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ジョブ「お兄ちゃん」ってなんですか? 謎のジョブを与えられて困惑していると妹が最強になりました  作者: にとろ


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妹のとある日の日記

 私はお兄ちゃんと一緒にショッピングをしています、「お兄ちゃんと一緒に」ショッピングをしています! 大事なことなので二度書きました。


 ちなみに買っているものは宝石です、ねだりましたが何か?


 やだなあ、お兄ちゃんが妹に進んで宝石を買ってくれるほど気の利いた人じゃないのはこの記録を読んでいる人ならご存じでしょう?


「お兄ちゃん! これこれ! このルビーのネックレスいい感じじゃないですか?」


 ちなみにお兄ちゃんは正直に言うと渋るので宝石といっても魔力のこもった付けるとバフ効果のつくものです、実用性をアピールしてお兄ちゃんを落としました。


「いいんじゃないか? ちなみに付与効果はなんだ?」


 ちっ……お兄ちゃんは妹と宝石を買いに来たのにそんな無粋なことを気にするのですか……いえまあ私がそういって無理矢理連れ出したんですけれど……


 とまあお兄ちゃんの無粋な質問はさておいてネックレスをねだっていきます、自分で買え? お金があることとお兄ちゃんに買ってもらうことは別問題なんですよ?


 ちなみに、昨日お兄ちゃんにお小遣いとしてそれなりの枚数の金貨を渡しています、つまりお兄ちゃんの財力で買えることは保証されているわけですね。自作自演? 何のことでしょうねえ……さっぱり分からないですね?


 私が見ているのは羽の形をしていて、付け根に赤いルビーの埋まっているジュエリーです。実のところ指輪とかも狙っていきたいのですが、さすがに指輪はお兄ちゃんに進んで買ってもらいたいので我慢しています。さすがの私もその程度の判断はできるのです。


「ほらほら、早く買ってください! それとももっとおねだりしてもいいんですか?」


 もちろん予算ギリギリなのでお兄ちゃんは買うしか選択肢はないわけですね! 完璧な戦略です!


「しょうがないなあ……」


 そう言ってお兄ちゃんは店員さんにこれを買いたいと伝えてくれました。うん! これなら誰がどう見てもカップルで男女の仲と思われること間違い無しです!


「こちら少々お高いですが……構いませんか?」


「もちろんです!」


 私が宣言しました。お兄ちゃんの背中を押してあげるのは妹の役目ですからね!


「じゃあこれください」


「かしこまりました」


 そう言って数枚の金貨を会計に通します、私が昨日あげた分の大半は消費してしまいましたね、まあお兄ちゃんが私以外にお金を使うのはよろしくないので全く問題ないですね。


 お兄ちゃんが気前よく私があげたお小遣いを支払ったのを眺めて幸せな気分に浸ります、お兄ちゃんが私のためにお金を使ってる……いい……


 おっと、ついついトリップしてしまいました、お兄ちゃんが最高なのは言うまでもないとして、私のために行動してくれたことが尊いのですね。ここは強調しておかないとなりません。


 そこを強調するメモを残しながら私はお兄ちゃんに買ってもらったネックレスを見てついついうっとりしてしまいます。


 これはお兄ちゃんが私へ買ってくれたもの、他の誰でもない私だけのために買ってくれたもの、大事にしましょう。


「おーい? 大丈夫か?」


 お兄ちゃんの声が私を現実へ連れ戻します、お兄ちゃんは誰より大事で、例えこのネックレスがいくらであろうと、現実のお兄ちゃんに代わるものではないのです。


「大丈夫です、お兄ちゃんが私へのプレゼントをしてくれたのでついうっとりしてしまいました」


「うっとりする要素あるか? それ」


 お兄ちゃんには理解できないのでしょう、お兄ちゃんには自信の価値が分かってなどいませんし、私以外にお兄ちゃんをかけがえのない者と評価している人はいないですし、いて欲しいとも思いません。


「じゃあお兄ちゃん! これを付けて食事をしましょう!」


 私は露骨に見せびらかすことを計画します。


「じゃあいつもの定食屋で……」


「お兄ちゃん? 妹が大喜びしているのにそんな平凡なお店で済ませていいんですか? 妹にふさわしい特別なお店にするべきでしょう?」


 私はそう言ってリストランテへと案内します、ここは結構お高いところですがちゃんと私のポケットには十分なお金があります、なんならさっきのネックレスだって余裕で買えるお金だったりします、もちろんその事は秘密ですけどね。


 私たちはちょっとお高そうな立派な建物に入っていきます、上階は何とは言いませんが大人な方々が休憩をしていく間だそうです、何のことかは分かりませんが、いずれお兄ちゃんと一緒に滞在したいですね。


「ここってどんな料理が出てくるんだ? 普段行かないからさっぱり分からん」


「ここはコース料理がメインのお店ですよ、雰囲気いいでしょう?」


「あ、ああ……そうだな、どうにもこういう高級な場所には慣れないが……」


「お兄ちゃん、堂々としてください! 私のお兄ちゃんなんですからそんなにおどおどされていると私まで過小評価されてしまいます」


「わ、悪い」


 ああ、お兄ちゃんと一緒にここで食事ができるとは……!


 ここは結婚式があればシェフが料理を提供するので有名なお店です! つまり私とお兄ちゃんの結婚式も同然というわけですね! 素晴らしい!


「何をそんなに焦ってるんだ?」


「ああいえ、ついついお兄ちゃんと雰囲気のあるお店に来たので昂ぶってしまいました」


 お兄ちゃんも呆れていますが、私は予約通りのコースを出してもらいます。


 徐々にいい雰囲気が出てきますが、残念なことにお兄ちゃんが感覚についていけないらしく、丁寧な接客にアガってしまっています……もうちょっとお兄ちゃんには場数を踏ませた方がいいですね。


 ま、いいですね。最近ちょっとお金まわりがいいのでここの代金もちょっと奮発した程度でしかありません。つまりお兄ちゃんとまだまだ来ることが可能ということですね!


 私たちはそのお店で終わりまでコースを食べた後、お兄ちゃんと帰途につきました。


 このままいい感じにならないですかね? 横にいるお兄ちゃんの顔を覗いてみます。


「……」


 無言なのでどう思っているかは不明ですが、お兄ちゃんは嫌なことは嫌というのできっとそれほど悪くは思っていないのでしょう。


 私は気分良く前を歩いて行きました、そうですね! お兄ちゃんの愛情を疑うなんて良くないことです! 私はお兄ちゃんを信じていますから、お兄ちゃんも私を好きなのでしょう。


 その夜、私はお兄ちゃんのことをこうして記録しています、この「客観的」な記録で私とお兄ちゃんの歴史が紡がれていくわけですね! 今日、私とお兄ちゃんがいい雰囲気になったことを強調して筆を置くことにします。

 ――了――

一応文章の体をなしているので「了」と書いていますが、最終回ではありませんのでよろしくお願いします

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