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Ex.とある神官が語った神話

遥か昔、『原初の神』は我々が住まう世界を創り、大地を創り、海を創り、強大な『魔法』を持つ存在達を創りました。

まず、『生命』を生み出す『偉大なる竜』と『死』をもたらす『冥府の王』を。

そして、世界の理を操る『魔術の王』を生み出し、世界に魔力が満ちました。

この時、我々人間が生み出されたといいます。

『原初の神』は代わり映えしない世界に退屈していきました。

最初は世界をより良くしようとしていた『原初の神』でしたが、数を増やし、平穏に暮らしている人間を見て、『災厄の王』を生み出して我々人間に『試練』を与えました。

『魔術の王』より魔術を学び、『試練』を乗り越えた人間は成長し、様々な物を生み出していきました。

長い長い時をかけて技術を研鑽し続け、『試練』を乗り越え続けます。

ですが、ある時から人々は停滞し始め、堕落していきました。

異界より降り立った『魔王』が人々にあらゆる悪徳を広めたのです。

人を妬み、裏切り、憎悪し、騙し、怠け、争う事を。

良き人々達はその数を減らし、降り注ぐ『試練』に立ち向かうことすらできなくなっていきます。

そこに現れたのが『緋色の王』です。

『緋色の王』は『災厄の王』のありとあらゆる『試練』を乗り越え、世界を元に戻す為に奔走します。

『緋色の王』は『魔王』が世界を滅ぼす為に『原初の神』によって異界から呼び出された事を知ると、『偉大なる竜』と『冥府の王』、そして『魔術の王』の力を借りて『魔王』、そして『原初の神』と戦いました。

勿論、ありとあらゆる者を生み出す『創造』の力を持った『原初の神』です。簡単には勝てません。

長い月日をかけて戦い続けた『緋色の王』達の元にある存在がやってきました。

『偉大なる神』と呼ばれるその御方は、『原初の神』の神としての力を取り上げました。

神で無くなった『原初の神』は『緋色の王』と『冥府の王』によってその命を絶たれ、『魔術の王』によってその肉体を封じられたといいます。

『原初の神』がいなくなると、禍々しき『魔王』はその力を無くし、1人の女性として生まれ変わったそうです。

『緋色の王』は彼女を娶り、現在のカルブンクルス領に居を構えました。これがカルブンクルス家の始まりだとも言われております。

そして、『緋色の王』は『偉大なる神』を新たな世界の管理者として祀るよう、人々に伝えました。

人々は物語を語り継ぐ為に教会を建て、『冥府の王』より伝えられた偉大なる存在達を祀ることにしました。

大地にその身を埋め、我々を見守る事にした『偉大なる竜』。

死した者の魂を新たな生命へと還す『冥府の王』。

試練によって人々を成長へと導く『災厄の王』。

理を操り、我々の生活を豊かなものへと変えた『魔術の王』。

試練を越え、人の身にして神々の領域へと踏み入れた『緋色の王』。

そして、今も我々を見守り下さる『偉大なる神』。

我々が祈りを捧げる事によって『偉大なる神』はその力を維持できるのだと、『緋色の王』は伝えております。

邪たる神に二度とこの地を荒らされないようにする為にも、祈りを捧げましょう。

では、皆様により良き死があらんことを。

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