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ジョブ「お兄ちゃん」ってなんですか? 謎のジョブを与えられて困惑していると妹が最強になりました  作者: にとろ


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妹による魔王軍幹部討伐

 先日魔王討伐軍に登録した後、とあるスキルに目覚めた。


 ピコーン

 ――

 スキル妹への「原子核反応制御付与」がアンロックされました

 当スキルは実験的な物になります

 ――


 どうやら試作品のスキルが使えるようになったらしい。ついでに言うならそのうち使えなくなるパターンだな。


 さて、字面からは想像がつかないがそれなりにヤバいスキルであることは予想がつく。安易に付与するわけには……


 その時ギルドカードに赤文字が浮かび上がった。


「緊急招集、魔王軍幹部出現!」


 ご丁寧に地図も表示されていた、位置は……この村のすぐ近くだった。


「ご都合主義だなあ……」


 そうは言っても始まらない……


「お兄ちゃん! 魔王軍が攻めてくるって情報がきましたよ!」


「ああ、そうだな。行くか?」


「もちろんじゃないですか!」


 やる気満々の妹だが今回はさすがに位置的にも戦うしかないだろうな。


 カードに表示された位置は町の北方、少しだけ離れたところだ。


「面倒なことになったな……」


「ほらお兄ちゃん! 行きますよ?」


「はいはいっと……」


 俺達は装備を調えてそこに向かった。


 ――


 そうしてたどり着いた町の北方には、デカいワニや蛇、ゴリラ等々の様々な魔物がいた。


 そしてリーダー格のおぞましい人間に似た形をした男が立っていた。


 こちらの勢力は冒険者が十人足らず、辺境とはいえあまりに数の面で不利だ。


「脆弱な人間ども! 我々に殺されるのを喜ばしく思うがいい!」


 偉そうなことを言っている魔物のリーダーだが血の気の早い妹は早速スキルをせびってきた。


「お兄ちゃん! 爆発系魔法を付与してください!」


 本命のスキルは多少物騒な気がするのでその辺をとりあえず付与しておくか。


 ――

 妹に爆発系魔法を付与しました

 ――


「エクスプロージョン!」


 速攻使う妹、魔物の一部が吹き飛んだ。


 仲間たちもそれで決着がついたんじゃないかと少し考えていた。


 しかし隊長は平然とした顔で俺達に言う。


「ほう、少しはやるようだが所詮人間の限界だな」


 魔族は手のひらから炎を出して俺達を焼き払いにかかる。


 灼熱の炎が当たりを焼き尽くす、妹には火属性を付与しておいて俺は距離をとった。


 当然属性付与なので妹は平気な顔で炎を直撃させた上で何事もなかったように立っていた。


「死ぬって! あんなの相手にできるかよ!」


「逃げた方がいいんって! ああでも逃げた先があの町なら一緒か……」


「あなたたちねえ……仮にも魔物を狩ってるんでしょう? いまさらあの程度で驚いてどうするんですか……?」


「なんでお前は平気な顔をしてるんだよ!? あんなのくらったら死ぬに決まってんだろ!」


 皆、さっきの一撃で闘争心を消されてしまっていた。


 こちらの士気はあまりにも低い、となると……


 次の炎をすんでの所でかわして考える、やっぱり使うしかないか。


 ――

 妹に「原子核反応制御」を付与しました

 ――


「お兄ちゃんこれなんですか? なんかヤバそうな気がするんですけど!?」


 おそらくスキルの情報が流れ込んだのだろう、ヤバい魔法らしい。


「これ……? 使って大丈夫なんですか?」


「ぐるあああああああああ!!!!!!」


 魔族も本気を出しているので考えているヒマは無い、たたき込むのみだ。


「使っちゃえ! どうせ前方には魔族しかいない! いつも通りに吹き飛ばせ!」


「了解! いきますよ!」


「アトミックレイ!」


 妹の前に光が見えた、しかし、その光は魔族の方へ向いて伸びていき、「全て」を消し飛ばしていった。


 閃光は前方を包み込み、膨大な熱が消し炭すらも残さず全てを消滅させた。


 どおおおおおおおんん!


 強力な魔法が魔族を跡形もなく消し飛ばした。


「お兄ちゃん……私が言うのもなんですけどもうちょっと加減した方がいいのでは?」


「そうだな」


 ――

 妹へのスキルがロックされました

 ――


 その言葉が前方の魔族を全て消したことを表していた。


「すげえ! なんて魔法だよ!」


「魔族よりヤバい気がする」


 等々言われているが大体全部の魔族は消えていったのでいいだろう。


 そうして、魔族の生き残りを調べてから、何もかもが跡形もなく消えていることから、生き残りがいるかの検証自体が不可能なのに気がついて、誰もが町に帰っていった。


 ――


「いやあお二人ともお手柄でしたねえ」


 俺達がギルドに帰ってくるとそう言って出迎えてくれたのだが、他の皆は何事もなかったかのように酒を飲み、肉にかじりついている。まるで何もなかったかのようだ。


 俺の顔色を読んだのか説明をしてくれた。


「まあ皆さん、ミントさんが全部倒すだろうし、わざわざ俺達が出なくても、という感じでしたね。お二人が負けることは絶対にないと思ってたみたいですよ?」


「……」


 人が魔族と命がけの戦いをしたというのにこいつらは……」


「それだけお二人を信頼しているということでしょうね」


 俺達を褒めてくれるセシリーさん、ちなみに冒険者の皆様は「いつものこと」なので今更驚くような奴は一人もいなかった。


 まあ、魔王討伐軍の皆様はこの反応にポカンとしていたのだが……


「ところでセシリーさん、この活躍でランク上がりますよね?」


「え?」


「え?」


 二人の間の空気が凍った、どうやら認識にずれがあるようだ。


「今回は討伐軍での活躍なのでギルドのランクとは関係ないですよ?」


 そう、今回は他の人たちはギルド経由の依頼なのだが、俺達は討伐軍の一員としての依頼だった。つまりギルドの貢献ポイントには影響がないと言うことだ。


「えーーーーー!」


 そう言う妹の叫びと共に、俺達のランクは今日も据え置きとなったのだった。

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