、失敗したのかな……。

 じーーーーー……


 ”ジョン・ドゥ(コメ)”


 え?

 えっと、こっちは?


 ”ジョン・ドゥ(コショウ)


 ”ジョン・ドゥ(ショクブツセイユシ)




 ジョン・ドゥ、って、あっ! 名無し?

 カッコがあるのは、ソレが生るって事?


 じゃあ、木に触れながら……


 あなたは”コメ”よ。


 シュシュシュッと葉が揺れた。

 じっと見てみると


 ”コメ”


 おおおおおおお!! 名が付いた!!


 胡椒も植物性油脂も!

 って、ちょい待て?

 植物性油脂って長いな。

 ここはやっぱり


 あなたは”サラダ油”よ。


 シュシュシュッ


 じーーっ

 ”サラダ油”


 うは!!

「やったーーー!!」


『どしたのー?』


 名前がなかったから、名前をつけたの!

 そしたら元気になったよ!


『へぇ! 凄いね! 確かに名前が無いと、どんな実を付けたらいいのか分からないもんね』


 あ、そーゆー事? なのか。


 まぁいい。

 これで実がなるのを楽しみにしておこう。

 くふふっ! 楽しみ楽しみ!


「あしゃごぱんにちよ!」


『うん!』






 ◇◇◇


 グレープフルーツのジュース。

 フルーツで飾ったパンケーキ。

 ホイップ生クリーム添え。


 か・ん・ぺ・きっ!!


 ぬふふのふ。


「でちたよー!」


『わぁ! お花が咲いたみたいに綺麗だね! いただきます!』


「いたーちまちゅ!」



 この世界でカフェメシぽいのを食べるとは思ってなかった。

 メシか? スィーツ? まぁどっちでもいいか。

 異世界あるあるでは、干し肉と硬いパンが定番じゃん?

 って、定番と言えるほど読んだ事なかったわ。


 でも、今の生活がとても恵まれているのは分かる。

 衣食住に困らないのはありがたい。


 話し相手も居るし、もふもふの癒しもあるし、お肉(はて?)も持って来てくれる。


 神様ありがとう!!

 アストロありがとう!!


『ラナ、にっこにこだね』


「うん! たのちいなっておもってた」


『ぼくも! 楽しいし美味しいし、も1回楽しい!』


 そして、ふたりで笑い合う。

 うん、良い朝だ!






 ◇◇◇


「あっ」


『どうしたの?』


 願いの祠の側にお家を置いて、何回かお願いする予定だったの忘れてたね。


『そう言えば……。飛ばせば半日掛からずに着くから行こうか』


 お願いできる?

 前回の感じでは、お願いを叶えてくれたら、すぐに芽吹く感じだし、運が良ければ日帰りできるかも。

 まだ願いの祠が移動してないといいんだけど……。


『うんうん、いいよ! 急いで行こう!』






 という訳で、前回同様爆速で飛んでおります。

 わたしは魔力(おんぶ)紐で括られて、尚且つドームの中なので、何の抵抗も受けずにアストロの背中にへばりついてます。

 ふっかふか〜♪


 懸念事項としては、願いの祠が移動してたら、また1から探すって事だ。

 まぁ急いでる訳では無いし、時間に縛られる事も無いので、なければないで楽しみながら彷徨うだけなんだけどね。


 そうだ、アストロは場所分かるの?


『前回の所なら分かるよー。魔力の残滓を探せばいいだけだし』


 残滓!? 魔力って残るの!?


『世界に吸収されるまでは、少し残ってるんだよ』


 へぇぇ! アストロ先生流石ですね!


『ラナもそのうちできるよ』


 ……そうだといいな。





 そんなこんなで、前回の場所に到着したが、残念ながら願いの祠は既に移動した後だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ