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さようなら前世。こんにちは今世。

よろしくお願いします┏○ペコッ


※本日のみ連載記念で2話更新です。2回目次ページあります。

 疲れた………。

 何連勤した?

 いや、そんな事より寝たい…。


 鍵、どこだ…?


 カチャカチャ


 んもー…鍵穴に入らない…。


 カチャ


 ドサッ


 あぁ…ベッドまでが遠い………。

 明日は給与計算しないと………。

 何だか胸がキリキリする………。







 ◇◇◇


 ”あっ! うそっ! もう覚醒しちゃうの!? まだ説明がっ!!”


 …うるさいな…


 もふ…ふわもふっ…


 あれ? こんなもっふもふのラグなんて敷いてたっけ?

 毛布…でもないし…

 んふふふふ♪ 気持ちいー…って、朝っ!?

 やだ! 遅刻しちゃうっ!!


『あ、起きた?』


 は?


『おはよう!』


「ぎ」


『ぎ?』


「ぎぃあああああああああああああ!!!!」

 バタッ…


『あっ!?』







 ◇◇◇


 ”おお! 戻ってきた! いやぁ良かったー!”


 ”焦ったわ! 説明も聞かずに覚醒しちゃうんだものー!”


 は?

 夢…?

 変な夢だな…。

 夢の中で夢だと思ってる…。

 さっきはでっかいわんこが喋ってる夢だったし…。

 …疲れてるんだな…


 ”夢じゃないぞ? あぁ、いや、夢は夢なんだけど夢じゃなく”


 ”そんな言い方じゃ分からないわよ。ねぇ?”


 えーと、あなた達誰ですか?


 ”私たちは、人が言う所の神、になるわね”


 神様っ!?


 ”おお! 通じるな! そうだ、本来は性別はないんだが、人の男女の姿を模しておる。この方が分かりやすかろ?”


 あぁ…えぇ、まぁ。


 ”あなた、凄かったわよー! 魂だけで界渡りをしてきたの!”


 かいわたり? って何ですか?


 ”あなたの世界から、こちらの世界に渡って来たって事”


 え?

 待って! 戻らないと! 給与計算しないと社員のお給料が滞っちゃう!


 ”戻った所で魂は消滅しちゃうし、既にあなたの肉体はないわよ?”


 ……え、わたし、死んだ、の?


 ”魂がここに来たって事は、そうなるわね!”


 がーーーーーーん!

 まだ…給与計算終わってないのに…。


 ”そこ!?”


 ”随分とまぁ…これって、所謂社畜って言うのよね?”


 ”お主、物知りよなぁ!”


 ”……覗き見なんて……ちょっとしかしてないわよ?”


 ”やっぱりしとったんかーい!”


 ”だって気になるじゃない? この子の居た世界がどんな所なのか”


 ”そうさなぁ……。本来ならば留まる魂が逃げて来るなんて。……魔王でも居たのか?”


 ”それは居なかったわね。何より魔法のない世界だもの”


 神様達が何やら騒いでるが、それ所じゃない。

 社畜…

 確かに小さい会社でブラックだと分かってたけど…

 経理も総務も庶務もお茶汲みも、ひとりだったけど…

 毎月サービス残業で、朝も早よから、夜は午前様だったし…

 なのに給料は雀の涙で…有給? なにそれ美味しいの? 状態だったし…

 そうか…社畜だったのか……。


 ”よしよし、辛かったねぇ”


 ”それだけの根性があったからこそ界渡りなんて離れ業ができたのかもな!”


 離れ業なの?

 

 ”そうよー。よっぽどソコに居たくなかったのよ、きっと”


 ”魂は拒否したかったんだろうなぁ。うんうん”


 そ、うなのかな…。


 ”そうよ! だからね? この世界で疲れた魂を休めたらいいわ! 幸い魔王も居ないし、平和な世界だもの!”


 魔王!?


 ”他の世界では、魔王を倒す為に勇者召喚とかやってるみたいなのよねー。アレはないわ”


 うわ怖っ!


 ”あ、でも魔物は居るから気を付けてね!”


 魔物っ!?


 ”魔法のある世界だから、どうしてもそれは排除できないんだ。でも君は界渡りで身体に魔力をべらぼうに溜め込んでるから大丈夫だ!”


 魔法!?


 ”そうよ? でもね、無理やり界渡りをしたせいで、魂が傷付いちゃってね、その膨大な魔力を備えた魂を赤子にして生まれ変わらせる事はできなかったの。だから、最初から人として落とす事にしたわ。だけど傷付いた魂の関係で、その、子どもにしかできなくて、ね”


 ”君は人の大きさでは幼児だな! 3歳位か?


 さんさい!? ひとりじゃ生きて行けないじゃん!


 ”大丈夫大丈夫! 私たちが作った身体だから丈夫だし! 魔法も使えるし! 記憶だって残してある! 安心したまえ!”


 ”それじゃ頑張ってね! あ、亜空間倉庫インベントリに必要そうな物は入れておいたから! じゃぁね~! アデュ~!”


 ひっ!!

 ぎゃああああああああああ!!

 おーーーーちーーーーるーーーーぅぅぅぅ…


 …………

 ……

 …




 ◇◇◇


 がばっ!


『あっ! 大丈夫?』


 ひっ!?


『叫んだと思ったら倒れたから心配したよー』


「あ、あの」


『なぁに?』


「どうちて」

 えっ!? 幼児語!?

 はっ! 手が小さい! つーか! 3歳つった!?

 マジかっ! 赤子じゃないか!!


『うん、まだ赤ちゃんだね』


 えっ!? なんで声に出してないのに分かったの!?


『頭で考えたら分かるよ? 念話だもん』


 そうなの!?


『うん、ぼく達はそうやって話すから』


 マジかっ!!


『そのまじかって何?』


 あ、本当か、って意味です。


『そうなんだ! マジだ! ひゃはは!』


 あぁ…何が何だか…。

 ……とりあえず、おちっこ。


『えっ! ぼくの上では止めてよ!?』


 しませんよ。

 トイレ、は……


 キョロキョロ


 ここどこ…?


『ここは神樹の森の中だよ!』


 森は見たら分かるよ!

 トイレがなーーい!!


『といれってなぁに?』


 おちっこするトコ!

 

『そこらでいいじゃん。あ、そうか、まだ赤ちゃんだからぺろぺろして貰わないと出ないの?』


 出ます!

 くっ! 野ションなんて屈辱的っ!

 しかーし! 背に腹は代えられぬ!

 こっち来ないでよ!?


『ひとりになると危ないよ!』


 ぬあぁぁぁぁぁぁぁ もぉぉぉぉぉぉ!!


 ……自粛……





 ガサガサ…


『ちっこ出た? ……む、ちょっとこっちおいで』


 ……なに?


 ”ウォッシュ”


 うわぁ! 綺麗……!

 漆黒の被毛がキラキラして、まるで満天の夜空を見てるみたい……。


 お?

 おぉぉぉ! 凄い! さっぱりした!


 『くちゃかった』


 ……だってペーパーなかったんだもん……





初っ端シモですみません……orz

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